弁護士費用は高いと思われている方が多いと思います。
でも、本当に弁護士費用って高いと思いますか?
ネットで見かけた話の中には
弁護士費用の方が借金の減額金額を上回るから損する
こんなご意見もありました。
僕は、弁護士として、債務整理を専門に取扱うことを生業としています。
実際は借金に困っていて
- 弁護士費用が高額で払えるか心配
- 本当に減額されるのか心配
- 減額しても弁護士費用の工面に苦しむんじゃないだろうか?
こんな心配にお答えしていきたいと思います。
債務整理の手続きは、弁護士か司法書士に依頼していただくか、自力で裁判所に出向いて手続きをする以外に方法がありません。
何より、借金の支払いにお困りの状況であるのなら、あなたの不安を1つでも取り除いて、明るい未来に向かうために相談に来ていただきたい。
ということで、債務整理の手続きごとに、借金の減額金額と弁護士費用の比較をしていきますのでご覧ください。
任意整理を依頼した時、弁護士費用の方が高額になるモデルケースの話
任意整理とは
将来利息をカットし、3~5年で返済していく手続きのことです。
任意整理は、利息をカットする手続きです。
この図のように、60万円の借入があり、年率14.6%だった時、支払総額は109万円の予定になります。
ですが、任意整理をすることで、60万円の元金だけとなり、利息もなくなります。
よって、
支払い予定額ー元金=差額
109万円ー60万円=49万円
つまり、
49万円が利息として支払う予定だったということです。
当事務所の任意整理の費用は
1社 18,000円
弁護士費用を引いても
472,000円の価値はあります。
ですが、実際には、毎月1万円だけの返済で任意整理に訪れる方はいません。
いくつもの借金を抱えていて、毎月の返済額が、合計で10万円を超えたりすると支払っていく目処が立たなくなったりします。
なので、実際に任意整理をする債権者の数は、何社かになることが多いのです。
その中で、少額の借入も一緒に任意整理をお願いされる場合があります。
少額の借入だと、18,000円の弁護士費用の方が高くつくことはあります。
任意整理は、自分の依頼したい借金だけ手続きすることが可能です。
ですが、任意整理をしておけば、返済計画表の一覧にまとめることができて、管理が楽になるので、合わせて依頼される方がいます。
例えば、178万円の借金があって、内訳が、60万円、80万円、30万円、8万円と、いうように複数社に渡って借入をしている方が、任意整理にいらっしゃることが多いわけです。
この時、8万円の分だけを任意整理しない方が、総額的に考えると得なのですが、自己管理していくことになります。
自己管理に不安を感じる方が、合わせて依頼をされるということです。
ですが、感覚的には、
4社×18,000円=72,000円
が、当事務所の任意整理の費用です。
すでに、60万円の将来利息のカット額は、49万円だと書きました。
72,000円を引いても、418,000円分の利息分の方が上回っています。
その他の利息もカットされるわけですから、将来利息のカット額は、もっと多くなります。
これが、任意整理の費用の考え方です。
個人再生手続きで、弁護士費用の方が減額金額よりも上回ることはない!
次は、個人再生の話をしていきます。
個人再生とは
借金総額を大幅にカットして、3~5年で返済していく手続きです。
任意整理との違いは
- 借金の総額から大幅に減額すること
- 裁判所に申立が必要なこと
自己破産との違いは
- 実際に財産を処分することはないこと
- 住宅ローンを残すことができる場合があること
個人再生は、任意整理と自己破産の良い所を兼ね備えています。
この図の例で考えると…
総額300万円あった借金は「100万円に減額しますよ」というのが、個人再生の特徴です。
しかし、どんな人でも100万円になるわけではありません。
あなたに財産があるのであれば、清算価値と言って、その財産相当額を100万円に上乗せして支払うことになります。
よって、100万円になるというのは、1つの基準の話です。
当事務所の弁護士費用の目安は、
30万円です。
300万円の借金が100万円になれば、200万円免除されるわけです。
もしも、清算価値がついて、150万円になったとしても、150万円の免除がされます。
そこに弁護士費用の30万円を上乗せしても…
120万円分の免除をしてもらえることになるというわけです。
また、個人再生自体は、100万円未満で行うことはありません。
ということで、個人再生を選択する人で、弁護士費用が損するということは、まずあり得ません。
自己破産の弁護士費用は、本当に高額なのか確かめてみよう!
自己破産とは
借金を帳消しにする手続きです。
ちょっと複雑なのが、大きなデメリットとして
プラスの財産も処分対象になるということです。
でも、怯えることはありません。
自由財産として認められている財産が99万円まであり、処分してはならないと決まっている生活必需品も守られます。
実際に、処分の対象となるものの方が少ない場合も多いです。
当事務所の自己破産の弁護士費用は
24万円です。
仮に、管財事件として予納金が(20~40万円)かかったとしても、
最大で64万円ほどです。
これから支払っていかなければならなかった借金の額が、64万円以上であれば、十分価値があります。
また、一般的には、100万円未満で破産手続きをすることはあまりありません。
それに、裁判所に支払う予納金も、同時廃止事件であれば不要です。
管財事件といっても、多くの場合では、弁護士を通すことで、20万円であることが多いです。
自己破産は、弁護士費用だけでなく、あなたの財産調査等の状況がどういう状態になるかで変わってきます。
内容が複雑になると思いますので、詳しくは、直接弁護士にお尋ねください。
【まとめ】結果:弁護士費用は総合的に見ても高いとは言えない
弁護士費用を単独で金額だけ見ると高いように感じると思います。
しかし、実際の借金の減額される金額から考えると、債務整理をすることで損をすることは考えられません。
弁護士費用が高いと感じるのは、手続きへのハードルを上げるという意味も含まれているでしょう。
もしも、数千円で行えるとしたら、ちょっとしたことで、債務整理をする人が増えてしまいます。
弁護士が儲からないというよりも、まず、お金を貸した債権者たちが潰れてしまいます。
やはり、基本は「借りたものは返しましょう」ということです。
ですが、返済に困るのであれば、借りることばかりに頭を働かせず、法律を使って生活再建をするためにご相談にお越しください。
あとは、あなたが信頼できる弁護士に任せるのみです!
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