フィッシング詐欺にあったかもしれない…
お金はどうなるのか、自分や家族の生活はどうなるのか、とんでもないことをしたという心身の疲弊など、あらゆる心配があると思います。
詐欺集団は、次々と巧妙に手口を変えて、私たちを罠に陥れようとしています。
詐欺の種類は、日増しに増えており、注意喚起しても新しい手口が出てきます。
今日は、
フィッシング詐欺にあったかもしれない
と、不安に感じる方に向け、弁護士として記事を書きます。
まず、結論から言いますと、 大きく3つに分かれると思います。
①スキミングなどの被害に遭った場合は、補償制度で返金してもらえる可能性がある
②故意・過失に該当する場合、クレジットカード会社の補償対象外になる可能性がある
③振り込んでしまったお金を取り戻すことは、非常に困難である
「どうしよう…」と考えているよりも、早急な行動が必要です。
1つずつ丁寧に解説していきます。
スキミングの疑い・不安な場合の対処・対策方法
スキミングされていないか疑ったり、不安を感じることってありますよね。
1.スキミングに遭いやすい状況と対策方法
→古すぎる端末やOSのバージョンでは、現在のセキュリティに追いついていない場合があります。
現在の最新バージョンのOSが入れられない端末は買い替えをお勧めします。
②セキュリティ対策を何もしていない
→セキュリティソフト等を使用していない場合、スキミングやウイルス感染のリスクが上がります。
これを機会にセキュリティソフトの検討をしてみましょう。
③簡単なパスワードを使っている
→推測可能なパスワードを使用している場合
「パスワード生成が」できるサイトや端末が難しいパスワードを生成してくれたりするので、上手に活用しましょう。
④パスワードの使い回しをしている
→覚えるのが面倒だとパスワードの使い回しをしがちですが、リスクがあることを覚えてください。
できれば、登録サイト毎にパスワードを変える方が安全です。
⑤鍵マークのないサイトの利用や個人情報の入力
→少なくなってきましたが、安全ではないサイトはまだまだあります。
鍵マークのないサイトを閲覧したり、個人情報を入力するとスキミングに遭うリスクがあることを覚えておきましょう。
わかっているけれど、「大丈夫」と過信していたり、
まだ使える端末だからと最新バージョンの入らない端末の使用を続けていたり、
「面倒だから」と、パスワードの管理を怠っていないでしょうか?
これを機にあなたの端末の見直しをしてください。
それは、あなたを守るツールにもなります。
クレジットカードの不正利用を見つけた時の対処法
もしも、クレジットカードの不正利用を見つけてしまったら…
まず、以下の項目を確認してみましょう。
→年会費の可能性はありませんか?
②「海外利用」の記載
→ネットを通じた利用や運営会社が日本語表記でも海外、支払処理を海外で行っている場合がある
③身に覚えのない店舗名
→実際に利用した店舗名ではなく、運営会社や商業施設名が「利用先」になることがある
④モバイル決済で利用した可能性
→モバイル決済にクレジットカードを登録していると、Apple Payは、Apple Inc.、Google Payは、Google LLCなどの表記になる
⑤サブスク登録
→無料お試し期間だけと思って登録したサブスクの解除を忘れていないか確認してみましょう
⑥家族が利用した可能性
→家族カードにしている、または、Amazonや楽天などのショッピングサイトを家族も利用できるような環境にしていないか、利用報告を忘れていないかを確認してみましょう
※JCB「利用覚えのない請求があった」より参照
上記に該当しない場合
■不正なクレジットカードの利用
■不正な引き落としを発見
次に書く「フィッシングサイト等に個人情報を入力してしまった場合」を参照してください。
フィッシングサイト等に個人情報を入力してしまった場合
万が一、フィッシングサイト等に個人情報を誤って登録してしまったと気づいた場合にできる対処方法です。
■クレジットカード会社に連絡をする
■クレジットカードの利用停止をする
■クレジットカードの再発行を依頼する
まず、クレジットカードが悪用されてしまうことを防ぐためにも、もしかして…と、思った場合は、速やかにクレジットカード会社に連絡をするようにしましょう。
クレジットカードさえ利用停止してしまえば、悪用される心配もなくなります。
不正利用を疑われる場合も、同じように対処してください。
クレジットカードの補償制度について
クレジットカード会社に連絡をし、状況を説明して、補償制度で対応してもらえないか、確認してみましょう。
警察への相談や被害届などを出すように促されることもあります。
<補償制度が使える条件>
・不正利用から60日以内であること
・不正利用を61日以上遡ることは不可
・第三者が不正に利用した事実であること
・故意・過失がないこと
しかし、暗証番号の入力をしている場合、故意・過失となり、補償制度の対象外となる場合もあります。
補償制度は、絶対に誰でも補償されるものではありません。
さて、フィッシング詐欺にあっても、返金されなかったり、補償制度が利用できなかった場合、困り果てることになると思います。
その場合の対処方法を最後にお伝えします。
フィッシング詐欺で返金補償されない場合の対処法
許されざる詐欺集団ですが、運悪く、フィッシング詐欺にあってしまった場合、どのような対処ができるのかを考えてみます。
クレジットカード会社に連絡をしても、補償制度の対象外で、返金されないとなった時、絶望的になりますよね。
そして、警察なら、弁護士なら、詐欺にあっても助けてくれると思われると思います。
しかし…
なぜなら、詐欺集団の所在を掴むことが容易ではないからです。
例えば、銀行口座は、売買された口座、ヤミ金で取引に使われた口座など、本人に繋がることのない口座を利用しています。
また、海外を経由していたり、特定できるIPアドレスではなかったりと、困難を極めます。
運よく、犯人が警察に逮捕されたとしても、その犯人に返金能力が無ければ、お金を回収することが難しいのです。
そうすると、残る手段は、あなた自身がそのお金を支払うことになってしまいます。
高い勉強代だったと支払える余力があればいいのですが、高額な請求が来て、
とてもじゃないが、返済できない…
と、なった場合
不本意だと思いますが、
債務整理の検討をしましょう。
泣き寝入りするしかないのかと、怒りや悲しみを感じられると思います。
でも、あなたと同じで、クレジットカード会社も、自分の会社を守らなければなりません。
悪いのは犯人です。
でも、世の中には、どうにもならないことがあるということだけ覚えておいてください。
弊所(アーク法律事務所)のご相談者様も、フィッシング詐欺をはじめ、投資詐欺などにあってお困りなケースにも何度も直面してきました。
弁護士としても、犯人からお金を返金してもらえないことが非常に無力感を感じますし、残念です。
しかし、弁護士には、借金の負担を軽くするご提案ならできます。
本意なご提案ではないでしょうが、クレジットカード会社や金融機関が補償制度では「補償できない」と答えた場合にできる手段です。
どうぞ、覚えておいてください。
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