自己破産申請中の生活でやってはいけないこと、気を付けること

手続きを始めると、生活は制限されてしまうの?

借金問題を根本から解決するための自己破産。

いざ裁判所に申し立てるとなったとき、「明日からの生活にどんな制限がかかるんだろう?」「家族にバレたり、身ぐるみを剥がされたりするの?」と、ネットの噂を見て不安を膨らませている方は非常に多いです。

 

結論から言うと、日常生活の大部分(選挙権、戸籍、パスポート、会社をクビになる等)に悪影響が出るようなデマはすべて嘘です。

 

ただし、裁判所が関わる手続きだからこそ、「手続き中にやってしまうと、一発で失敗(不許可)になるNG行為」や「特定のケースでかかる制限」は実在します。

 

今回は、自己破産をすることで「生活がどう変わるのか」という真実を、アーク法律事務所の弁護士鬼頭がQ&Aを交えて分かりやすく解説します。

 

「管財事件」になると起きる3つの制限

自己破産には、財産がない場合の「同時廃止(どうじはいし)」と、一定の財産や借金の理由(浪費・ギャンブル等)がある場合に破産管財人(調査をする弁護士)が選任される「管財事件(かんざいじけん)」の2種類があります。

 

制限が発生するのは、後者の「管財事件」になった場合です。主に以下の3つの制限がかかります。

 

① 引越しや海外旅行の制限(居住制限)

管財人からの質問にいつでも答えられる状態(説明義務)でなければならないため、長期間留守にしたり、勝手に引越したりすることは禁止されます。ただし、事前に裁判所や管財人に申請して「許可」を得れば、実家への帰省や正当な引越しは可能です。

 

② 郵便物が管財人に転送・開封される

財産隠しがないかをチェックするため、あなた宛ての郵便物が一時的に管財人の元へ転送され、中身をチェックされた後に手元に返ってきます。

 

※ただし、対象は「郵便局経由の郵便物」に限られます。そのため、同居家族宛ての郵便物や、他社の宅急便・メール便は通常通り本人の元へ直接届きます。

 

③ 財産の管理処分権の制限

勝手に自分の財産(20万円以上の価値があるもの)を処分したり、誰かに譲ったりすることはできなくなります。

 

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自己破産の手続き中に絶対にやってはいけない4つのNG行為

自己破産の申請中に以下の行為を行うと、「借金を帳消しにしない」という最悪の結末(免責不許可)を受けることになります。

絶対に守ってください。

 

❌ 後払い決済(キャリア決済・後払いアプリなど)

「来月携帯代と一緒に払うからセーフ」は通用しません。後払いはすべて「新しい借金」とみなされます。

買い物は「現金」か「その場で引き落とされるデビットカード」に徹底してください。

 

❌ 新たな借り入れ(個人間含む)

「お金がないから」と消費者金融からはもちろん、親や友人からお金を借りることも厳禁です。(※家族からの「返さなくていい援助」であれば問題ありません)

 

❌ ギャンブルや投資(パチンコ・競馬・FX・仮想通貨など)

手続き中は、裁判所に1円単位で「家計収支表」を提出します。使途不明金やギャンブルの履歴は必ずバレます。「黙っていれば大丈夫」は絶対にありません。

 

❌ 財産隠し・嘘の申告

持っている財産を隠したり、特定の身内だけに優先してお金を返したりする行為は、裁判所を騙す裏切り行為となり、即座に手続きが失敗します。

 

自己破産の手続き検討中に起きやすい24の疑問

ここからは、皆さんが特によく迷われる24の疑問にお答えします!

周囲への影響・プライバシーの疑問

① 自己破産をしても戸籍や住民票に記載されることはない

周囲に知られたくないと思うのは当然の心理ですが、戸籍や住民票に載ることはありません。ただし、手続き開始〜免責決定までの間、役所の「身分証明書(破産者名簿)」には記載されますが、資格制限のある仕事でない限り、日常生活で提出を求められることはほぼありません。

 

② 会社にバレても、解雇事由(クビ)にはあたらない

給料の差し押さえを受けたり、会社から直接借り入れをしている場合はバレてしまいますが、それを理由に解雇することは法律上できません。ただし、社内の空気的に居づらさを感じる可能性はあります。

 

③ 就職への影響は?

基本的に影響はありませんが、稀に国の発行する「官報」のデータを購入して採用に力を入れている企業の場合、不利になるケースがゼロとは言えません。もし影響があった時は「縁のない会社だったんだ」と気軽に受け止めておきましょう。

 

④ 選挙権はなくならないし、地域住民にもバレない

「選挙権がなくなる」というのは100%デマです。近所の人にバレることも、官報を偶然見かけられない限りありません。

 

自己破産「資格制限」でできない場合の選択肢とは?

 

⑤ パスポート取得に制限はない

先述の通り、管財事件の手続き中に「海外旅行に行くための許可」は必要ですが、パスポートの取得自体や、失効するような影響は一切ありません。犯罪ではないので安心してください。

 

<詳しくはこちら↓>

自己破産のメリットとデメリットは何?やる前に知っておきたいこと

 

⑥ 家族への影響は、他の人でまかなえれば問題ない

家族への影響はほとんどありません。借金の返済義務は、あくまで名義人か保証人のみです。ブラックリストに登録されている期間、あなた名義でローンやクレカの主契約にはなれませんが、家族名義の契約でまかなえれば問題なく生活できます。※家族が保証人の場合は合わせて相談してください。

 

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生活・財産に関する疑問

⑦ ブラックリストに登録されることになる

弁護士が受任通知を発送した段階(または2〜3ヶ月以上の滞納時点)で登録されます。期間は5〜10年で、その間は新たなローンやクレカが作れず、保証人にもなれません。

 

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⑧ 自己破産をしても「これまで通りの生活」を送る方法はある

クレカが使えなくても、現金払い、事前入金型の電子マネー、即時引き落としのデビットカード、ETCパーソナルカード等を利用すれば、不自由なく生活できます。子供の奨学金等の保証人になれない場合も、最近は「機関保証」を使うケースが増えているため焦らなくて大丈夫です。

 

⑨ 「財産を全部失って身ぐるみを剥がされる」はウソ

すべての財産を失うわけではありません。法律で処分が禁止されている「自由財産」があります。

 

⑩ 家財道具はどうなる?

処分されることはほぼありません。家財道具は生活必需品として法律で守られています。査定額が20万円を超える高価な家具でもない限り、そのまま使い続けられます。

 

⑪ 財産は一定額ちゃんと守られる

財産としてカウントされるのは1つあたり20万円以上の価値があるものです。同時廃止なら預貯金を含む総額50万円まで、管財事件でも自由財産の拡張が認められれば総額99万円以下の財産を残すことが可能です。これらは国が認めた「再起のためのお金」です。

 

⑫ 生命保険・学資保険は解約が必要なのか?

解約返戻金(解約した戻ってくるお金)が20万円以上あるかどうかが境目です。20万円以上の場合は換価処分(お金に換えて債権者に分配)の対象になります。また、その他の財産と合わせて合計50万円や99万円を超える場合も対象になることがあります。

 

⑬ 車や生命保険の維持が認められる特例もある

車は処分の対象になりますが、「初年度登録から7年以上経った国産車」などの条件を満たしていれば処分にならないケースがあります。また、親の介護に車が絶対必要、持病があり生命保険を解約すると二度と入れない、といった場合は特例で維持が認められることもあるので弁護士にご相談ください。

 

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⑭ ローンのある物(スマホ・車・家)はどうなる?

分割払いの商品は「所有権留保(支払いが終わるまで会社に所有権がある)」されているかがポイントです。車のローンやマイホームは引き揚げられます。スマホ本体(キャリア契約)は没収されませんが、Apple Storeなどで割賦契約している場合は引き揚げ対象になる可能性が高いです。

 

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⑮自己破産するとペットはどうなる?

法律上、ペットは「所有物」として扱われるため、高価な種類の場合は理論上換価の対象になりますが、実際に引き揚げられたケースはごく稀です。ただし、ペット自体のローンが残っている場合は、上記の所有権留保により引き揚げの可能性があります。

 

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⑯ 子供の習い事はどうなる?

借金の原因が習い事自体でなく、借金支払いをゼロにした家計収支が黒字であれば問題ありません。ただし、月謝が家計を圧迫して赤字になる場合は、回数を減らすなどの見直しが必要です。

 

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お金・法律・費用の疑問

⑰ 養育費の支払い義務は、自己破産をしても消えない

養育費は「子供の権利」であるため、非免責債権として自己破産をしてもチャラにはならず、今後も支払う必要があります(滞納分は分割交渉などを行います)。ただし、どうしても生活が苦しい場合は、別途「減額調停」を起こすことは可能です。※合わせて請求されている慰謝料は、悪意がない限り免責されます。

 

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⑱ 税金の支払い義務も絶対に消えない

住民税や自動車税などの税金は、どんなに困窮していても免責されません。役所の担当窓口に相談し、分割払いの計画を立てる必要があります。

 

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⑲ 慰謝料をもらう立場にあると損をする?

交通事故や離婚で慰謝料を受け取る権利がある場合、それは財産とみなされ換価処分の対象になります。ただし、過去に受け取って使い切っているものや、破産手続開始決定「以降」に受け取る日付のものは没収されません。

 

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⑳ 名義貸しをしていると、自己破産では不利になる

友達や家族のために名義を貸して借金をした場合、法律上はあなたの借金になります。名義を貸した相手に対して「お金を返して」と言える権利(債権)があなたの財産とみなされるため、手続きが複雑な「管財事件」になり、破産手続きが長引くというデメリットしかありません。

 

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㉑ 携帯のキャリア決済や後払い機能を使ってはいけない

気軽に使えますが、中身はすべて「借金」です。破産手続きを考えたら、その場で現金が減らない決済はすべて禁止です。

 

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㉒ 「浪費」の借金は問題となるが、更生の姿勢が分かれ道

ギャンブル、アプリ課金、過度な買い物、お酒などの借金は「免責不許可事由(帳消しにできない理由)」に該当します。そのため同時廃止ではなく「管財事件」となり、しっかり調査されますが、二度と繰り返さないという反省と更生の姿勢を裁判所に示せれば、最終的に免責(帳消し)が認められるケースが大半です。

 

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㉓ 自己破産の手続きにかかる費用はいくら?

一般的に50〜100万円と言われることもありますが、当事務所(アーク法律事務所)の場合、弁護士費用は一律24万円です。財産のない同時廃止ならこの24万円のみ。管財事件になった場合は、プラスして裁判所に納める予納金(20〜40万円)が必要になり、総額44万円以上となります。

 

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㉔ 司法書士や個人で申し立てると、逆に高くなる?

司法書士に書類作成を頼んだり自分で申し立てたりすると、裁判所から「少額管財」が認められず、通常の管財事件として予納金が40万円以上かかってしまうケースがあります。結果として、最初から弁護士にフルサポートを依頼した方が安く済むことが多いです。

 

まとめ|すべての疑問を解消して、最良の未来へ

24の疑問と制限を見て、「こんなにルールがあるのか…」とため息が出たかもしれません。しかし、これらはすべて、あなたが借金をゼロにして新しい未来をきちんと生きていくための「経済的更生」を示すための手順です。

 

弁護士 鬼頭
制限やNG行為が多く見えるかもしれませんが、「嘘をつかず、新しく借金をせず、真面目に生活する」という前向きな意思を持っていれば、実生活で困ることはほとんどありません。

 

ちなみに当事務所では、管財事件になった際の郵便物転送への対策として、依頼者様への書類発送にあえて「メール便(宅急便)」を活用することで、管財人に余計な中身を見られずスムーズに進められるよう、実務上の細やかな工夫も行っています。

 

借金の状況や今の生活状況に合わせて、「自己破産」「個人再生」「任意整理」の中から、あなたにとって一番負担が少なく、これからの人生を笑顔にできる「最良の解決方法」を一緒にじっくり検討していきましょう。

 

ひとりでネットの噂に怯える必要はありません。「更生して、人生をやり直すんだ!」という強い気持ちがあれば、私たちが全力でその未来への道を並走します。

 

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自己破産後の生活・人生はどうなるの?本当に未来は明るくなる?

 

 

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