「国が認めた借金救済制度」の広告と借金減額の仕組みとは?

Twitter、Instagram、YouTubeなどのSNS上でよく出てくる広告

「国が認めた借金救済制度」

「借金減額シミュレーター」

 

一体、これらは、何なのでしょうか?

 

文字の羅列だけでいけば、”すごく特別な借金救済制度”があるような印象を受けます。

 

この広告を覗いてみると…

・国に助けてもらうことができました
・誰にもバレませんでした

こんな言葉が並んでいたりします。

 

<広告を見たユーザーのコメント>

・自業自得で借金漬けになった人を助ける弁護士に疑問
・この広告には裏がありそう
・国民の義務を果たさない人への救済なんて…
・やりたいことやって救済されるなら真面目に生きてる方として納得できない
・税金を使われたくない

・弱者ビジネスだ…etc…

こんなコメントを広告主にぶつけています。
この広告には、誤解させる要素、誤解している要素が多分にあります。

 

もう1つの気になる点が

借金の減額ができるという言い方です。

 

借金減額というのは、例えば、500万円の借金が100万円になるということです。

これは現実あり得ます。

また、毎月65,000円支払っていた毎月の返済金額を39,000円に減額できたという実例もあります。

 

 

弁護士 鬼頭
僕が債務整理を専門に取扱う弁護士として、きちんと解説したいと思います。

 

 

「国が認めた借金救済制度」の広告が与える誤解とは…

 

単刀直入に言います。

 

「国が認めた借金救済制度」とは

債務整理のことです。

 

<債務整理とは>

任意整理
将来利息をカットし、3~5年で分割払いする方法です。


個人再生
借金総額を大幅にカットし、3~5年で分割払いする方法です。


自己破産
借金そのものを帳消しにする方法です。

これらをまとめて「債務整理」と言います。

 

弁護士 鬼頭
「国が認めた借金救済制度」という言い方をしてしまうと、何か借金問題に画期的な新しい方法があるような印象を根付かせてしまっていると感じる方も多いのではないでしょうか?
実際は、新しい借金減額方法ができたわけでもなく、債務整理を別の言い方に換えているだけが答えです。

 

 

「国が認めた借金救済制度」という言葉が誤解を与える原因

 

そもそも広告というものは、キャッチ―な文言を使って興味を持たせようとするものです。

 

僕も債務整理を専門に取扱う弁護士です。

 

困っている人に手を差し伸べられるように情報が届いたら…と願うのは同じです。

しかし、以下の画像を見比べてみてください。

どっちの言い方が、やわらかく興味を持ちやすいですか?

 

言っていることは同じです。

 

ストレートに「自己破産」を検討しませんかと言うAに対して、Bは「国が認めた借金救済制度」という言葉で何か秘策がある印象も与えているし、どこかまろやかに聞こえますよね。

 

弁護士 鬼頭
広告を見て、国が認めた借金救済制度を使ったら、助かるのではないか?と、どんな仕組みなのかもわからないのに期待を持たせようとする言い回しを強く感じます。

 

 

「借金減額シミュレーター」を利用すると何が起こるのか?

 

この手の広告では、ワンセットで出てくるのが「借金減額シミュレーター」です。

このように質問に沿って、回答していくのですが…

どの選択肢を選んでも同じ結果になるようにできています。

 

弁護士 鬼頭
つまり、借金減額シミュレーターを使っても、何も目安もわからないし、希望も見えない上に最低限の個人情報だけ入力したことになります。例え相手が法律事務所や司法書士事務所であったとしてもいい気はしないですよね。

 

それよりも、僕が弁護士として、この減額シミュレーターは、

何のシミュレーターもできていないということに大きな問題を感じます。

 

いくら減額できるのか面談なしで回答することは不可能です。

※実際、日本弁護士連合会では、面談せずに依頼を受けてはならないという規定があります。

 

・いつから借りたのか
・どこから借りているのか
・利息がどうなっているのか
・支払い状況はどうなのか
・収入の状況はどうなのか…

こういったことを答えていただかないと、明確な答えは出せません。

 

それを面談なしで、ぬか喜びさせたり、誤解を与えてしまうようなこういった広告には、弁護士として感心しません。

 

 

「国が認めた借金救済制度」とは何か?なぜ設けられているのか?

 

SNS上に現れるこの広告には、いろんなコメントが付きます。

冒頭でも紹介しましたね。

・自業自得で借金漬けになった人を助ける弁護士に疑問
・この広告には裏がありそう
・国民の義務を果たさない人への救済なんて…
・やりたいことやって救済されるなら真面目に生きてる方として納得できない
・税金を使われたくない

・弱者ビジネスだ…etc…

まず、知っていただきたいことがあります。

 

「自己破産」という制度があるのは、ご存じな方も多いでしょう。

 

借金そのものは、とても古くからあります。

 

時代の背景としては、鎌倉時代から借金という概念は存在しているのです。
また、債務整理という概念も同じく鎌倉幕府が「徳政令」という形で出しました。

 

徳政令は、簡潔に言えば、

借りたお金を返さなくてよいとするもの

 

いわば、自己破産の初期の形です。

 

大きな違いは、個人を対象としていたわけではなく、武士や農民を対象として、全体的に効果を出していたということです。

 

日本国憲法が定められてから、細かな法律が設けられていきました。

 

その中に、自己破産であれば、破産法という法律のもとで制度が存在するわけです。

 

自己破産、個人再生、任意整理のどれを選択しても、

ここに税金が使われることは一切ありません。

 

「国が認めた借金救済制度」で泣くのは、お金を貸した債権者なのです。

 

法律(国が認めた借金救済制度)で考えられているのは

再起するチャンスを設けているということです。

 

借金減額の仕組みについて解説します。

 

 

借金は本当に減額するのか?借金減額の仕組みとは?

 

繰り返します。

借金救済制度とは、債務整理のことです。

 

冒頭で書きましたが、債務整理には3つの種類があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

 

借金の減額のしくみについて詳しく解説します。

 

借金減額の仕組み

 

あなたの借金を減額することを考えた時、あなたが借り入れをした金融会社と交渉する必要があります。

 

①弁護士は、あなたの代わりに金融会社と交渉をして、将来発生する予定の利息をカットしてもらうことができます。

→これを任意整理と言います。

 

細かく言うと、これは借金減額とは言いません。

あくまでも将来利息をカットしたことによって、毎月の返済額が減額されたということになります。

 

例えば、毎月65,000円の返済をしていたとします。
任意整理をして、将来利息をカットすると…毎月39,000円に減額されます。
この仕組みは、毎月支払っていた26,000円の利息をカットしたという事実です。
よって、借りた借金の額が減額されることはありません。

 

任意整理は、弁護士が債権者と交渉するだけの非常に簡単な手続きです。

例のように利息のカットだけで、毎月の借金の返済の負担が軽くなるケースは多いです。

 

ですが、任意整理を選択するには、収入と支出のバランスに問題ないかをシミュレーションする必要があります。

 


②借金を大幅に減らしてもらえたら残りを支払っていくことができます。でも、住宅ローンは守りたいし、財産はできれば処分したくないです。という一見わがままな言い分を裁判所に言うことができます。

→これを個人再生と言います。

 

個人再生は、借金総額を大幅に減らすので、借金減額をしたと言えます。

 

例えば、住宅ローンを除いた総額500万円の借金があるとします。
個人再生では、最低弁済額と言って、債権者に最低額支払わなければいけない金額が決まっています。
500万円の時は、100万円です。
この100万円を3~5年で返済することができれば、住宅ローンを残したまま、借金を減額することができます。

 

※実際には、財産相当額は借金返済額に充当されるので、あなたの財産が多ければ多いほど、借金の減額は見込めないことになります。

 

<財産の扱われ方>
実際に処分するのではなく、その財産の価値相当分を最低弁済額にプラスします。
すると、最低弁済額はその財産分増えるので、場合によっては個人再生をする意味がなくなることもあります。

(例)
借金総額500万円、学資保険・退職金などを足した合計300万円だった時…
最低弁済額は、100万円ではなく、300万円が適用されることになります。
この300万円を3~5年で分割して支払っていくことになるのが個人再生の特徴です。

 


③どうやっても借金を支払うことはできそうもないので、借金を帳消しにしてもらえたら…

→これを自己破産と言います。

 

自己破産は、借金の減額ではなく、借金を帳消しにする手続きです。

 

もっと具体的に言うと自己破産は、マイナスの財産、プラスの財産共にゼロにして再スタートさせる手続きになります。

 

プラスの財産が多ければ多いほど、返済に充当されます。

ですが、99万円以下の財産は守ることができるので、何もかも失うことはありません。

身ぐるみはがされるようなイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、意外と残せる財産もあります。

詳しくは、弁護士に直接お尋ねください。

 

借金救済制度を使って、借金減額をするメリット

 

借金救済制度(債務整理)を使うメリット

  • 弁護士に依頼したら返済を止められる
  • リボ地獄から抜け出せる
  • 完済までのゴールが明確になる
  • 毎月の返済額が安くなる
  • 返済をしなくてよくなる(自己破産の場合のみ)
  • 借金の取り立てに怯えなくてすむ
  • 前向きになれる

 

借金救済制度のどれかを利用すれば、これまでの生活が一変して、人生が明るくなるメリットがたくさんあります。

 

 

借金救済制度を使って、借金減額をするデメリット

 

借金救済制度(債務整理)を使うデメリット

  • 信用情報機関に一定期間登録される(ブラックリスト)
  • クレジットカードが一定期間持てなくなる
  • 新規のローン契約が一定期間できなくなる
  • 保証人になれない
  • 官報に掲載される(個人再生・自己破産)

 

デメリットは、信用情報機関に登録されている期間は、5~10年です。

この期間には、スマホの割賦契約を含む、クレジットカードやローンの契約ができなくなります。

また、保証にもなれません。

いわゆる、審査が必要な契約が5~10年できなくなると覚えておいてください。

 

個人再生・自己破産をした場合は、官報に掲載されることになりますが、大半の方は官報を購読することがありませんので心配は不要です。

 

 

最後ににお叱りの言葉の多い「弁護士は弱者ビジネスをしているのか?」という点について解説させてください。

 

 

弁護士は弱者ビジネスをしているのか?

 

法律というのは、

いろんな人が生活する上で最低限のルールを決めたものです。

 

僕のモットーは

何かに困っている人に対し、法律という制度の中で、どうにか解決できることはないだろうか?
法律を駆使して、人助けをするのが弁護士の務めである。

そう思って弁護士を志し、今日までやってきました。
弱者ビジネスなんて言葉を気にしていたら、本当に困っている人を救うことなどできません。

 

人は、誰にだって失敗はあるのです。

 

世間では、その失敗した人を「弱者」と呼ぶ傾向があるのだと解釈しています。

 

でも、失敗した人を応援する人だっています。

 

それが、弁護士である僕です。

 

もしも、自分の大切な人が、仕事で失敗をしたら、精一杯慰めようとしたり、励ましたりしませんか?

 

僕がやっているのは、それと同じです。

 

困っている人の話に耳を傾け、

力になれることがあれば、

力になりたい。

 

たったそれだけです。

 

僕が弱者ビジネスをしていない証明として、

僕の運営するアーク法律事務所と他の事務所の費用を比べた記事があります。

 

 

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