実は、人には言えない悩みを抱えている人は多いものです。
その悩みは、妻から夫、夫から妻、親から子、子から親など様々な関係にも起きうることです。
特に家族の中の誰かに浪費癖がある場合、その悩みは深くなりますよね。
こんにちは、名古屋にあるアーク法律事務所、弁護士の鬼頭です。
実は、借金の問題に悩む方は、当事者だけではなく、近親者の方が悩んでいたりします。
本人は、悪びれる素振りもなく、その態度に困ってしまうことってありますよね。
ちゃんとしてくれていたら、浪費癖さえ直ったらいい人なのに…
そんなどうにもならない心境でお困りになっている方へ、アドバイスをします。
でも、お金を肩代わりすることは本当の優しさでしょうか?
お金を出して、尻拭いしてもらったことで罪悪感を覚え更生する人もいますが、浪費癖が直らない人にお金を代わりに出すことは、浪費の支援を逆にすることに繋がることもあります。
- 近親者と交わす誓約書の効力は?
- 浪費をやめさせる方法や対策
この2つを中心にお話していきます。
夫・妻・親・子などに書かせる誓約書の効力はどのくらいのものなのか?
借金を繰り返す…つまり浪費癖のある人をやめさせることは、本当に難しいことです。
人間が持つ癖の中でも、直すのが本当に難しいものだと思います。
お金の問題は、毎日の生活にも関わります。それを浪費癖のある家族に理解してもらうというのは、困難を極めることもありますよね。
そこで、何度も話し合いをする中で、様々な議論となり、誓約書を書かせるという手段に出ることもあると思います。
ですが、いざとなった時の証拠にはなります!
あなたと約束をしたという事実は残ります。
強気に出たことで、あなたの気持ちは、少しは晴れたかもしれませんが、法的な効力がないと知って残念な気持ちにさせてしまったと思います。
期待に沿えない回答で申し訳ないです。
よって、誓約書を書かせても、借金ができない(しない)証明書類にはなりません。
じゃあ、どんな効力があるのかと言えば…
単に、あなたとの約束を破ったという証拠になるということです。
誓約書を書かせれば…と、考えたかもしれませんが、法的に見ると、残念ながら大きな意味を成しません。
そこで、必要なことは、現実的な対策です。
夫・妻・親・子に「浪費をやめさせる4つの方法や対策」
次に、具体的な浪費をやめさせる4つの方法や対策をお話します。
現実的にどんなことができるのか、メリットとデメリットの両面からお話します。
あなたの選べる方法や対策を実践してみるのも1つの手です。
その1:「クレジットカードの処分」のメリット・デメリット
1番簡単な方法です。
クレジットカードや金融カードそのものを破棄してしまうという処分方法があります。
破棄の仕方は、ハサミで切ったり、プラスチック対応のシュレッダーで裁断してしまうことです。
クレジットカード処分の2つのメリット
- カードそのものが無くなってしまえば、買い物や借入ができなくなる
- 再発行には審査がある
カードそのものがあるから、利用可能枠まで使うことが可能となってしまいます。
現物を破棄してしまえば、使用不可能となります。
そして、再発行には審査が必要となります。滞納や借入状況によっては、審査に引っかかり、再発行不可となる場合があります。
クレジットカード処分の3つのデメリット
- 破棄したことでトラブルになる可能性がある
- 再発行できてしまう場合がある
- 現物がなくても、カード情報は生きている
まず、ハサミで切るなどの破棄をすることで、本人とトラブルになる可能性があることを覚えておきましょう。
また、メリットとは逆で、本人の状況によっては、簡単に再発行できてしまう場合もありますし、別のカードを契約してしまうこともあるかもしれませんので、注意が必要です。
さらには、クレジットカードを破棄しても、カードが使えなくなるわけではありません。
クレジットカードの現物がなくても、カード情報を覚えていれば、ネットショッピングやアプリなどの課金ができてしまいます。
その2:「貸付自粛制度の利用」メリット・デメリット
貸付自粛制度というものをご存じですか?
これ以上の借金を背負わないために、利用制限をかけることができます。
貸付自粛制度利用のメリット
メリットは、クレジットカード会社や消費者金融などに「借金ができないように申請」することができます。
直接的なメリットが得られるのですが、貸付自粛制度を利用するには、大きなデメリットもあります。
貸付自粛制度利用のデメリット
- 本人からの申出じゃないと難しい
- 条件を満たさないと近親者は手続きできない
- 有効期限は、5年
本人以外からの申出は、最大、三親等までできるようです。
ですが、本人が申請できないという理由の証明も必要となります。
そして、できたとしても、有効期限は5年と決まっています。
また、申請者から3ヶ月経てば、解除の申出もできてしまいます。
よって、一時しのぎになってしまうことも否定できません。
(問い合わせ先)
その3:「成年後見制度の」メリット・デメリット
成年後見制度は、ご存じでしょうか?
家庭裁判所に申立てることで、成年後見制度を利用することができます。
本人が知的・精神・認知症などの疾患を抱えている場合に裁判所が必要と認めた場合に成年後見人が選任されます。
※破産者・本人と訴訟した人・未成年者・行方不明者・裁判所が除外した人以外の人なら誰でもなれます。
成年後見制度のメリット
疾患が認められる人であるのなら、後見制度を利用することで、金銭管理を本人以外が正当にできるようになること
成年後見制度のデメリット
- 疾患がないと使えない
- 被後見人の財産を使うことは許されない
- 公的な任務を負うだけである
一番勘違いされやすいのは、後見人になれば、被後見人の財産を自由に使えると思うことです。
しかし、公的な任務を負うだけの立場なので、通常の金銭管理とは意味合いが違います。
ですが、金銭管理ができるという点は、大きなメリットにもなります。
その4:「債務整理をさせる」メリット・デメリット
最終の手立ては、本人を説得して、債務整理をさせることです。
債務整理をすることで、信用情報機関に事故情報として登録されることになります。
つまり、ブラックリストに載ることで、借金を一定期間意図的にできなくしてしまうことが可能です。
また、あなたが尻拭いする必要がなくなるので、あなたの精神的にも健康を取り戻すことができます。
これも親心だなと感じ、ご依頼を引き受けたことが何度もあります。
債務整理の3つのメリット
- 借金の減額が可能
- 借金の帳消しが可能
- ブラックリストに載ることで、新規借入が不能になる
債務整理をすることで、今持っている借金を減額または帳消しにすることが可能になります。
さらには、
ブラックリストに載ることで、新規の借入、保証人になることもできなくなります。
債務整理のデメリット
- 本人が手続きに同意しなければできない
- ブラックリストの登録期間が決まっている
本人以外が、代理手続きをすることはできません。
また、ブラックリスト期間が決まっています。
任意整理で完済から5年
個人再生で完済から5~10年
自己破産後5~10年
長くても、10年ほどとなります。
債務整理ってどんな方法があるの?
債務整理には、大きく分けて3つの方法があります。
任意整理
将来利息をカットすることで、毎月の返済額を無理のない範囲に抑える方法です。
個人再生
裁判所に申し立て、借金を大幅に減額してもらう方法です。住宅ローンを除いた借金総額を1/5~1/10へと大幅に圧縮できます。住宅ローンを残したまま、借金を減額できる場合があります。
自己破産
裁判所に申し立て、借金そのものを帳消しにする方法です。生活に必要な家財道具や最低限の財産は残すことができます。
どの方法が合っているかは、借金の額や収入、財産状況によって異なります。専門家と相談して、最適な方法を選びましょう。
債務整理のメリット・デメリット
債務整理のメリット・デメリットを簡単に記載するのでご覧ください。
どの手続きを選んでも、信用情報機関には、事故情報として登録されるため、これ以上の借入をできないようにすることも可能ですし、借金の返済額についても負担割合を軽減させることが可能です。
債務整理のメリット
■借金返済の負担を軽減できる
■精神的な負担を軽減できる
■督促が止まる
債務整理のデメリット
■ブラックリストに登録される:一定期間、クレジットカードやローンが利用できなくなります。
■財産を処分しなければならない場合がある
■手続きに費用と時間がかかる
次に、各手続きのメリットとデメリットをご紹介します。
任意整理
弁護士や司法書士が債権者と交渉し、将来の利息をカットしたり、返済期間を延長したりすることで、毎月の返済額を減らす手続きです。
裁判所を通さないため、比較的短期間で手続きが完了するのが特徴です。
メリット
借金の額が比較的多くない方に向いてます。
■債権者を選べる
同一の保証会社の場合は、両方手続きが必要になるケースもあります。
例)バンクイックとアコムなど
■弁護士や司法書士に依頼するだけで、手続きが完了する
■短期間(約3ヶ月ほど)で、手続きが完了する
デメリット
■高額な借金だと生活が楽にならない
■できることは「利息のカット」のみ
■債権者によっては、頭金・利息・期間の短縮などの条件が付けられてしまう
■債権者によっては、任意整理に応じてもらえない
個人再生
裁判所を通して、借金を大幅に減額し、原則3年間で返済していく手続きです。
住宅ローンがある場合は、住宅を手放さずに済む可能性があります。
メリット
借金総額は、住宅ローンを除いて、300万円以上ある方に向いています。
■住宅ローンを維持できる可能性がある
■自己破産と違って、財産を実際に処分しない
■住宅ローンを除いた借金総額を1/5~1/10へと圧縮できる
■自己破産のように資格制限がない
デメリット
■裁判所に申立てが必要で、時間がかかる(7~8ヶ月)
■財産がたくさんあると減額率に影響する
■安定した職に就いていないと手続きができない(専業主婦(主夫)、無職は不可)
■税金・年金・保険料・養育費・損害賠償金は対象外
自己破産
裁判所を通して、借金をゼロにする手続きです。
借金の返済能力がないと認められれば、借金の支払義務が免除されます。
メリット
■借金を帳消しにできる
■生活再建が可能
■最大99万円までの財産を残せる
■無職でも手続きが可能
デメリット
■プラスの財産を処分される可能性がある
■保険外交員、警備員、士業などに就いていると手続きができない
■税金・年金・保険料・養育費・損害賠償金は対象外
どの手続きが適切かは、状況によって異なります。
アーク法律事務所では、あなたの状況を詳しくお伺いし、最適な解決策をご提案させていただきます。
【最大のデメリット】信用情報機関に加盟していない貸金業者やヤミ金への借入ができてしまう
どんな対策も通じない方法が、残念ながらあります。
それは、信用情報機関に加盟していない貸金業者とヤミ金です。
信用情報機関に照会しない貸金業者には、ブラックリストは無意味です。
ヤミ金は、違法貸金業者です。
このどちらかに借入をしてしまえば、借金をすることができる可能性が残ります。
しかし、どちらの場合も弁護士に相談することは可能です。特にヤミ金の場合は、ご家族様も怖い思いをするケースがあるので、遠慮なく弁護士にご相談ください。
【まとめ】あなた自身のお金を守ることも忘れないでください
本人との話し合いで、問題が解決するのであれば何よりです。
ですが、浪費がやめられなくて、何度も借金をしてしまうような場合には、注意が必要です。
あなたの預金やクレジットカードなどが不正に使われないように、しっかりと管理することも必要です。
借金をやめさせる方法として
- クレジットカードの処分
- 貸付自粛制度の利用
- 成年後見制度の利用
- 債務整理
この4つの方法があります。
肩代わりするにも限度もあるでしょう。
本当にそれが本人のためになるのかも考えてみてください。
また、家族がつくった借金をあなたが返済するために働き続けるようなことがあったら、本当に精神的に辛いことだと思います。
弁護士が何か手を貸すにしても、本人が必要です。
そこは、労力だと思いますが、弁護士にできる限りの協力はします。
親しい人には甘えがちなので、一か八か連れてきていただくことが可能ならば、僕も一肌脱ぎます!いつでもお越しください。
アーク法律事務所のサポート
アーク法律事務所は、借金問題に悩むあなたを、心からサポートしたいと考えています。
無料相談
どんなご相談でも、何度でも無料です。借金問題はもちろん、それ以外のことでも、お気軽にご相談ください。
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経験豊富な弁護士が、あなたの状況やお気持ちに寄り添い、親身になって対応いたします。
柔軟な相談時間
平日夜間や土日祝日でも、ご相談いただけます。
明瞭な費用
弁護士費用は、事前に明確にご説明いたします。
任意整理:1社につき18,000円(税込)
個人再生:積立金×手続き期間(最低積立額は4万円から)
自己破産:24万円(税込)
すべて、着手金や報酬金、実費、手数料込の費用設定で、追加料金などはかかりません。
分割払いも可能ですので、お気軽にご相談ください。
法テラスの利用も可能です。
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弁護士だけでなく、専属の事務員が手続きをサポートいたしますので、安心して手続きを進めることができます。
プライバシー厳守
ご相談内容はもちろん、個人情報についても厳重に管理いたします。
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ご依頼いただいた場合は、すぐに受任通知を発送いたしますので、借金の督促や取立てをすぐに止めることができます。
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当事務所、アーク法律事務所では、日弁連の規定を守り、面談相談のみの取り扱いとさせていただいております。
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