ある日突然…
聞いたこともない会社名で
身に覚えのない手紙が
届くことがあります。
とても驚いたことと思います。
実は、あなたの知らないところで、あなたの知らない間に債権譲渡が行われていることがあります。
「債権譲渡」という言葉も聞きなれないと思います。
元々、あなたに請求されていた代金や借金の返済が予定通り支払われず、滞納状態になった時、債権回収を専門としている会社に委託されることがあります。
債権譲渡されてしまうと、あなたが関わったことも、聞いたこともない会社から手紙や電話などが来ることがあります。
あなたにとって知らない差出人だからといって
いたずらだろう…
そう思っていると、後に裁判所から手紙が届いて、もっと驚くことになる場合もあります。
②債権譲渡とは何なのか
しっかり理解して、今やるべき対処をしっかりと行いましょう!
債権回収会社とは何なのか?
債権回収会社とは、支払い期日を過ぎた債権(借金)の回収を専門に行う会社のことを言います。
サービサーとも呼ばれます。
本来、債権回収は弁護士にしか認められていませんでしたが、弁護士の不足や難しい債権の回収のために民間の会社も債権の回収を特例として行えるように法律を設けました。
この法律のことを
債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)と言います。
法務大臣の許可がないと運営ができないことになっている特別な会社です。
借金を長く滞納していると、債権回収会社から身に覚えのない手紙が届くことがあります。
もともとの債権者を「原債権者」と表記されている場合もあります。
会社名が一致し、心当たりのある借金がある場合は、いたずらではありません。
主な債権回収会社
SMSの連絡を受けた場合は、各債権回収会社のHPにてご確認ください。
いたずらではない場合もあります。
債権回収会社 | 主に取扱っている債権 |
アイ・アール債権回収会社株式会社 | アコム 三菱UFJ銀行 アプラス |
アビリオ債権回収株式会社 | プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス) 新生フィナンシャル(レイク) ジャックス モビット アットローン オリックスクレジット |
アルファ債権回収株式会社 | アプラス 新生フィナンシャル ニッセンクレジット |
エー・シー・エス債権回収株式会社 | イオンクレジット |
エムアールアイ債権回収株式会社 | エポス |
セディナ債権回収株式会社 | セディナ |
ニッテレ債権回収株式会社 | ドコモ DCMX ソフトバンク ローソンCSカード クレディセゾン |
パルティール債権回収株式会社 | 楽天カード イオンクレジット アプラス プライム |
SMBC債権回収株式会社 | 三井住友銀行カードローン SMBC信託銀行 三井住友ファイナンス&リース セディナ モビット |
その他の債権回収会社については、法務省のページをご確認ください。
債権譲渡・債権譲渡通知書とは何なのか?
もともとの債権者(あなたが契約していた業者、サービス、借金をしたことがある人や機関)は、あなたから予定通りの返済がなく、滞納状態となり困ることになります。
督促を送っても一向に返してもらえない場合、もともとの債権者は、債権回収を専門にやっている会社に委託し、債権を買い取ってもらい譲渡することです。これにより、あなたの債権者は、債権回収会社に債権が移ります。
債権者が第三者に変更されたことを債務者に知らせる通知書のことです。
この通知書は、債務者に新たな契約が交わされたわけではないため、契約内容に変更はありません。
ここに通知されている債権者に対して、今後支払っていくことになります。
もともと、あなたが買った商品や契約したローンや借金が何らかの理由で支払えず放置してしまっているという覚えはないでしょうか?
おそらく、最初の契約していた会社(もともとの債権者となります)は、あなたに督促状を送ったりしていたと思います。
ですが、一向に支払ってもらえないので、当然困ることになりますよね。
そこで、債権回収会社にその債権(借金)を買ってもらうことで、泣き寝入りすることを避けることができるわけです。
つまり、あなたの債権を債権回収会社に渡したことで、あなたの債権者は、最初の契約していた会社から債権回収会社に移ります。
債権譲渡通知書の例
債権譲渡に伴う心配と疑問について
債権回収会社に債権が譲渡されると、途端に不安が強くなることもあると思います。
まず、1番に確認したいのは、その借金はいつのものであるか?です。
銀行や金融会社からの借入である場合、5年で時効となります。
個人間の場合は10年で時効です。
思い当たる借金が古いものだという認識がある方は、こちらの記事をお読みください。
どうして、債権回収会社は新しい住所などを知ることができたのか?
もともと契約していた金融会社などに告知していた住所から転居してしまっているのにも関わらず、債権譲渡通知書や督促状が届くことがあります。
これは、債権者があなたの住民票を閲覧し、そこから新しい住所を調べることができるからです。
納得がいかないかもしれませんが、住民票の閲覧については、債権回収のためであれば可能であることが定められています。
詳しくはこちらを参照してください。
信用情報に対する不安
債権回収会社は、信用情報機関には加盟していませんので、債権回収会社から債権譲渡通知書や督促状が届いても、新たに信用情報機関に事故情報として登録されることはありません。
ですが、元の債権者があなたのことを事故情報として載せていることは十分に考えられます。
原則、信用情報機関に事故情報として登録された場合は、完済から5年経つまでは事故情報は消えません。
JICCは、債権譲渡から1~2年で消えることが多いでしょう。
CICは、保有期限まで載ることになります。
通常の債権者よりも取立ては厳しいのか?
債権回収会社からの取立ては、回収が専門であることから、これまでよりも厳しくなることが予想されます。
電話や督促状が届くでしょう。
中には、「訪問通知」を送ってくる場合もあります。
また、近年は、SMSのメールで督促を行ってくるケースもあります。
身に覚えがないからと、架空請求を疑わず、該当する債権回収会社のHPにSMSに使用する電話番号が掲載されていますのでご確認ください。
見分けがつかない場合は、最寄りの法律事務所へご相談ください。
消滅時効の起算日は、最後に返済した日からカウントします
あなたが債務の更新(承認)を行っていなければ、最後に返済した日から5年が経過すれば、時効援用の手続きが取れる可能性があります。
ですが、時効援用をする前に借金の存在を認めた場合は、債務の承認をしたとカウントされるので、その日からまた5年が経過しないと時効援用することができなくなります。
時効援用についてのご相談も法律事務所では行っていますので、弁護士にご相談ください。
また「裁判以外の解決が希望なら電話をください」という文言などが書かれている場合も同様に時効援用ができなくなりますので、時効に到達している借金の場合はご注意ください。
ご不安な場合は、まず、弁護士に相談することをおすすめします。
債権回収会社から手紙が届いた時の対処方法
もう一度最初から振り返ってみましょう。
1.手紙の内容をよく確認
債権回収会社の名前、連絡先は、法務省のHPに記載されている一覧のものと一致しているか確認をしましょう。
請求されている金額、理由、支払期限も合わせて確認します。
2.自分が本当にその負債を負っているか確認
過去に契約したことがある業者、サービス、借金したことがある人や機関など、あなたの記憶にある負債なのかを思い出しましょう。
※身に覚えのないない場合は、勘違いやご送付、詐欺やなりすましの可能性もあります。
時効阻止で送ってくる場合もありますので、ご不安の場合は、債権回収会社に直接連絡する前に弁護士に債権譲渡通知書を持参して相談してみてください。
3.対応できない場合
債権回収会社、あなたの記憶と共に間違いがなく、提示されている金額、支払期限に対応ができない場合には、債務整理を専門としている弁護士にご相談ください。
支払いに困った時は、債務整理が得意な弁護士に相談しよう
弁護士には、得意・不得意分野が実はあります。
今回の債権回収会社からの手紙は、債務整理を専門としている弁護士に相談することをおすすめします。
<あなたが考えるべきこと>
- 負っている負債に対して向き合うこと
- 多重債務状態にある場合には生活状況を改善すること
- 忘れていた借金でも手続きが必要なこと
- 借金は放置すると、給料や財産などを差し押さえを受けることがあることへの理解
あなたの現状がどのような状況かにもよりますが、今届いてしまった債権譲渡通知書については、
1.支払う
2.時効である場合は時効の手続きをする
3.支払えないのなら債務整理をする
この3つのどれかを選択しなくては問題が解決しません。
解決方法については、下記の記事をご参考の上、お近くの法律事務所にご相談ください。
<債務整理をお考えの方へ>
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