お金の問題は、時に人の命を奪うことがあります。
債務整理という方法を知らない場合、借金の解決策が無いも同然です。
債務整理は、デメリットだらけだという認識だったら、解決できるはずの道を自分で断ってしまうことになります。
こんにちは、名古屋にあるアーク法律事務所、弁護士の鬼頭です。
どんなことをする時も、メリットとデメリットがありますよね。
でも、それらを飛び越えて決断しなければならないことが、きっと私たちにはあるものだと思います。
その中でも「お金」に関することは、生死をも左右することがあります。
借金は、今や当たり前の世の中になり、多くの人が持っています。
あまり認識が持たれにくいかもしれませんが、クレジットカードで買ったものは、すべて借金です。
親に頭を下げることなく簡単にお金の工面ができる時代にもなりました。
しかし、便利になった世の中と引き換えで得たものは、クレジットカードやキャッシングなどの支払いに苦しむ現実です。
借金の支払いに苦しんでいても、デメリットやリスクを考えてしまい、一歩も踏み出せずに事態が深刻化してしまうことが非常に多いです。
まず、最初にあなたの希望を考えてみましょう。
→任意整理
住宅は守りたい!という方には
→個人再生
全くもう借金が払えないという方には
→自己破産
弁護士として、それぞれの手続きと、心配になるデメリットやリスクについてをしっかり解説します。
債務整理とは
債務整理とは、任意整理・個人再生・自己破産手続きの総称です。
<任意整理とは>
任意整理は、あなたの負担になっている借金だけを選び、将来利息を最大ゼロにすることができる手続きです。
実は、毎月支払っているクレジットカードやキャッシングの支払いの中には、利息がたくさん含まれています。
この利息を軽減させることで、毎月の支出を変えることが可能です。
<個人再生とは>
個人再生は、全部の借金を大幅に減額させることができる手続きです。
住宅ローンを抱えていても、住宅ローンを維持したまま手続きをできる可能性があります。
つまり、住宅ローン以外の借金の重圧を大きく下げることが可能な手続きです。
<自己破産とは>
自己破産は、全部の借金を帳消しにする手続きです。
何もかも失う手続きだと誤解されますが、総額99万円までの財産は守ることができます。
自己破産の手続きで財産というカウントがされるものは、1つ20万円以上の価値のあるものだけです。
<債務整理を扱える人>
- 弁護士
- 認定司法書士
詳しくは、
「債務整理|弁護士と司法書士の違い・どっちがおすすめ?」の記事をご覧ください。
次は、債務整理をすることで得られるメリットからお話します。
債務整理のメリットを知る
まず、デメリットやリスクが気になるあなたは、債務整理のメリットをご存知でしょうか?
各お手続きごとに解説します。
※気になる箇所の+ボタンを押して、続きを表示させてください。
債務整理を行う最大のメリット
まず、先に「受任通知」の存在を知ってください。
弁護士が債権者に送る受任通知は、
あなたの代理人として、弁護士が介入したことを知らせます。
そして、同時に債務整理を開始することを伝えます。
<この受任通知を債権者が受け取ると>
債権者は、直接あなたに取り立てをすることができなくなります。
よって、受任通知送付後は、返済の請求や督促の電話がかかってくることもなくなるので、穏やかに過ごすことができるようになります。
受任通知の効力は、各手続きが終わるまで保たれます。
任意整理のメリット
②弁護士が受任通知を送ることで、支払いや取立てがストップする
③利息カットで、総支払額が減る
④元金だけを支払うから完済までが明確化する
⑤毎月の返済額が減る可能性がある
⑥手続きが簡単
任意整理の最大の魅力は…
複数のクレジットカード、キャッシングなどの借入先を自由選択できることです!
ただし、同一発行会社、同一の保証会社からの借入がある場合は、併せて任意整理をすることになるのでご注意ください。
個人再生のメリット
②債権者からの強制執行を停止
③借金総額の大幅な減額が可能
④職業の制限がないこと
⑤借金の理由に制限がない
⑥実際に財産の処分はされない
- 債権者からの強制執行を停止とは
- 支払いを滞納し続けると、給与や口座を差し押さえる強制執行をされてしまうことがあります。
通常、借金の額を返済するまで強制執行が解除されることはありません。
しかし、個人再生手続きを行うことで、その強制執行を停止させることができます。
強制執行を停止させるためには、裁判所に個人再生手続きの申立てを先に完了させる必要があります。
- 借金総額の大幅な減額が可能
- 個人再生は、任意整理とは違い、借金総額で考えます。
個人再生の目的は、借金総額を圧縮することによって、生活再建を図ることです。
借金総額の圧縮をし、残った残金を分割で支払うため、大きな経済状況の改善が見込めます。
大まかな減額基準については、下記の表をご参考ください。
【注意点】
最低弁済額は、あなたの個人再生をした時の結果ではありません。
あくまでも圧縮した借金を最低支払う必要のある金額の目安であり、あなたの保有する財産により、実際に裁判所で決定される弁済額は異なります。最低弁済基準額 借金の総額 最低弁済額 100万円未満 全額 100万円~500万円未満 100万円 500万円~1,500万円未満 借金の総額の5分の1 1,500万円~3,000万円未満 300万円 3,000万円~5,000万円未満 借金の総額の10分の1
- 職業の制限がないこと
- 法律では、一部の職業の人は、自己破産手続きをすることができないと定められています。
しかし、個人再生手続きを選択する人には、職業や資格の制限は発生しません。
ただし、どんな人でも手続きをすることは可能ですが、圧縮した借金を支払っていく必要があるため、安定した収入のある人に限られています。
- 借金の理由に制限がないこと
- 自己破産手続きの場合、借金に至った理由によっては、裁判所で借金の帳消しが認められないことがあります。
例えば、浪費やギャンブル、投資などが該当します。
しかし、個人再生手続きでは、借金に至った理由で、裁判所が許可するか、しないかの判断はしません。
個人再生で重視されるのは、圧縮した借金を支払っていくことができるかどうかです。
- 実際に財産の処分はされない
- 自己破産手続きでは、20万円以上の価値のある財産は、すべてお金に換えて処分する必要があります。
しかし、個人再生手続きでは、弁済額に影響を与えることはあっても、実際に財産の処分をされることはありません。
ただし、住宅ローンの場合は、住宅資金特別条項を満たしている必要があります。
これを満たしていれば、住宅ローンをこれまで通り維持し、それ以外の借金だけを圧縮することができます。車の場合は、所有状況によって変わります。
自己破産のメリット
②弁護士の受任通知で取り立てがストップ
③給料などの差押えが停止する
④無職や生活保護受給中でもできる
⑤ある程度の財産を守れる
- 借金が無くなる
- 自己破産の最大メリットは、借金の帳消しです。
自己破産をすることで、これまで苦しんでいた支払いからは解放されます。
ただし、税金、保険料、年金、養育費などは、自己破産の効力が及ばず、帳消しにすることはできません。
- 給料などの差押えが停止する
- 個人再生手続きと同じく、自己破産の申立てを裁判所に行った後で、差押えの停止が可能です。
- 無職や生活保護受給中でもできる
- 個人再生手続きでは、圧縮した借金を支払っていくために安定した収入が必要なため、収入のない方は手続きをすることができません。
しかし、自己破産の場合は、借金を支払えないことを前提で行う手続きのため、無職の方や生活保護受給者の方が利用できる手続きです。
収入基準を満たしていれば、法テラスを利用することも可能なため、弁護士費用を免除または立替をしてもらうこともできます。
- ある程度の財産を守れる
- 自己破産は、所有している財産を何もかも処分されてしまうと誤解されています。
1つ20万円以上の価値のある財産をお金に換えて、債権者に分配しなくてはいけないルールはありますが、あなたの所有している財産で、20万円以上の価値の付くものをどれだけ保有しているかを振り返ってみてください。
また、家電、家具、衣服などの生活必需品においては、守られるべきものとして、処分の対象外となります。
20万円以上の価値のある財産であっても、裁判所で認められれば、総額99万円までの財産を残すことが可能です。
債務整理の手続きに共通したメリット
■支払いに怯える生活からの脱却
■給料が支払いで全部消えない
■子どもにねだられた時に買ってあげられる
■自分の欲しかったものが買える
■心にゆとりが生まれる
借金でお金がないという生活は、こういったことが生活から奪われていたはずです。
手元のお金が無くなってくれば、だんだん心のゆとりは失われ、大切な人にもキツく当たりがちです。
本当は仲の良い夫婦だったはずなのに夫婦喧嘩ばかりになってしまったり…
大切な我が子にまで当たってしまったり…
いろんな自己嫌悪にも陥ったことだと思います。
それを解消させられる力を持っているのが、債務整理の何よりのメリットだと僕は思います。
では、メリットを読んでいただいた上で、債務整理には、どれほどのデメリットやリスクがあるのかをお話させていただきます。
債務整理|全体のデメリットとリスク
おさらいをします。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つの手続きがありましたね。
これら3つの手続きのどれかを行った時に生じる全体的に共通したデメリットやリスクを最初に解説します。
<債務整理をしたことで起きるデメリット>
②一定期間、クレジットカードが持てない
③一定期間、保証人になれない
④所有権留保のある商品は返還が必要になるケースがある
⑤連帯保証人がいる場合は、迷惑を掛けること
- ①一定期間、ローンが組めない
- 一定期間という表現は、債務整理をすることで、信用情報機関に事故情報として登録されている期間を指します。
この期間は、手続きにより異なります。
任意整理
JICC、CIC、KSCいずれも登録機関は、完済から5年
個人再生
JICC、CICは、完済から5年
KSCは、開始決定日より10年
自己破産
JICC、CICは、免責許可決定より5年
KSCは、破産手続きの開始決定より10年
この期間に該当する間は、ローン契約が組めなくなります。
このローン契約には、スマホの割賦契約も含まれます。
お金を貯める必要はありますが、androidなどの安い携帯を購入することなど工夫すれば、一定期間を乗り切ることが可能です。
- ②一定期間、クレジットカードが持てない
- クレジットカードもローン契約と同様で、信用情報機関に事故情報として登録されている期間に契約をすることができません。
クレジットカードが持てないと思うと、生活が途端に困ると思う人がいます。
しかし、よく考えてみてください。
クレジットカードが便利だと思うのは、その場で現金が不要で買い物ができるということではないでしょうか?
そして、その支払いは、翌月に全額ではなく、一部を返せばいいということです。
この考え方が頭から切り替えられないと、借金問題から生活再建していくことが難しくなります。
クレジットカードの代替品は、電子マネーにチャージをしたり、デビットカードを利用することで同じサービスを活用することは可能です。
- ③一定期間、保証人になれない
- ①②と同じく、信用情報機関に事故情報として登録されている期間に保証人になることはできません。
よくあるご質問は、子供の奨学金などの保証人になれないのか?ということです。
この答えは、機関保証が用意されているので、親が保証人にならなくても奨学金を借りることは可能です。
その他、最近の契約ごとは、保証人を用意せず、機関保証を利用できるケースが増えてきています。
賃貸契約においても、保証会社を立てることで解決できます。
①~③の内容の詳しいことは
「ブラックリスト(信用情報機関)事故情報の登録期間はどのくらい?」をご覧ください。
- ④所有権留保のある商品は返還が必要になるケースがある
- 債務整理を行う借金の契約によっては、所有権留保のかかっている商品を保有している場合があります。所有権留保とは、ローンを支払い終わるまで、所有権は購入者ではなく、ローン会社にあるということです。
よって、所有権を持っているローン会社が返還を求めた場合は、その商品を返還する必要があります。
詳しくは「借金(ローン)返済途中に債務整理すると契約や商品はどうなる?」をご覧ください。
- ⑤連帯保証人がいる場合は、迷惑を掛けること
- 住宅ローン、車のローンなどの高額なものを購入する際には、連帯保証人が設定しなくてはいけないことがあります。
この時、主債務者が債務整理を行う場合は、連帯保証人にその請求が行くことになります。
連帯保証人の方の経済状況によっては、同時に債務整理を行うこともあります。
よくあるケースでは、奨学金の保証人が親御さんになっているので、債務整理を躊躇するケースがあります。
この場合には、親御さんともしっかりと相談する必要があります。
また、住宅ローンの場合は、夫婦でローンを組んでいる場合もあるので、その契約の仕方によって手続きの仕方が異なってきますので、弁護士にしっかり相談して欲しいです。
多くの場合は、個人再生手続きを選択することで、住宅を処分することなく、その他の借金だけを圧縮することが可能です。
また、夫婦両方が債務整理をすることで問題が解決できることもあります。
連帯保証人がいる借金の場合でも、解決方法を一緒に考えるのが弁護士の仕事です。
次に各種お手続きにおいて、デメリットやリスクがあるのかをお話します。
【種類別】債務整理のデメリットとリスク
全体的なデメリットやリスクについては、前述しましたが、選択する手続きごとにも、デメリットやリスクがあるのか気になりませんか?
それぞれ解説します。
ブラックリストについては、「ブラックリスト(信用情報機関)事故情報の登録期間はどのくらい?」をご覧ください。
任意整理のデメリットとリスク
- 収入がないとできない
- ブラックリストに登録されてしまう
- 他の債務整理に比べれば返済額は高額になる
- 任意整理に応じてくれない債権者がいる
- 任意整理しないクレジットカードも使えなくなる
- 収入がないとできない
- 任意整理は、
返済を免除してもらうものではありません。
毎月の返済額が難しいから、見直しをすることです。
よって、
毎月の返済の約束をすることが不可欠になります。
任意整理を行うには、あなたに収入がなくては、返済していくことができないことになってしまいます。
最終的に、債権者とあなたとで、和解合意した金額を3~5年で返済していくことをしていかなくてはいけません。
- 他の債務整理に比べれば返済額は高額になる
- 任意整理でできるのは、
将来利息をカットすることだけです。
任意整理は、裁判所の手続きも不要で、債権者との話し合いで解決に持って行くことができます。
しかし、その解決策は、利息をカットすることだけです。
大幅な減額は見込めません。
また、現在は、債権者は利息法を守っているため、過払い金というものも発生しません。
過払い金が請求できるような広告を見聞きすることもあると思いますが、ほとんどの方は該当しないので、債権者からお金が返ってくることはありません。
弁護士 鬼頭 法律が変わったことで、過払い金の対象者は激減しています。
2010年6月17日以前の借金ではない場合は対象外です。よって、毎月の返済額は、あなたが期待しているほど減らないかもしれません。
- 任意整理に応じてくれない債権者がいる
- 任意整理は、裁判所での手続きを踏まず、法的な効力を持つものではないので、中には、応じてくれない金融会社もあります。
それだけではなく、最近の傾向では、任意整理に応じてくれたとしても、利息をつけないと応じられないという場合や分割回数の制限をする金融会社もあります。
この「利息をつけないと応じられない」という債権者で注意していただきたいのが、法定利息でという交渉をしてくる場合があるということです。
つまり、
任意整理をする意味がないケースが存在する
ということです。
これを未然に防ぐためには、弁護士選びを慎重になさってください。
債務整理に特化していない弁護士に依頼すると、その債権者がどんな意向を示すのかも知らない可能性があります。
だから、任意整理を検討される場合には、債務整理に特化している弁護士に依頼するのが大切です。
よって、あなたの予定している結果にならない場合は、個人再生や自己破産など、別の方法を考える必要が出てくることもあるかもしれないことを頭に入れておいてください。
- 任意整理しないクレジットカードも使えなくなる
- 任意整理は、自分で好きに債権者を選ぶことができます。
例えば、A・B・C・Dの4社から借入があった時、AとDだけ任意整理をしたいということが可能です。
この時、任意整理をしなかったBとCについて、クレジットカードの契約があって、滞納などもなく、上手に運用できていたとしても、AとDの任意整理を行ったことで、いずれ使えなくなります。
どうして、”いずれ”という曖昧な言い方かというと、まず、任意整理をすることで、事故情報として信用情報機関に登録されることになります。
そして、任意整理しなかったクレジットカードにおいても、定期的に途上与信と呼ばれる審査が行われています。
途上与信は、契約中の債務者に問題がないかなどを債権者が定期的にチェックすることです。
ことの途上与信がいつ行われるかは、そのBとCの会社の規定によるから”いずれ”という表現になるということです。
だから、信用情報機関に事故情報として登録されていることを知ったクレジットカード会社は、利用を止めてしまうというワケです。
個人再生のデメリットとリスク
- 手続きが複雑なこと
- 信用情報機関に登録され、ブラックリストに載ること
- 個人再生をしたことが官報に載ってしまうこと
- 返済中の車等は処分の対象になること
- 安定した収入が必要
- 連帯保証人に請求されてしまうこと
- 手続きが複雑なこと
- 個人でやろうとすると、とても複雑なので、代理人となる弁護士に依頼する方が楽に進めていくことができます。
弁護士に依頼することになれば、依頼費用がかかるので、デメリットと言えるかもしれません。
※司法書士に依頼する場合は、再生委員が必ず選任されることになるので、司法書士の依頼費用+予納金(約20万円)がかかることになります。
ですが、弁護士に任せきりにはできません。
裁判所に申立てる書類の準備をしていただく必要があります。
その中でも、依頼者の方が大変になるのは、家計収支表をつけるという作業です。
これまで、家計簿をつける習慣のある人なら苦労はしませんが、これまで家計簿をつけたことのない人がつけるとなると大変です。
まず、添付資料と、2ヶ月分の家計収支表が完成してから、裁判所に申立てることができるようになります。
この資料と家計収支表の準備に手間取り、手続き期間が延びていく方が多いです。
期間が延びることによって、弁護士費用が高くつく可能性がありますのでご注意ください。
- 個人再生をしたことが官報に載ってしまうこと
- 官報とは
内閣府が発行するもので、この中の公告(裁判所公告)というところに、あなたの住所、氏名、裁判所の手続き内容が記載されることになります。
ただ、誰でも読むことができますが、誰でも毎日目を通すというようなものではないため、載っても大きなデメリットがあるとは言えないでしょう。
ですが、仕事柄、官報を読むという職業もあるため(金融会社等)その場合は、個人再生した事実を知られてしまう可能性があります。
注意事項
会社にバレるかを気にされている場合は、会社から借入があるか、ないかに重きをおいてください。
会社に借り入れがある場合は、個人再生をすることが会社にバレます。
- 返済中の車等は処分の対象になること
- 手続きの簡単さから、ディーラーローン、残価設定型ローン契約を組まれている人は多いです。
ですが、その場合は、所有権が自分にはありません。
自分に所有権のないものは、車だけに限らず、ローン会社の判断で没収される可能性があります。
ですが、マイカーローンの場合は、車の所有権が自分にあるので、没収されることはありません。
この違いは大きいので覚えておいてください。
- 安定した収入が必要
- 個人再生では、毎月の弁済額を支払うために安定した収入が必要となります。
<個人再生の手続きをすることができない人>
- 主夫・主婦
- 生活保護受給者
- 継続見込や再就労の見込みの立てられない職業の人
ここに該当する人は、個人再生という手段が使えませんので、別の債務整理を検討する必要があります。
また、生活費の中から実際に弁済していけるかを裁判所はチェックします。
これを履行テストと言います。
履行テストでは、毎月4万円~の積立金をしていくことになります。
(借金総額に応じて積立金の額は変動します。)
弁護士 鬼頭 アーク法律事務所の弁護士費用は、この積立金の額×手続き期間をいただいております。
ご依頼者様は、手続き上必要な履行テストをこなせば、それが弁護士費用に充当されるので、大変好評いただいております。
- 連帯保証人に請求されてしまうこと
- 奨学金、住宅ローンや車のローンなどの高額なローン契約をする時には、連帯保証人が必要なことがあります。
主契約者が支払えなくなった時に、代わりに請求されてしまう人が連帯保証人です。
それは、個人再生の手続きをする上でも同じです。
主契約者であるあなたが支払えないとなると、連帯保証人は、一括請求を受けることになります。
実際は、債権者との話し合いで、分割になることが多いです。
弁護士 鬼頭 連帯保証人も支払いが困難となる場合は、同じく債務整理を検討する必要があります。
自己破産のデメリットとリスク
- 信用情報機関、ブラックリストに載ること
- 自己破産した事実が官報に載ること
- 資格の制限を受けること
- 生活必需品を除く財産の処分をすること
- 手続き中に制限を受けること
- 免責不許可となると役所に通知されること
- 連帯保証人に一括請求されてしまうこと
- 自己破産した事実が官報に載ること
- 官報とは
内閣府が発行するもので、この中の公告(裁判所公告)というところに、あなたの住所、氏名、裁判所の手続き内容が記載されることになります。
ただ、誰でも読むことができますが、誰でも毎日目を通すというようなものではないため、載っても大きなデメリットがあるとは言えないでしょう。
ですが、仕事柄、官報を読むという職業もあるため(金融会社等)その場合は、自己破産した事実を知られてしまう可能性があります。
注意事項
会社にバレるかを気にされている場合は、会社から借入があるか、ないかに重きをおいてください。
会社に借り入れがある場合は、自己破産をすることが会社にバレます。
- 官報とは
- 資格の制限を受けること
- 自己破産の申請ができる人には、制限が定められています。自己破産の手続き中は、公的資格の利用制限を受けることになるので、士業、警備や保険の外交といった一部の資格の人は、仕事に就くことができなくなります。手続きが終われば、また仕事に就くことは可能なので、職種によっては、自己破産という選択肢が選べない場合があります。その際には、個人再生という手続きが可能であれば、別の手続きで借金問題を解決することもあります。※詳しくはこちらの記事
- 生活必需品を除く財産の処分をすること
- 住宅や土地、売却すると20万円以上の価値のあるもの(車、預貯金、保険、宝石など)は、処分の対象となります。
自由財産の拡張として、認められるものは、99万円以下と決まっています。
取捨選択することになるものも中には出てくる場合があります。
しかし、処分する財産のない人は、処分できないという答えでおしまいです。
※詳しくはこちら
- 手続き中に制限を受けること
- 自己破産手続きは、あなたの状況や借金ができた経緯により、方向性が変わってきます。簡単に言うと、免責不許可事由に該当するようなケースなどの場合は、管財事件という方向に進みます。上述した自己破産の誤解されやすいことでお話したことが重複します。
- 転居や旅行に行けなくなること
- 郵便物が管財人に送られてしまうこと
このよく聞く制限は、管財事件になった場合に、起きるので言われていることです。
管財人とは、裁判所が選任する破産管財人という弁護士のことです。
破産管財人は、破産者の調査をするために動きますので、管財人の調査に協力する義務があります。
※詳しくはこちらの記事
→自己破産手続きするなら「同時廃止・管財事件・予納金」を知っておこう!
- 免責不許可となると役所に通知されること
- 免責不許可とは、借金の帳消しが認められなかった場合のことです。
その場合、市町村役場に通知が送られて、破産者の名簿に載ることになりますが、復権を得られれば、閉鎖されます。
尚、免責が認められる場合においては、名簿に載ることはありません。
弁護士 鬼頭 免責不許可という結果になるケースは、これまでの経験で全くのゼロではありません。
免責許可を得られるように一緒に考えていくのが弁護士の仕事ではありますが、あなた自身の努力も必要になります。
例えば、破産手続き中もギャンブルを辞めず、続けてしまうなどの場合には、裁判所も免責許可を出してくれませんので、きっぱりと足を洗う、反省するという努力が必要です。
- 連帯保証人に一括請求されてしまうこと
- あなたが、もしも、連帯保証人を立てた借金を持っている場合、あなたの代わりに支払うように請求されることになります。
また、連帯保証人に迷惑をかけたくないからと言って、無理にその借金だけを返済するようなことをすると、偏頗弁済(へんぱべんさい)として扱われることになるので、債権者の平等に反し、問題となりますので、くれぐれもそのようなことをしないようにしましょう。
連帯保証人に迷惑をかけることにはなりますが、一括請求されるといっても、多くの場合は、交渉で分割になるようです。
※詳しくはこちら
次は、債務整理のデメリットとリスクの回避方法を考えてみます。
債務整理のデメリットとリスクの回避方法
先に最大の債務整理のデメリットとリスクの回避方法をお伝えします。
・弁護士費用を安く抑える
・債務整理に対する正しい知識これを持ち合わせた適任者を覚えてください。債務整理の経験が豊富な弁護士を頼ってください。
認定司法書士では、個人再生や自己破産手続きを選択した時に総額費用が高額になる可能性が高いです。
弁護士は、それぞれ得意分野を持っています。
借金問題・多重債務問題に強い弁護士をお探しください。
では、詳しくデメリットとリスクの回避方法をお伝えします。
債務整理に共通するデメリットやリスクの回避方法
債務整理をする上で、どうしてもネックになるのは信用情報機関に事故情報として登録されてしまうことですよね。
いわゆるブラックリスト期間には、これまでできたことができなくなる可能性があります。
その中でも特にクレジットカードが持てなくなることで、様々な心配をされる方もいらっしゃいます。
クレジットカードの代わりに関しては
- デビットカード
- ETCパーソナルカード
- その他チャージ式の決済サービス
こういったもので代用が可能です。
支払方法が後払いから、先払いになるだけです。
新規のクレジットカード、キャッシング、ローン契約を通すことは、完済から5年経つまで難しくなりますが、現在組んでいる車のローンには影響はありませんので、新規で車や住宅ローン、連帯保証人になろうとしなければ問題なく生活できることでしょう。
※賃貸契約に関しては、信用情報機関に問い合わせることはありませんが、現在、信販会社を保証会社として利用するケースも増えているのでご注意ください。不動産屋さんに信用情報機関に登録されていることを伝えれば、契約しやすい物件を紹介してもらえますのでご相談ください。
以上の注意をご理解いただければ、大きな生活の変化はありません。
ETCパーソナルカードは、保証金を預けたチャージ式のものですが、これまで通りETCを利用することは可能です。
任意整理のデメリットとリスクの回避方法
弁護士費用としても、任意整理の費用は安いです。
任意整理の最大のデメリットは、あなたの経済状況を本当に改善させられるかどうかです。
弁護士費用の安さで、選択してしまうご相談者様もいます。
弁護士の経験が浅い、または、専門性が低いがために、無理な任意整理を勧められてしまうこともあります。
何よりも、現在は、任意整理を選択しても…
- 頭金が無くては和解に応じない
- 利息を付けて欲しい
- 分割回数の短期間化
こういった条件を付けてくる債権者が増えてきました。
中には、法定利息を和解条件に持ってくる債権者もいます。
これは、任意整理をする意味がないということを示唆します。
弁護士費用を払っても、何も現状が変わらないのなら、任意整理をする意味がありません。
どうぞご活用ください。
個人再生のデメリットとリスクの回避方法
個人再生という手続きを選択する方にとって、デメリットやリスクが1番少ない手続きだと、弁護士を
あなたが相談する弁護士によっては、先の話通り、債務整理の経験値によって、デメリットやリスクとなり得るのではないかと思います。
それが何かと言いますと…
任意整理や自己破産を勧め、本当は、個人再生をすることがご相談者様にとって1番良い方法であることがしばしばあります。
任意整理では、経済状況が改善せず、自己破産では、やりすぎであることがあります。
ですが、財産の処分がされないといっても、清算価値といって弁済額に影響するので、財産がありすぎる場合の個人再生を検討される場合は要注意です。
自己破産のデメリットとリスクの回避方法
自己破産の大きなデメリット、リスクになり得ることは、不必要な自己破産です。
自己破産をしたことによって、生命保険、学資保険、住宅などを処分しなくてはなりません。
本当に個人再生ではダメな状況なのか、任意整理ではダメなのかということを弁護士と話し合った上で選択していただきたいと思います。
まとめ|債務整理のメリット・デメリット・リスクのおさらい
■最後の債務整理のデメリットとリスクの回避方法のカギは、債務整理に特化した弁護士、専門性の高い弁護士にご相談されることが大きなカギです。
■債務整理のメリットをおさらいしましょう。
■支払いに怯える生活からの脱却
■給料が支払いで全部消えない
■子どもにねだられた時に買ってあげられる
■自分の欲しかったものが買える
■心にゆとりが生まれる
■デメリットやリスクのおさらい
どの手続きを選んでも、あなたが生活再建に成功し、今より良い未来に進めるという希望があれば、信用情報機関に事故情報として登録されている一定期間をメリットに置き換えて生活していきましょう。
クレジットカードの代替品は、電子マネー、デビットカード、ETCパーソナルカードなどがあります。
あなたの不安が解け、あなたにとって必要な手続きを進める一歩となることを願っています。
<債務整理をお考えの方へ>
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