お金の問題は、時に人の命を奪うことがあります。
こんにちは、名古屋にあるアーク法律事務所、弁護士の鬼頭です。
どんなことをする時も、メリットもデメリットもあります。
でも、それらを飛び越えて決断しなければならないことが、きっと私たちにはあるものだと思います。
その中でも「お金」に関することは、生死をも左右することがあります。
借金は、今や当たり前の世の中になり、多くの人が持っています。
クレジットカードで買ったものは、借金の扱いになります。
その支払いが追いつくか、追いつかないかの違いくらいのものです。
支払いが追いつかないという事態であるのなら、相談だけでも来てください。
自己破産ではない方法で解決できることもあります。
この記事では自己破産についてを解説します。
自己破産とはどんなもの?わかりやすく解説します!
いわば、自己破産をすることで、借金が帳消しとなり、人生のリセットができるということです。
この破産は、今、返済に困るあなたからでも、債権者側からでも申立てることができます。
決断に悩む点としては、一定額を超える資産を適切に換価処分(お金に換えること)をして、公平に債権者に配当することになります。
つまり、
借金が無くなる代わりに失う代償が多いと考える人が多いわけです。
債権者側から申立てるケースは少なく、債務者側が申し立てることが多いので、自分で破産を申し立てるということで「自己破産」と呼ばれています。
では、自己破産のメリットとデメリットについてを解説します。
自己破産をする5つのメリットとは?
さて、自己破産をすることで、どんなメリットが得られるのでしょうか?
- 借金が無くなる
- 取立てや訴訟が停止する
- 給料などの差押えが停止する
- 無職や生活保護受給中でもできる
- ある程度の財産を守れる
自己破産をするメリットその1:借金が無くなる
何と言っても、自己破産をする最大のメリットは、これまで苦しんできた借金が、裁判所で認められれば、帳消しになるということです。
これを免責と呼びます。
裁判所に「免責を許可する」という決定を出してもらえれば、それで借金は帳消しとなります。
自己破産をするメリットその2:取立てや訴訟をストップさせれる
弁護士が介入すると、受任通知を債権者側に送るので、取り立てが止まります。
これは、弁護士の介入で取立てをしてはいけないという法律があるからです。
ただし、この有効期間は、6ヶ月と決まっています。
つまり、6ヶ月以内に破産の申立てをする必要があります。
また、破産手続きが開始されると、債権者側から新たな訴訟は起こせなくなります。
自己破産をするメリットその3:給料などの差押えを停止できる
残念ながら、受任通知を送るだけでは、すでに受けている強制執行を停止させることはできません。
手順は、破産の申立て後に、差押えの停止を申立てます。
すると、これまで受けていた給料の差押えなどを停止することができます。
差押えに苦しんできた方には、朗報とも言えますよね。
申立てまでの辛抱さえできれば、停止することができますので、書類の準備を急いで行いましょう。
自己破産をするメリットその4:無職や生活保護受給者でもできる
任意整理や個人再生のように、債務総額を減らして支払う申立てとは違うので、一部の資格の人を除いて(後述します)、無職の人でも、生活保護受給中の人でも、主婦やフリーターなど、無収入の人でも破産はできます。
収入の低い人、無収入の人などは、法律事務所から法テラスへの申請も行っているので、直接法テラスに出向く必要はありません。
法テラスが利用できる人は、立替制度が利用できるので、直近の弁護士費用を心配しなくても大丈夫です。
自己破産をするメリットその5:ある程度の財産を守れる
家財道具などの生活必需品は、法律で自由財産として守られることになっています。
また、99万円までの財産は守られるので、何もかもを失う…というのではありません。
これを自由財産の拡張と言います。
細かい制限もありますので、自由財産の拡張については、あなたの状況を弁護士にお尋ねください。
どうでしょう?メリットは納得できそうなものばかりですよね?
自己破産における誤解されやすいこととは?
自己破産は、ネガティブなイメージがついていますよね?
デメリットをお伝えする前に、よく誤解されていることをピックアップしておきます。
すべての財産が処分されるわけではない
メリットの方にも書きましたが、総額99万円までの財産は、没収されることはありません。
その中で、車やバイクについては、新車価格が国産車で300万円までで、ローンが終わっていて、購入から7年経過しているものについては没収されません。
確定拠出年金は、いくらかけていても差し押さえ禁止財産とされているので、没収されません。
ですが、自由財産の拡張をしようと思った時に、確定拠出年金の金額によっては、その他の財産を諦めることになる場合があります。
個別の財産に関しては、弁護士に相談してください。
引っ越しや旅行について
破産手続き期間中には制限されますが、裁判所の許可があれば引っ越しも旅行も行くことが可能です。
また、破産手続きが終了すれば、制限は解除されます。
これは、破産管財人が選任された場合、質問に答える義務を破産者が負うためです。
破産手続き中の郵便物
破産管財人に郵便物が破産手続き中は、転送されてしまいますが、こちらも手続きが終了すれば、その制限は解除されます。
これは、隠し財産や借金の漏れなどがないかの調査のために転送されることになります。
ですが、日本郵便以外のメール便などは転送されることはありません。
続いて、自己破産のデメリットについてお話します。
自己破産をする7つのデメリットとは?
債権者側は、あなたから返してもらえるはずのお金を諦めなくてはならない状況になるので、あなたにも当然デメリットは発生します。
- 信用情報機関、ブラックリストに載ること
- 自己破産した事実が官報に載ること
- 資格の制限を受けること
- 生活必需品を除く財産の処分をすること
- 手続き中に制限を受けること
- 免責不許可となると役所に通知されること
- 連帯保証人に一括請求されてしまうこと
自己破産をするデメリットその1:ブラックリストに登録される
自己破産をするデメリットその2:官報に掲載される
自己破産をするデメリットその3:資格の制限がある
自己破産をするデメリットその4:生活必需品を除く財産の処分
住宅や土地、売却すると20万円以上の価値のあるもの(車、預貯金、保険、宝石など)は、処分の対象となります。
自由財産の拡張として、認められるものは、99万円以下と決まっています。
取捨選択することになるものも中には出てくる場合があります。
しかし、処分する財産のない人は、処分できないという答えでおしまいです。
自己破産をするデメリットその5:破産手続き中の制限
- 転居や旅行に行けなくなること
- 郵便物が管財人に送られてしまうこと
これは、管財事件になった場合に、裁判所が選任する破産管財人という弁護士のことです。
破産管財人は、破産者の調査をするために動きますので、管財人の調査に協力する義務があります。
自己破産をするデメリットその6:免責不許可の場合
免責不許可とは、借金の帳消しが認められなかった場合のことです。
その場合、市町村役場に通知が送られて、破産者の名簿に載ることになりますが、復権を得られれば、閉鎖されます。
尚、免責が認められる場合においては、名簿に載ることはありません。
自己破産をするデメリットその7:連帯保証人に一括請求される
1番重要なデメリットです。
あなたが、もしも、連帯保証人を立てた借金を持っている場合、あなたの代わりに支払うように請求されることになります。
また、連帯保証人に迷惑をかけたくないからと言って、無理にその借金だけを返済するようなことをすると、偏頗弁済(へんぱべんさい)として扱われることになるので、債権者の平等に反し、問題となりますので、くれぐれもそのようなことをしないようにしましょう。
連帯保証人に迷惑をかけることにはなりますが、一括請求されるといっても、多くの場合は、交渉で分割になるようです。
【まとめ】自己破産をする時には、弁護士と方針をしっかり立てることが大切!
自己破産は、借金を帳消しにできるものである代わりに、あなたがこれまで大切にしてきた財産も手放す可能性が高くなります。
ここに書ききれていない心配事もあると思いますので、そういった不安は、全部弁護士に打ち明けてください。
それを聞くのが弁護士の仕事です。
あなたの状況によっては、自己破産ではなく、個人再生でどうにかなる道も見えるかもしれません。
そういう提案ができるのも、
債務整理を専門として手掛けている弁護士だからこそです。
借金で困ったから、自己破産しかない…と思う前に、今のあなたには、どのような手立てがあるのかを相談してみてください。
きっと、お力になれると思います。
その際には、あなたのお住まいのお近くの法律事務所までお越しくださいね。
あなたの状況が好転することを願っています。
<自己破産をお考えの方へ>