「住所を知られたくない」という切実な不安を抱えているあなたへ
自己破産の手続きを進める際、「債権者に今の住所を知られたくない」というご相談をいただくことがあります。
特に、金融機関だけでなく知人や親戚などの「個人」から借入がある場合、住所を知られることで「直接家に来られるのではないか」「家族に迷惑がかかるのではないか」と、夜も眠れないほどの恐怖を感じている方もいらっしゃるでしょう。
お気持ちは痛いほど分かります。
しかし、実務上、自己破産の手続きを通して債権者に現住所を完全に隠し通すことは、非常に困難なのが現実です。
今日もアーク法律事務所の弁護士鬼頭が、その理由と、不安への向き合い方を解説します。
なぜ「今の住所」を隠すことができないのか?
自己破産は、裁判所という公的機関を介して「公平」に借金を整理する手続きです。
そのため、以下のルールが壁となります。
■住民票ではなく
「寝起きしている場所」が住所になる
自己破産の申立書には、住民票の場所ではなく「今、現に生活している場所」を記載しなければなりません。
■虚偽記載は「免責不許可」のリスク
もし住所を偽って申告すると、それは裁判所に対する「虚偽報告」とみなされます。
最悪の場合、借金の帳消し(免責)が認められず、借金がすべて残ってしまうという、最も避けたい結果を招きかねません。
■債権者には「閲覧する権利」がある
裁判所から各債権者へ送られる通知には、破産者の住所が記載されます。
また、手続き中に引っ越しをしたとしても、債権者は裁判所の書類を閲覧する権利があるため、新しい住所を知ることができてしまいます。
「家に来られるのが怖い」という方へ
住所を隠すことが難しい以上、大切になるのは「住所を知られても、不当な接触をさせない体制を整えること」です。
■弁護士による「受任通知」の効力
弁護士が介入した時点で、債権者(特に貸金業者)は本人に直接取り立てを行うことが法律で禁止されます。
個人債権者の場合も、弁護士が「窓口はすべてこちらです。本人への直接の接触は控えてください」と強く通知することで、一定の抑止力になります。
■警察や裁判所の保護
もし住所を知った債権者が自宅に押しかけたり、脅迫的な行為をしたりした場合は、すぐに警察へ通報してください。また、執拗な付きまといがある場合は、別途「接近禁止」などの法的措置を検討できるケースもあります。
一人で抱え込まず、正直に話してください
「住所を知られたら何をされるか分からない」という恐怖から、つい「住所を隠して申し立てたい」と言いたくなる気持ちは、決して責められるべきものではありません。
ですが、その場しのぎの嘘で、あなたの「人生の再スタート」という大きな目標が壊れてしまうのは、あまりにももったいないことです。
アーク法律事務所では、あなたの不安を真っ向から受け止めます。
まとめ|安全に、かつ誠実に再スタートを切るために
住所を知られることは怖いことかもしれません。
しかし、自己破産は「隠れて逃げる」ためのものではなく、「法的に借金をゼロにし、人生をやり直す」ためのものです。
誠実に手続きを進めることが、結果として一番早く、安全に平穏な日常を取り戻す近道になります。
不安なことは、どんなに小さなことでもお話しください。
あなたの安全を守りながら、新しい生活への第一歩を一緒に踏み出しましょう。
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