「自己破産を決めたら、今すぐ家を追い出される」と思っていませんか?
長年親しんだマイホームを手放す決断をするだけでも身を切られるように辛いのに、「明日にも追い出されて路頭に迷うのではないか」と、これからの住まいへの強い不安を抱えている方はとても多いです。
結論から申し上げます。
自己破産を決めたからといって、すぐに家を追い出されることは絶対にありません。実務上、弁護士にご相談いただいてから、退去までの猶予はおよそ「通算4ヶ月」が大きな目安となります。
住宅ローンを支払わないのであれば、早々に賃貸に引っ越してしまうと二重に賃料(家賃)がかかってしまうため、「少しでも長く、今の家に賃料なしで住み続けたい」というお気持ちは痛いほどよく分かります。
だからこそ、この「約4ヶ月」という限られた期間をフルに活かし、すべての支払いが止まっている間に、次の生活へ移るための引っ越し費用や手続きの費用を必死に貯めて準備を整えることが極めて重要になります。
今回は、弁護士に依頼してから退去を求められるまでのタイムラインと、事前に知っておくべき「お金の現実」を、アーク法律事務所の弁護士鬼頭が分かりやすく解説します。
弁護士に依頼してから退去までのタイムライン
自己破産の手続きが始まってから家を売却し、実際に退去するまでの期間は、法律のルールに沿って段階的に進んでいきます。
↓
【約2〜3ヶ月間】裁判所への申し立て準備(★書類集めと同時にお金を貯める期間!)
↓
【申し立てから約1ヶ月後】裁判所から開始決定・破産管財人との打ち合わせ
(★「いつ退去できますか?」と聞かれるタイミング)
↓
【退去・引っ越し】(依頼から通算して「約4ヶ月」で出て行ける準備を!)
①依頼から申し立てまで(約2〜3ヶ月)
弁護士があなたの代わりに「受任通知」を各債権者へ送った時点で、住宅ローンの引き落としや借金の督促・支払いが止まります。
ここから裁判所に申し立てを行うまでの約2〜3ヶ月間(最短で2ヶ月)は、裁判所に提出するための膨大な必要書類を全力で集める期間となります。
それと同時に、すべての支払いがストップしているため、次の賃貸物件の初期費用や引っ越し代、そして手続きのための費用を、毎月の給与から自力で1円でも多くお金を貯めるべき期間です。
②開始決定から管財人との打ち合わせ(約1ヶ月)
今回の場合は、「家」という財産があるので、同時廃止事件とはならず、管財事件となります。
裁判所に書類を提出して不備がなければ、すぐに開始決定が出て「破産管財人(裁判所から選ばれた弁護士)」が決まります。管財人が決まると、申立代理人(当事務所)とご本人、破産管財人の3者で打ち合わせを調整して実施します(ここまででおよそ1ヶ月)。
この打ち合わせのときに、破産管財人から「いつ退去できますか?」と具体的に聞かれることになります。
というのも、破産管財人が不動産業者を手配してご自宅を売却することになるため、新しい売却先(買い手)を見つけるためには、いつまでも居住者が存在していては都合が悪いということになるからです。
管財人としては、早く不動産業者を手配して売却についての見込みを立てたいので、この打ち合わせのときに「すでに退去が終わっています」と言えればそれに越したことはありません。しかし、仮にまだ退去が終わっていなくても、これまでの期間でしっかり準備を進めておき、「今月末に退去予定です」ぐらいの明確なプランが言えるようにしておくことが必要です。
知っておくべき現実|引っ越し費用(立ち退き料)の真実
住宅の売却を巡って、最も誤解しやすい現実を解説します。
Q:自己破産で自宅を売却する場合、引っ越し費用はどうなりますか?
A:引っ越し費用をご用意する方法は、ご依頼者様が置かれている状況(売却方法など)によって異なります。主に以下の3つのパターンがありますが、いずれの場合も「独断で動かず、必ず事前に担当弁護士へご相談いただくこと」が最も重要です。
1. 任意売却による捻出(最も一般的なケース)
不動産会社が金融機関(銀行)と交渉し、売却代金の中から「引っ越し費用」として一定額を確保できるよう調整を行うケースです。ただし、これは金融機関側が交渉に応じた場合にのみ適用される条件付きの仕組みです。
2. 自由財産からの捻出
法律上、ご依頼者様が保持を認められている「自由財産(預貯金や現金など)」の中から費用を捻出する方法です。この場合、裁判所や管財人にその支出の正当性を説明できる準備を整える必要があるため、必ず担当弁護士と事前に相談した上で進めます。
3. 競売の場合
このケースでは、売却代金から引っ越し費用を確保する仕組みはありません。ご自身の自由財産から捻出することになります。
重要:必ず面談でご相談ください。
上記はあくまで一般的なケースです。ご依頼者様のご事情(管財事件か、同時廃止か、現時点での資産状況など)によって、具体的な対応策や注意点は大きく異なります。
手続き中にご不安を感じさせないためにも、まずは面談にて現在の状況を詳しく伺った上で、ご依頼者様にとって最も負担の少ない最善の方法をご提案させていただきます。
勝手な判断での転居や支出は、破産手続きそのものに影響を及ぼす可能性があります。自己判断で進めず、まずは担当弁護士へお声がけください。
自己破産にかかる費用の捻出について
自宅を手放す自己破産の場合、弁護士費用を払えば終わりというわけではありません。
自宅という財産を処分するために「管財事件」という手続きになり、以下のように3つの大きな支出が重なることになります。
- 弁護士費用
- 管財事件の費用(裁判所への予納金)
- 次の引っ越し費用
1.弁護士費用について
どこの法律事務所でも一律というわけではなく、各法律事務所によって異なります。
一般的には、手続きによって変動し、管財事件になる場合は、30~40万円ほどかかるところが多い印象があります。
当事務所(アーク法律事務所)の場合、自己破産の弁護士費用は24万円(税込)です。
管財事件になっても費用は変動しません。(※分割払いが可能です)
2.管財事件の費用(裁判所への予納金)について
弁護士費用とは別で裁判所に納める実費です。状況によって異なりますが、およそ20万〜40万円が必要となります。
個々の状況によって費用が異なるため、正確な費用については、面談時にお話させてください。
3.次の引っ越し費用
新しい賃貸の初期費用や、引っ越し業者への支払いです。
初期費用として、家賃の5ヶ月分ほどの支払いが必要になることも多いため、まとまった費用の捻出が同時に必要になります。
財産を持っている場合には、捻出しやすいこともありますが、処分できる財産、手持ちの現金や預金がない場合には非常に厳しい状況とはなりますが、諦めずに物件を探していきましょう。
まとめ|自己破産に伴う、お金・住まいのことは弁護士と事前相談を密にしていこう
マイホームを手放すことは、誰にとっても本当に辛く、心が折れそうになる出来事です。
しかし、支払いきれない住宅ローン、その他の借金に追われるばかりでは、いずれ本当の限界も来ます。
支払えない状況が続けば、給料や口座の差押えにも発展してしまうため、会社にバレる結果にも、競売にかけられてしまうことにもなります。
実際にお話を伺ってみたら、自己破産ではなく、個人再生で解決できるということもあるかもしれません。もし、個人再生で解決できる場合、住宅資金特別条項の要件を満たしていれば、マイホームを手放さずに済む道も見つかるかもしれません。
記事は、あくまでも情報収集にすぎず、あなたの状況だと実際にどうなるかはイコールになりません。
だからこそ、無料相談をご活用ください。
当事務所では、納得できる道が見つかるまで、何度でも無料相談が受けられます。
セカンドオピニオンでも同様ですので、どうぞお気軽にご利用ください。
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