(前置き)
この記事は、現在、借金の支払いのできない状況にある人向けに、どんなことが見えないところで起きているのかを解説しています。
もちろん、貸したお金が返してもらえなくてお困りの方(個人・法人)の債権回収のご相談も可能です。
お金を貸したのに返ってこないとなると、貸した人や会社にとっては、とても困ることになりますよね。
何度も催促をしているのにお金を返してもらえないとなると、最後の手段として、裁判所に手続きをするしかなくなります。
裁判所でできる手続きは、2通りです。
・訴訟の申立て
支払督促の申立ては、訴訟にかかる費用のおよそ半分の費用でできることから、債権者にとっては申立てしやすいものになります。
では、詳しく解説していきます。
支払督促とはどんなものなのか
支払期限・金額・利息・遅延損害金などが記載されています。
あなた(債務者)の住所地を管轄する裁判所に申立てを行い、送付されてきたものです。
この中には、異議申立書というものが一緒に同封されています。
意義の理由や証拠を明記することで、通常訴訟へ移行できるので、すぐに強制執行されることを防ぐことが可能です。
ただし、期間は送達から2週間以内に異議申立書を裁判所に提出しなくてはいけません。
支払督促を受け取った時の選択肢は2択です。
- 支払う
- 異議申立書を提出する
【支払い能力がある場合】
速やかに支払いを行いましょう。
これ以上、債権者とのトラブルに発展しないように回避することも期待できます。
【支払い能力がない場合】
債権者との交渉が必要になります。
支払いができないからと放置していると、仮執行宣言付の支払督促が送付されて、給料や財産などを差し押さえられる強制執行が待っています。
支払督促が送られてきた目的
支払督促の目的は、金銭の未払に対して行うものです。
・貸したお金が返ってこない場合
・商品の代金が支払われない場合
・給与が支払われない場合など
債権者の支払督促のメリット
・債権の回収の可能性
(後述する異議申立てが行われなかったときに、強制執行として給与などの差し押さえができること)
・時効の中断
(支払督促の申立てで時効が中断します)
<必要書類>
・支払督促申立書
・当事者目録
・請求の趣旨及び原因
<費用>
申立書の枚数が8枚まで、1,099円
9枚以上20枚以下、1,145円
申立書の作成費用…800円
申立額 | 手数料(収入印紙額) |
~10万円 | 500円 |
20万円 | 1,000円 |
30万円 | 1,500円 |
40万円 | 2,000円 |
50万円 | 2,500円 |
手数料…10万円の場合は、500円
10万円ごとに500円ずつ加算。
100万円の支払督促の場合は、5,000円
<その他切手代など>
事務連絡用の切手代などがかかります。
支払督促の流れ
1.債権者が支払督促申立書を作成し、債務者の住所地の簡易裁判所に提出します。
2.裁判所は、不備がないことを確認したら、支払督促を発布します。
3.債務者のもとに支払督促が届きます。
この支払督促の中には、異議申立書が同封されています。
その猶予は2週間です。
債権者にとっては、督促異議の申立てがされずに済むことを願いたい期間です。
債務者にとっては、裁判所からの通知で驚くことになるでしょうし、異議申立書の提出をしようと思うかもしれません。
【異議申立書を提出しなかった場合】
債権者は、仮執行宣言付の支払督促の申立てができるようになります。
債務者のもとに仮執行宣言付の支払督促が送達されると、強制執行(給料や財産などを差し押さえ)が開始されることになります。
次に具体的に解説します。
異議申立てがされなかった場合
債務者が支払督促正本を受領した日から2週間以内に督促異議の申立てがされなかった場合は、
2週間目の翌日~30日以内に仮執行宣言の申立てをする必要があります。
この申立てをして、債権者は、債務名義を獲得することができます。
もしも、30日が経過してしまった場合には、取り下げたことになるので注意が必要です。
つまり、何もしないで、仮執行宣言を裁判所が自動的にしてくれるわけではないということです。
裁判所は、仮執行宣言付支払督促を債務者に送達します。
次は、強制執行の申立てを裁判所にして、実際に給与などを差押えることができるというわけです。
強制執行をするには、4,000円の収入印紙と切手代などがかかりますが、この費用は、執行費用として計上することができます。
【異議申立てがされた場合】
債務者から異議申立てがされた場合には、通常の訴訟手続きをすることになります。
この時、債権が
140万円以下の場合は、簡易裁判所
140万円以上の場合は、地方裁判所
に、債権者は、通常訴訟の申立てをすることになります。
支払督促は期間が早く費用が安いので、債権者にとって有利な方法
債務者にとっては、督促状と「支払督促」の違いがわかりにくかったりするかもしれません。
督促状は、あくまでも催促の手段ですが、「支払督促」は、強制執行することが可能になる秘密兵器とも言えます。
また、1~2ヶ月という短期間で、仮執行宣言まで進むことができるので、即座に差押えたいと考える場合には、費用も安いことから有効です。
最初から訴訟を考えるよりは、半分の費用で手続き出来たらラッキーなことです。
以上が支払督促の流れの説明となります。
債務名義が簡単に取れる方法ですので、債務者は、異議申立書を提出すること(自分の言い分を伝えること)が運命の分かれ道となります。
最後に支払督促に対する対処法をお伝えします。
支払督促が届いた時の対処法
支払督促を受け取った時には、異議申立書を提出する必要があります。
その期限は2週間以内なので、悠長なことを言っている時間はありません。
本物の支払督促であるかの見極めも必要になるので、弁護士に現物を持って相談することをおすすめします。
弁護士にできること
弁護士は、法律の専門家であるため、支払督促の内容や手続きについての専門的なアドバイスを行うことができます。
あなたに支払い能力がない場合、弁護士に債務整理を依頼することも可能です。
支払督促の金額は、債務整理を検討する金額とも言い換えられます。
弁護士に債務整理を依頼することで得られるメリットは、
支払いや取り立てを一時的にストップできることです。
減額交渉や返済計画を弁護士と共に考えていくことができます。
また、支払督促を受け取った事実は、債務整理には何も影響を及ぼしません。
あなたの現状をこれ以上悪化させないためにも、まずは、お近くの法律事務所へ足をお運びください。
借金や督促に関するご相談は、無料で受けてくれる弁護士が全国に多数います。
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