倒産のタイミングを「計画的」にすると違法?守るべき境界線とは

「計画倒産は犯罪だ」という思い込みで、困っていませんか?

  • 業績が悪化し、会社をたたむ準備を少しずつ進めたいけれど、これって「計画倒産」として違法になってしまうのだろうか?
  • 限界を迎える前に、タイミングを合わせて計画的に自己破産をすることは、罪に問われるのだろうか?

経営の行き詰まりを感じ、法人の破産を考え始めたとき、多くの経営者様が「計画倒産」という言葉の重さで、身動きが取れなくなってしまいます。

 

結論から申し上げます。

「会社を安全に、関係者の損害を最小限に抑えるために計画的に倒産手続きを進めること」自体は、法律上まったく違法ではありません。むしろ、推奨されるべき正当な手続きです。

 

しかし、その準備の過程で「債権者を騙したり、会社の財産を不当に隠したりする行為」が1ミリでも混ざってしまうと、それは一転して刑事罰や民事責任を問われる「重大な違法行為」へと姿を変えてしまいます。

 

今回は、合法な倒産準備と、違法となる「計画倒産」の決定的な境界線、そして経営者として絶対に守るべきルールを、アーク法律事務所の弁護士鬼頭が分かりやすく解説します。

 

そもそも「計画倒産」とは?何が問題になるのか

本来、計画倒産の正しい目的は、あらかじめ綿密な計画を立てて法的な倒産手続き(自己破産や民事再生など)を行うことで、債権者や従業員の損失を最小限に抑え、スムーズに事業を整理することにあります。

 

しかし、世間で問題視される「違法な計画倒産」とは、経営者が「最初から会社を倒産させて借金を帳消しにするつもりで、意図的に周囲を騙して利益を得る行為」を指します。

 

法律に違反するだけでなく、経済社会に深刻な悪影響を及ぼすため、万が一これに該当してしまうと、経営者個人が詐欺罪や背任罪などの刑事責任を問われたり、多額の損害賠償請求を受けたりするリスクがあります。

 

経営者が絶対にやってはならない「違法となる3つの境界線」

良かれと思ってやったことや、個人の身勝手な判断での行動が、後から「違法な計画倒産だ」と裁判所や警察から判断されてしまう代表的なケースは以下の3つです。

 

境界線①:倒産直前に「融資(お金)」を受けた場合

会社がすでに破綻寸前で、返す見込みがまったくないにもかかわらず、金融機関や公的機関に対して「まだ経営は順調です」「新しい事業に使います」と虚偽の説明をして融資を受ける行為です。 これは明らかな「不正受給」とみなされ、刑事上の詐欺罪に問われる可能性が極めて高い重大な違法行為です。

 

境界線②:取引先から「大量の商品」を仕入れた場合

経営危機に陥っていることを隠し、意図的に取引先から大量の商品をツケ(買掛金)で仕入れ、その直後に倒産手続きを行う行為です。 代金を支払う意思がないのに商品を手元に残し、売掛金を免れようとする行為もまた、取引先に対する詐欺罪や背任罪に該当し、厳しく処罰されることになります。

 

境界線③:会社の財産を「格安で処分」した場合

倒産する前に、会社の資産を少しでも身内に残したいと考え、「本来の売却価値よりも格安の金額で、親族や知り合いに会社の土地や建物を売却する」といった行為です。 これは本来、処分して債権者への配当に回されるべき財産を隠す行為(財産隠し)とみなされ、民法や刑法によって厳しく禁止されています。

 

知っておきたい「法人破産」の流れと現実

すべての倒産手続きが違法になるわけではありません。正当な理由に基づき、誠意を持って裁判所に申し立てを行えば、会社を安全に消滅させ、経営者個人の再スタートを切ることができます。

弁護士がサポートする、一般的な法人破産の手続きの流れは以下の通りです。

 

【法人破産の手続きの大きな流れ】

  1. 弁護士が破産の申し立て書や財産目録などの複雑な書類を作成する
  2. 書類を裁判所に提出し、申し立てを行う
  3. 裁判所から「破産手続開始決定」を受ける
  4. 裁判所によって「破産管財人(弁護士)」が選任される
  5. 破産管財人が会社の財産を適正に処分し、債権者に公平に分配する
  6. 法人破産の手続きが終了し、会社が正式に消滅する

 

法人破産にかかる「期間」と「費用」の目安

期間

会社の規模や負債の状況にもよりますが、手続きの開始から終了まで約1年から2年ほどかかるケースが多いです。

 

費用

弁護士への報酬や、裁判所に納める予納金(管財費用)などが必要になります。会社の状況や負債額、債権者の数によって大きく変動しますが、中には数百万円から数千万円程度かかるケースもあるため、「会社にまだ少しでも現金が残っている段階」で弁護士に相談することが極めて重要になります。

 

アーク法律事務所の費用

弁護士費用:40万円~
裁判所予納金:30~100万円

会社の状況に応じて、費用が変動します。

 

★会社の連帯保証人になっている場合、個人破産が共に必要になる場合があります。

個人破産費用:24万円(税込)

 

弁護士 鬼頭
法人破産の場合は、状況によって費用が変動します。この費用が捻出できなくなる前に「もしもの相談」としてでも、弁護士とあらかじめ相談しておくことが、あなたの防衛にもなると思います。

 

まとめ|経営に不安を感じたその時に、まずは一度お話を聞かせてくれませんか?

会社の命運、従業員や家族の生活、そして膨れ上がる負債の重圧…それらをすべて背負いながら、表面では気丈なフリをして、裏でひとり、通帳を見つめるのも限界がありますよね。

 

破産をする、しない、に関わらず、弁護士に打ち明けてみませんか?

 

僕自身も、一経営者として、あなたの置かれている気持ちがよく分かります。

会社を守りたいという執念も、資金繰りの焦りも、同じ経営者として他人事だとはどうしても思えないのです。だからこそ、僕はあなたに不当な計画倒産の罠に落ちてほしくありませんし、意味のないタイミングで無理に破産を勧めるようなこともしません。

 

アーク法律事務所では、法人・個人に関わらず、方針が決まるまでのご相談料は何度でも無料です。

 

法人破産を進める場合、多くの場合では「社長個人(経営者様)の自己破産」も同時に求められることになります。だからこそ、この先に一体どんな展開が待っているのか、ご自身の身の振る舞いや生活がどうなるのかを、あらかじめ正しく知っておくことが何よりも重要です。

 

破産を決める必要はまだありません。

 

先ほど書いたような「違法」と言われるリスクを徹底的に回避しながら、「今の会社の体力なら、どの段階まで粘って戦うことができるのか」「そして、どのラインまで来たら、傷口を広げずに覚悟を決めるべきなのか」。そのデッドラインと最良の選択を、法律のプロとして、あなたの横に並んで一緒にトコトン考えさせてください。

 

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