自己破産という手続きは
プラスの財産とマイナスの財産を両方ゼロにする手続きです。
何もかもが無くなるわけではありません。
- 処分されてしまうもの
- 処分されないもの
- 主張のできるもの
自己破産で処分されてしまうものとは…
冒頭で話した通り、自己破産では、プラスの財産もゼロにすることになります。
借金の帳消しだけができるという都合のよいものではありません。
まず、処分されることになる流れを説明します。
ローン支払い中のものは、残せない可能性が高い
今は、いろんなものが簡単にクレジット決済できてしまう世の中です。
大変便利になったものです。
金利負担がゼロであるのなら、分割購入した方が、家計には優しい感じがしますよね。
ですが、自己破産するとなった時…
この軍配は、債権者が握ることになります。
これは、所有権留保といって、所有権が債権者にあることに関係があります。
簡単に言えば、払えないのなら返してね!と返還を求められてしまえば、応じなければなりません。
どんなものが対象になるかと不安になったら、当時の契約書を見ることが1番早いのですが…どこに行ったかわからないという方もいると思うので、参考までによく引きあげられてしまうものを書いておきます。
- 残クレ、ローン、リースで購入した車(マイカーローン以外)
- ペイデイで買い物した商品(iPhone、iPad、Macbook等)
この2つは、返還を求められる王道です。
しかし、その他の契約についても、所有権留保と書かれていれば、手元に残せない可能性はあります。
所有権留保について、詳しくは⇩
借金(ローン)返済途中に債務整理すると契約や商品はどうなる?
高額な財産・20万円以上の価値のあるものは残せない
自己破産では、プラスの財産をお金に換えて処分し、債権者に分配することになっています。
支払えないのなら、持っている財産をお金に換えてください。
ということです。
これは、ローンがあるないに関わりません。
例えば、住宅や車があるのなら、売って債権者に分配する必要があります。
ローンがあるのなら、没収です。
その他、貴金属類や学資保険・生命保険などの解約返戻金も該当します。
せっかく貯めてきたのにと思うかもしれませんが、借金が支払えないとなったのなら、処分を言い渡されても仕方がないという解釈になってしまいます。
自己破産で処分されることのないもの
一方、自己破産では、何もかも処分というわけではありません。
プラスの財産であっても、破産者が生活に困るものまでをお金に換えて処分しなさい!とは、裁判所は言いません。
これは、処分してはいけないと決まったものもちゃんとあります。
生活必需品である家具家電は処分されない
生活必需品の家具家電は、処分されることはありません。
破産者が生活していくための家具や家電、衣服などを処分することは禁止されています。
ただし、複数所持しているものや高価な家具である場合は、処分されることもあります。
ローンがない一般的な家具家電であれば、生活に欠かせないものであるので、処分の対象とはなりませんので、安心してくださいね。
過去の財産を使い切ってしまっていても大丈夫
自己破産では、過去の財産の状況も聞かれます。
ですが、過去にもらった慰謝料などを今も大事に持っていることは少ないと思います。
その事実に嘘を書くことはいけません。
もう、使ってしまって「持っていない」という事実を裁判所に言えばいいだけです。
弁護士や裁判所から使ってしまったことを咎められることはありません。
ですが、破産手続き間際や手続き中のお金の動きに関しては要注意です。
詳しくは、弁護士にお尋ねください。
では、いよいよ本題です。
自己破産で処分されないように主張できるもの
ここまで、処分されてしまうものと、処分されないものという2つの話をしました。
次の話では、守りたい財産をどのように考えるべきかという話です。
ですが、ここで財産と言っても、対象として考えられるものは、20万円以下のものに限ります。
もしも、あなたの手続きが同時廃止事件となるのなら…
自己破産手続きは、2つの道に分かれる手続きです。
1つは、借金をした経緯に浪費、ギャンブル、投資などの理由がなく、処分する財産も特にない場合の道は、同時廃止事件となります。
もう1つは、借金をした経緯に浪費、ギャンブル、投資などの理由がある場合、処分する財産がある場合などには、管財事件といういう道になります。
この大きな違いは、裁判所が申立てに出した書類だけではなく、もっと詳しく借金の経緯を調べたい、あるいは、お金の流れをしっかりと知りたいという判断を下したときに分かれます。
同時廃止事件の場合は、弁護士費用、予納金も含めて、20~30万円台で手続きができることが多いです。
一方の、管財事件の場合は、弁護士費用と予納金を合わせると、60万円近くのお金がかかることが多いと思います。
もしも、あなたの手続きが同時廃止事件の場合は、残せる財産の費用が少し異なります。
名古屋の裁判所の場合では、預貯金、手持ちの現金、その他の財産の合計額が50万円以下となっています。
別の言い方をすると、借金の経緯に問題がなくても、財産の合計額が50万円を超えると管財事件となってしまうということも言えます。
もし、同時廃止事件に該当する場合は、50万円以下の財産であれば心配することはありません。
借金の経緯に、浪費、ギャンブル、投資がある場合、50万円以上の財産がある場合は、以下の説明をお読みください。
また、同時廃止事件か管財事件かの想定は、弁護士にお尋ねください。
ただし、最終的には裁判所の判断となるため、弁護士の助言はその限りとはならないこともあります。
資産価値20万円以下のローンのないものは、自由財産の拡張ができる
管財事件となった場合、裁判所に選任された管財人(裁判所に選任された弁護士のこと)により財産の調査をされることになります。
あなたの担当の弁護士は、これらのサポートをあなたの味方となって行うことが仕事です。
購入した時の金額と売却した時の金額は、同じではありません。
場合によっては、価値の上がるものもありますが、基本的に消耗していったり、劣化が進むことで価値がなくなるものがほとんどです。
よって、査定額が20万円以下のものもたくさんあると思います。
ここには、生活必需品に該当しない自由財産以外のものを考えます。
例えば、かけ始めたばかりの保険であれば、解約返戻金は、20万円以下になることはよくある話です。
その他、仕事で使う道具の査定価格が20万円以下である場合は、残すことが可能です。
このように、査定額を見ていったら、自由財産として主張したいものや、価値がなくて財産として扱われない物が出てくると思います。
破産手続きでは、こういった処分されたくないものを主張する権利があります。
それを「自由財産の拡張」と言います。
次にその際の注意点です。
自由財産の拡張は、99万円以下にしなければならない
自由財産の拡張として、申立てることは可能です。
ですが、その拡張には、限度額があります。
それが、
合計99万円以下であることです。
財産を99万円以下に絞るポイント
合わせて、99万円以下なので、優先順位の高いものから絞り込んでいかなくてはなりません。
あれもこれも大切なものであるとは思います。
まずは、生計維持に関わってくるものから選んでいきましょう。
決まった金額がある以上、すべて必要だよね!とは制度上、残念ながらできません。
その助言をする役目が、あなたの味方である依頼した弁護士です。
そのため、あなたが信頼できると思える弁護士に依頼することが何よりも重要です。
【まとめ】自己破産は失いたくない財産を軸に考えよう
最後にまとめます。
例えば、処分されることになるものを除いて、残したいものが無い場合は、破産手続きで問題になることはありません。
もしも、自由財産の拡張を求めず、忘れていたとすると…
これは、処分の対象となります。
あとで、どんなに説明をしても聞いてもらえません。
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