借金の滞納が続いていて、支払に応じない場合、強制執行という形で、財産の差押えを受けることになる場合があります。
差押えをされる意味
債権者が差押えた財産を換価処分(お金に換える)して、強制的に借金の回収をすること
これは、滞納している人の意思とは無関係に進めることができるので、差押えを受けるとなったら、厳しい処分を受けているということになります。
差押えを受けている状態になってから、債務整理の依頼を受けても、個人再生か自己破産の申立てを裁判所にしてからしか、差押えを止めることはできません。
ですから、強制執行を受ける前に、借金の返済に困ったら相談に来ていただくことが何よりも大切なことになります。
ということで、今回は、差押えを受けるとなったらどんなものが対象になるのかを説明します。
実はかなり多くのものが差押え可能となることを覚えておこう!
うちには財産がないから…と、思っていても、それが本当に差押えの対象にならないのか、どうかということろも考えなくてはいけません。
まず、僕が弁護士の経験として、
差押えの対象のベスト3を挙げてみると…
- 給与
- 不動産
- 売掛金
これが差押えの対象としては、多いものです。
給与の差押えは複雑!手取り額で差押えのルールが変わる
1番多い給与の差押えは、ちょっと複雑です。
そもそも、給与の4分の3は、差押えをしてはいけないことになっています。
ですが、その考え方には、少し複雑性があります。
★手取り額が44万円以上の人の場合
給与所得税・住民税・社会保険料を控除した残額から、33万円を控除した残りの金額が差押えの対象となります。
給与の差押えが決まると、33万円以上の給与は差押えられることになります。
当然、給与なので、会社にもバレることになります。
★手取り額が44万円以下の場合
シンプルに、給与の4分の1が差押えられることになります。
20万円の給与をもらっているばあいは、5万円が差押えられてしまうことになります。
差押えされるくらいならば、早期に債務整理をしておいた方が、会社にバレずに手続きもできます。
不動産がオーバーローンの場合は、無剰余取消になることもある
不動産を持っている場合は、それを競売にかけ、売ったお金で債権回収をしたいと考えるところですが、オーバーローンでは、借金が残ることになります。
それでは、不動産を売却しても利益は出ないので、裁判所に無剰余取消(やっても意味がない)となります。
ですが、アンダーローンとして、不動産を処分すれば、利益が見込める場合は、強制執行として、競売にかけられてしまいます。
生活必需品を除いた現金・骨董品・貴金属なども差押え対象となる
差押えで、何もかも持っていかれてしまうと考えるかもしれませんが、生活必需品として国が認めているものを差押えることはできません。
なので、一般的な家具家電を処分されることはありません。
ですが、価値のあるものや所有個数の多い場合は、処分の対象となる場合もあります。
現金においても、66万円以下の現金の差押えは禁止されています。
簡単に人が最低限生きていくために必要なものは、対象外となることを覚えておきましょう。
車も、必要不可欠な理由がない限り、差押えの対象となります。
口座の差押えをされると、生活のピンチが訪れることがある
口座の差押えが決まると、給与や年金などの入金予定を狙って差押えされることが多いです。
その場合は、生活ができないと訴えても、それまでの滞納があるので、解決することができません。
差押えされてしまったものを取り返すことはできません。
差押えの対象とされるには、債権者があなたの情報を知っていることが必要
差押えをしたいものは、債権者が裁判所に強制執行の申立ての手続きをしなくてはなりません。
例えば、口座1つ取っても、○○銀行の△△支店というところまでわかっていないと、差押えをすることができません。
給与の差押えをするには、あなたの会社を知らなくてはできません。
なので、何もかも差押えの対象になるかと言えば、債権者次第のところもあります。
つまり、裁判所から、差押えに関する通知が来たものが、実際の差押えの対象となります。
【まとめ】差押えは1度だけではないことを覚えておこう
最後に、差押えは、債権回収ができるまで続くものです。
つまり、借金を返済しきるまで、何かの差押えが解除されないということです。
それでは、日常に支障が出ることもあるでしょう。
滞納するしかない状況で、差押えがされてしまうことになったら、もう躊躇することなく、法律相談へお越しください。
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