自己破産・個人再生「債権者の記入漏れ」対処は可能なのか?

うっかりすることって、誰にでもあります。

 

その「うっかり」が、せっかく手続きをした自己破産や個人再生の債権者の記入漏れだった場合は、どうなるのかと焦りますよね。

 

自己破産ならば、免責(帳消し)になるはずの借金、個人再生ならば、大幅な減額を受けられるはずの借金の記入漏れに気づいたとき、「うっかり」忘れていたことならば、落ち着いて行動しましょう。段階によって、対処方法が変わりますので、あなたの状況と照らし合わせて対処していきましょう。

 

慌てないでください。

まず、冷静にどのような背景があったのかを教えてください。

 

 

自己破産・個人再生で、債権者の記入漏れに気づいた時にどうなるのか?

 

あなたの状況と債権者の状況で、答えが変わります。

 

もしも、そこに故意過失があるのであれば、免責も、再生計画も認められません。

 

 

あなたが、単にうっかりしていた場合は、免責される、再生計画に組み込まれることがほとんどです。

 

破産・個人再生ともに、免責決定・再生計画案確定前であれば、問題なく組み込むことが可能です。

 

弁護士 鬼頭
ですが、手続きが終了している場合は注意が必要です。
また、個人再生と自己破産ではちょっと違ってきます。

 

 

個人再生で、債権者の記入漏れがあった場合どうなるのか?

 

記入漏れがいつのタイミングかによって、話が変わってきます。

 

故意で、債権者一覧表に記入しなかった場合、申立てを棄却されることがありますので、ご注意ください。

また、記入漏れがあった場合、再生委員が選任される可能性が高く、別途15~20万円ほどの予納金が必要となります。

 

再生計画案の決定前であれば、問題なく他の債権者と同じように免除してもらえることになります。

 

再生計画案の決定後になると、損をする形になります。

 

ということは、債権者の記入漏れは、絶対したくないですよね。

 

借金全体に対しての免除率と、個別の免除率では、割合が変わります。

 

(例)

総額300万円の借金の個人再生の支払いは、200万円免除(67%)され、100万円を分割で支払うことになります。

1ヶ月あたりは、27,777円となります。

 

※再生計画案の決定後の記入漏れの扱い

総額300万円のうち50万円の記入漏れがあった場合、250万円で計算することになり、150万円の免除(60%)となり、同じく100万円を分割で支払います。

 

この忘れていた50万円は、再生計画案の決定後には組み込むことができなくなります。

 

50万円に対して、60%の免除をしますから、30万円の免除を受けて、20万円の支払いが残ります。

1ヶ月あたりの支払いは、5,555円となります。

 

本来であれば、27,777円(3年)で済んだ支払いは、どうなるのでしょうか?

 

記入漏れの場合は、3年間27,777円を支払った後に、記入漏れ分の5,555円(3年間)支払いが開始されます。

 

つまり、20万円多く支払わなければならなくなる上に、返済期間は、6年に延びてしまうということになります。

 

6年に延びるということは、ブラックリスト期間も延長されてしまうことを覚えておいてください。

 

自己破産で、債権者の記入漏れがあった場合どうなるのか?

 

自己破産の場合は単純明快です。

 

その理由が何だったのかによって、答えが変わります。

 

故意であった場合は、その借金は免責されません。

 

つまり、申告しなかった借金は、非免責債権の扱いとなり、支払い義務があるため、これまで通り支払っていかなくてはなりません。

 

ですが、あなたが本当にうっかりしていただけならば、免責されるので安心してください。

 

また、あなたが忘れていても、債権者が破産手続きをすることを知っていた場合は、免責されることになります。

 

【まとめ】自己破産・個人再生の手続き、債権者の記入漏れには気を付けよう!

 

誰でも、うっかりすることはありますが、債権者の記入漏れがあるだけで、終わったはずの手続きが、終わっていないことになってしまいますし、状況によっては、問題となります。

 

債権者側は、記入漏れに対しては、免責や再生計画案について、柔軟に聞いてくれるケースが多いようですが、後から言われて気分のいい人はいません。

 

自分の持っている借金を忘れていたということがないようにしてくださいね。

 

特に友人関係の借金やヤミ金などの借り入れを隠す傾向があります。

隠したために免責されなかったり、取り立てで怖い目に遭うのはあなたの方です。

 

 

いろんなご事情があると思いますが、故意で隠すことだけはやめてください。

債権者として申告したくない借金がある場合も、あなたの相談する弁護士に話してください。

一緒に解決方法を考えます。安心してください。

 

今回の記入漏れに関しては、担当した弁護士にご相談ください。

 

実は、隠したい借金があって、事前知識としてあなたが調べたのだとしたら、その旨も含めてご相談ください。

あなたを責めることは決してありません。

一緒に納得いく道を考えましょう。

 

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