親子間や夫婦間、親戚、友人など…
親しい間柄の頼みということで、連帯保証人になることを同意する場合があります。
しかし、主債務者(主契約者)が支払困難となった場合、連帯保証人はどうなるのでしょうか?
こんにちは、名古屋にあるアーク法律事務所、弁護士の鬼頭です。
いつもは、主債務者側の立場で記事を書いているのですが、今回は、連帯保証人側の目線で解説します。
連帯保証人には、
なってはいけない
昔から言われることですね。
近年では、保証会社も増えてきたので、保証人不要という契約も増えてきましたが、まだまだ、住宅ローンや車のローンを組む時などは、保証人が必要です。
- 連帯保証人に与えられる影響
- 連帯保証責任の回避の仕方
- 連帯保証人が債務整理をする場合
この3つのテーマについてお話します。
連帯保証人になったことで負う責任とは?
連帯保証人は、主債務者が支払いができないとなった段階で、言い訳無用で、
主債務者の借金の返済を負うという約束をしている人のことです。
「保証人」と「連帯保証人」では意味合いが違います。
「保証人」
主債務者に財産がある場合は、主債務者に請求をするように求めることができます。
「連帯保証人」
主債務者に財産があっても、請求することができません。
よって、連帯保証人になっている場合は、請求を逃れることが不可能となります。
連帯人に一括請求される理由
- 主債務者が滞納や支払不能となった場合
- 主債務者が債務整理をした場合
連帯保証人責任の回避の仕方は、交渉か債務整理
連帯保証人は、主債務者が支払いができない状況になると、債権者から一括請求されることになります。
一括請求されても、一括で支払えるとは限りません。
多くの場合は、債権者と交渉をすることで状況を打破できる可能性があります。
交渉としては、
主債務者が支払っていた契約をそのまま引き継ぐような形です。
しかし、連帯保証人にも生活があります。
例えば、住宅ローンが払えなくなって、請求される分割分を連帯保証人が支払えるとは限りません。
一般的な家庭であれば、10万円前後の住宅ローンの支払い負担を代わりに支払える余力はないでしょう。
連帯保証人自身が生活に困って債務整理をする場合
連帯保証人になっている問題とは別の話です。
連帯保証人のサインをしたものの、連帯保証人が生活にゆとりがあるというのは、イコールではありません。
連帯保証人が何らかの理由で、債務整理を検討した場合…
期限の利益の喪失に該当することになります。
何が起こるのかというと、主債務者に連帯保証人の義務が果たせなくなったため、一括請求されることになります。
別の連帯保証人を立てることで、これまで通りになることもありますが、連帯保証人を探すことは困難なケースが多いです。
よって、主債務者が払えなくなっても、連帯保証人が払えなくなっても、どちらも問題が起きるということです。
そして、連帯保証人が支払不能となると、主債務者は、逃げ場を失います。
分割交渉は不可能の一括請求されることになるので、そのローンを手放すことになる可能性が高いでしょう。
【まとめ】連帯保証のある契約をしている場合は、どちらも支払不能になると一括請求される
連帯保証人を立てても、支払えれば問題ないと考える方は多いものです。
ですが、どちらか一方が支払困難となった時には、それぞれに請求が行くことになります。
主債務者が支払不能の場合
連帯保証人に一括請求されます。
分割交渉は可能ですが、その金額を支払っていくことができるかは、別問題です。
連帯保証人が支払不能の場合
主債務者に一括請求されます。
分割交渉は不可能で、別の連帯保証人を立てることでセーフとなる場合もありますが、基本的には難しい問題です。
連帯保証人を選ぶとき、連帯保証人になるとき、それぞれどちらも相手の経済状況の把握や現在の状況をきちんと話し合えることが大切です。
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