自己破産しても「非免責債権」の借金は払わなくてはならない

急な支出、支払いに困るなどの理由で借金をしてしまい、クレジットカードやキャッシングの返済に困ることがありますよね。

 

そうした場合には、法律事務所へ相談に出向き、債務整理という方法で、

借金の利息をカット(任意整理)してもらったり、

大幅に借金を減額(個人再生)してもらったり、

借金を帳消し(自己破産)してもらうという手段を選ぶことができます。

 

ですが、中には、最後の切り札となる自己破産をしても、消えない借金(非免責債権)というものが存在することを知っていますか?

今日は「非免責債権」についてをお話します。

 

 

非免責債権(破産しても消えない借金)とは

 

借金は、「免責債権」と「非免責債権」の2つに分けられます。

 

免責債権とは…

本来負うべき責任を問わずに許すことを言います。

つまり、借金を帳消しにするという意味です。

 

非免責債権とは…

どんな理由があっても支払わなくてはいけない借金のことです。

 

つまり、借金は、「免責されるもの」と、「免責されないもの(非免責債権)」に分けられます。

 

もっとわかりやすく言うと…

「帳消しにできるお金」「どんな理由があっても支払わなくてはいけないお金」があるということです。

 

弁護士 鬼頭
非免責債権の支払いに関しては、弁護士の力を持っても、何の効力も発揮することができません。各担当の部署や相手と話し合っていくことが必要不可欠です。

 

では、説明していきます。

 

非免責債権(破産しても消えない借金)の概要

 

法律用語は言葉が難しいので、なかなかピンと来ないかもしれませんが、1つずつ説明していきます。

自己破産手続きは、借金問題を解決する方法の中でも、抱えている借金を帳消し(ゼロ)にする手続きです。

その法的効力を持っても、借金を消すことができないものが非免責債権です。

 

なぜ、非免責債権というものが存在するのかと言えば…

破産者の更生と債権者の権利保護を目的に定められています。

 

どんなお金も支払い義務があるものに関して、公平性を問うのなら、非免責債権の意味、自己破産の意味から考え直さなくてはいけないものにもなるのかもしれません。

 

非免責債権は、養育費・年金・保険料・損害賠償金などのお金が該当します。

 

具体的な非免責債権について説明します。

 

税金・国民健康保険料・介護保険料

税金や保険料は、前年度所得に応じて変動し、家計を大きく圧迫することがあります。

令和6年度の市県民税の支払い期日は、7/1、9/2、10/31、1/31の4回です。

 

特に給料が下がったり、転職直後、休職中などの場合には、支払いに困窮することになると思います。

そこで、高額で税金や国民健康保険料、介護保険料を支払うことをやめてしまうと…

  • 延滞金がプラス
  • 口座や財産の差し押さえをされる

 

国が相手になると、差し押さえ問題まで出てきてしまい、大変危険です。

病院に行けなくなるだけと、安易に考えていてはいけません。

 

状況によっては、減免措置を受けれる場合もありますし、各担当の窓口の人とよく話し合うことが大事です。

支払う意思さえきちんと誠意をもって相手に伝えれば、分割の提案を受けられたり、一時的に凍結してもらえるなどの提案を受けられることもあると思います。

 

払えないから、無視することは、誰にとっても印象は良くありませんよね。

恐れず、現状を説明した上で、どのようにしていくかを話し合って決めていきましょう。

 

損害賠償金、任意保険に入る大切さ

例えば、交通事故の損害賠償金であれば、任意保険に入っていれば、保険の規約範囲内であれば、保険で支払うことが可能なので、賠償金を背負うことはありませんが、任意保険の規約を超えるような違反を犯すと、任意保険でさえもカバーできなくなってしまいます。

 

任意保険でカバーできない場合やその他、悪意や重過失が認められるような損害賠償金は、多額になることが多く、さらには、自己破産をしても、免除されることのない負債として残ることになります。

 

日頃から、任意保険への加入、犯罪を犯さない、巻き込まれないように注意することも大切な予防策です。

 

その他、DVなどの暴力や犯罪による慰謝料は、非免責債権の扱いになります。

 

※不貞行為による慰謝料に関しては、状況により免責対象になります。

 

養育費問題

養育費は、離婚後に支払っていくものです。

勘違いされがちな養育費ですが、養育費は、養育者に対しての生活費の支援ではありません。

 

養育者がもらえるお金ではなく、子供を養育する権利が保護されるものです。

 

子供が健全に育っていくための子供の権利です。

 

よって、支払い義務者の都合で支払わないということは通らず、自己破産をしたから支払えないということも難しいです。

 

ただ、給料が下がったり、再婚を伴うなどの生活環境の変化で、減額交渉をすることは可能です。

 

減額交渉をするには、減額調停を行う必要があり、養育費の支払者が従前通り払えない、払えなくなったという証明も必要になります。

それが認められるかどうかは、調停での判断となります。

 

また、公正証書を交わしている場合は、不払いがある場合、即座に給料などの差押えが可能なため、養育費の支払先である元配偶者と話し合いができるのであれば、今の状況を説明して、どのような支払い方をするかの合意を得る必要があります。

 

※養育費の不払いでの差押えは、最大で給料の1/2です。

 

元配偶者との話し合いが難しい場合は、繰り返しになりますが、減額調停を行えるのであれば行う。または、差押えられてしまうなどの措置を受けるしかなくなってしまいます。

 

養育費に関しては、お子さんを持った責任として義務を果たすようにしてください。

 

罰金

例えば、交通違反として、罰金を徴収されることがあります。

 

この刑事罰などで科せられる罰金は、そもそも分割でできないものであり、

 

一括で支払うものです。

 

判決で決まったものであれば、30日以内など、期日まで決められています。

 

どうしても支払えない場合には、労役場留置となり、1日あたり5,000円の換算で身柄を拘束されることになります。

あなたに課された罰金額÷5,000円で、おおよその拘束日数が割り出せます。

 

【まとめ】自己破産しても帳消しにならない支払いがあることを覚えておこう

 

どんな理由があったとしても、自分の名義の借金があるのなら、支払っていくことが前提です。

 

ですが、それでは、命まで脅かすことになりかねないと、法律は、あなたを守るために、債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)という制度をつくりました。

 

債務整理だけで、すべてが解決できるのなら問題も万事解決ということになるのですが…残念ながら、お話したように免除の許されない支払いというものが含まれています。

 

何もかも自己破産すれば解決すると思っていた方には、ガッカリする内容だったと思います。

 

何もかもゼロにして再スタートが切れればい幸いなことですが、法律上では、

  • 税金・保険料
  • 養育費
  • 罰金
  • 損害賠償金

これらのものを自己破産手続きをしても、支払いを帳消しにしないと定めています。

 

弁護士 鬼頭
だからこそあなたの状況に応じて、どのように対処することが最善策か弁護士は一緒に向き合い考えます。

 

これから自己破産等の

債務整理をお考えの場合

債務整理を行う理由の1つに「非免責債権」を支払うために止む無く、債務整理を行うこともあります。

 

非免責債権に関しては、各窓口の担当者と話し合っていただくしか方法がありませんが、非免責債権以外の支払いに関しては、弁護士にお任せください。

 

弁護士へのご相談は、来所が必要です。

 

アーク法律事務所の場所は、名古屋市中区丸の内3丁目17番地13号 いちご丸の内ビル6階にあります。

地下鉄「久屋大通駅」1番出口より北へ徒歩1分です。

 

面談時間は、平日10時より行っています。

平日夜間・土日にも対応しています。

 

ご相談料は不要です。

何度ご相談いただいても、セカンドオピニオンのご相談でも無料です。

 

一緒にどうすればいいのかを考えていきましょう。

 

 

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