差し押さえとは…
債務者(お金の支払い義務のある人)の給料・預貯金・家・土地などの財産を裁判所の命令で勝手に処分できないようにし、最終的には、差し押さえられた財産は、強制的に債権者(お金を貸している側)へ支払われることになります。
差し押さえの手続きが行われるケースは
支払うべきお金が支払われていない場合です。
- 借金の滞納
- 税金の滞納
- 養育費の滞納
- 婚姻費の滞納
例えば、給料の差押えをされる時、借金や税金の場合は、最大4分の1ですが、養育費と婚姻費の滞納による差押えは、最大で給料の2分の1を差し押さえられることになります。
差押えの回避をするためには
- 支払いをする
- 支払いについての交渉をする
- 債務整理をする
この3つの方法のいずれかを取らなければ、あなたの財産が差し押さえられてしまいます。
差押えの通知が来るまでの間に何が起きていたのか、これからどうすればいいのかをわかりやすく解説していきます。
差押えの通知が来るまで
いきなり、あなたの手元に裁判所から差押えの通知が来ることはありません。
差押えの通知が来るまでには、段階があります。
最初は、電話や手紙などで催促の通知が債権者からあったと思います。
これを無視しされ続けてしまうと、債権者も次の手を考えなくてはならなくなります。
あなたの大切な給料が4分の1または2分の1差押えをされることになったら、たちまち生活が成り立たなくなることも十分考えられます。
また、差押えを危惧されているケースもあるかと思いますので、あなたの状況と照らし合わせて然るべき対処をしましょう。
裁判所から送られてくる通知「支払督促」
まず、支払督促というものを説明をします。
支払督促は、借金の滞納が長期に渡る場合、差押えの準備を進めたいです!
と、裁判所に申立るものです。
よって、差出人は、○○簡易裁判所となります。
支払督促が送られてくる理由は3つです。
①稀に借金の時効を阻止するために送ってくることもあります。
その借金が5年以上、最終返済日から時間の経っているものであるのなら、借金にも時効がありますので、一度弁護士にご相談ください。
②代位弁済されたことを合わせて知らせてくることもあります。
代位弁済とは、あなたが借りた金融会社が、別の会社が、あなたの代わりに支払うことです。
よって、代位弁済されると、債権譲渡されるので、あなたの返済先が変わり、代位弁済した会社に以後支払いをしていかなくてはならなくなります。
見覚えのないところからだからと、内容を把握しようとせず放置するのは危険です。
知らない会社名で手紙が送られてきた時は、いたずらとは限りません。
この場合は、対処法を考えないと、差押えまでカウントダウンされることにも繋がります。
③どちらでもない場合は、もう待てないという合図
時効を迎えてもいないし、代位弁済もされていない場合もあります。
特に個人間だったりすると、債権譲渡することの方が少ないと思います。
支払が滞ったことで、しびれを切らして、送ってくる場合もあります。
どの場合も、支払督促に同封されている「異議申立書」を裁判所に提出しないと、差押えされてしまうことになるので提出が必要です。
提出後は、通常の訴訟となります。
また、支払督促ではなく、訴状が届くこともあります。
この場合は、裁判を意味しています。
次は、すでに債務名義が確定している場合についてです。
強制執行(差押え)が容易!債務名義ってなに?
債務名義とは、判決で確定したものを指します。
つまり、強制執行するための理由です。
債務名義が確定していると、あなたが支払いに応じない場合、債権者は、容易に強制執行(差押え)することができます。
【債務名義に該当するもの】
- 仮執行宣言のある判決
- 仮執行宣言付きの支払督促
- 公正証書
- 裁判所の和解調書
- 認諾調書
- 即決和解
- 調停調書
- 刑事和解
- 損害賠償命令
こういったものも、債務名義となります。
1番よくある話が、養育費の未払いで、給料の差押えをされたというような場合は、公正証書が該当します。
これが、正本であり、強制執行できるという旨が記載されていると、裁判なしで差押えが可能となります。
実は、差押えには、本差押えと仮差押えというものがあります。
次に解説します。
仮差押えとは
仮差押えとは、本差押えの前に、債権者が手を打っておきたいときにするものです。
判決や裁判を待っている間には、それなりの時間がかかります。
最短でも、3~4ヶ月くらいです。
長ければ、1年ほどです。
この期間の間に、財産を処分される恐れがある場合に仮差押えという手続きを行う場合があります。
仮差押えを受けると、財産の処分等ができなくなります。
例えば、口座は、判決が出るまでの間、出金することができなくなります。
給料であれば、4分の1または、手取り44万円以上の方は、33万円以上の給料を仮差押えされます。
保留という形で、判決が出るまで仮差押えの状態が続きます。
いよいよ、差押えの話です。
差押えとは?
差押えは、強制執行しても良いと裁判所から許可され、財産の差押えの通知が1つずつ来ます。
この段階になると、弁護士に相談されても、差押えを止めることは容易ではありません。
個人再生か、自己破産の申立てを裁判所にするまで、差押えの状態は続きます。
申立てまでの期間は、およそ3~4ヶ月ほどかかります。
依頼を受けてから、申立ての書類や資料を作るのにそのくらいの時間がかかりますので、その間はどうすることもできなくなります。
【まとめ】借金を放置すると、弁護士が介入しても早期の解決が難しくなる
裁判所からの通知が来てから慌てて相談にいらっしゃる方が多いです。
相談のベストなタイミングは、借金の支払いを滞納しなくては生活ができなくなった段階です。
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