銀行や消費者金融では、「おまとめローン」や「フリーローン」という金融商品があります。
これは、複数の借入を1つにまとめることができるため、家計の支出を見直したい時には便利なものです。
借金を1本化することで、金利が下がり、毎月の返済額を減らせる可能性もあるため、一見、非常に魅力的なものです。
しかし、審査が厳しく、思ったような借入ができず、支出を減らすことができないこともあります。
また、1本化したことで、クレジットカードやキャッシングの利用枠が戻り、さらに借金を増やしてしまう人が後を絶ちません。
おまとめローンやフリーローンというのは、上手に利用することができれば、債務整理を行わずに個人で生活再建ができる可能性もあるものだと思います。
しかし、目的の用途として使わず、借金を増額させるだけの結果に終わるケースも弁護士として何度も直面してきました。
【こんな人に読んで欲しい】
- おまとめローンを考えている方
- おまとめローンで失敗したかもと思う方
両者の方が読んで役に立つ記事となっています。
最初におまとめローンのメリット・デメリットをお話します。
おまとめローンのメリット
・リボ払いの終わりを目指したい
・高い金利をどうにかしたい
・複数の借入を1つにまとめたい
・毎月の支出を減らしたい
このような思いを持つ方にとっては、「おまとめローンって、どうなのかな?」と考えるものだと思います。
おまとめローンのメリットは、以下の3つです。
1.金利を下げられる
2.借金の1本化
3.完済までの道のりの明確化
■おまとめローンを利用すれば、金利を下げられる可能性があるというのは本当です。
利息制限法により、100万円以下の借入の金利は18.0%以下、100万円以上の借入の金利は15.0%以下と定められています。
おまとめローンを利用することで、総額の借入額が変わらなかったとしても、金利が減ることで、総支払額を減らせる可能性や毎月の返済額を下げられる可能性があります。
■1本化することで完済までが明確化できる
複数の支払いを抱えていると、支払日が異なったり、返済方法が異なったりと、手間なことも多いものです。
しかし、支払いを1本化することで、支払日も返済方法も固定されるため、家計の管理はしやすくなります。
また、クレジットカードやキャッシングのように、借入額が変動することはないため、決めた支払回数を支払い切れば終わります。
終わりのないリボ払いを継続することを考えれば、ゴールが決まっているので完済までが明確化される点は、非常に大きなポイントです。
次におまとめローンのデメリットをお話します。
おまとめローンのデメリット
一見、メリットがたくさんあるおまとめローンですが、以下5つのデメリットまで利用する場合には考えなくてはなりません。
■審査が厳しく思った金額が借入できない可能性がある
■追加の借入ができなくなる可能性がある
■返済期間を長く設定すると総支払額が高額になる
■1回の返済額が大きく感じる
■借金をさらに増やす可能性がある
■審査が厳しく思った金額が借入できない可能性がある
金融機関は、貸し倒れのリスクを避けるため、借主の返済能力をしっかりとチェックします。
年収、雇用形態、勤続年数などの中でも重要なポイントは「安定した収入があるかどうか」です。
年収額があったとしても、毎月の収入が安定していなければ、金融機関は、貸してもいいだろうかと考える要素につながります。
また、各信用情報機関に照会をかけるため、滞納などの事故情報がある場合には、融資を断られてしまう可能性があります。
■追加の借入ができなくなる可能性がある
クレジットカードやキャッシングであれば、上限額、利用可能枠内であれば、その中で運用をすることは可能です。
しかし、おまとめローンの場合は、仕組みが異なり、最初にいくらと決めた借入額は、返済専用の契約で、一部を返済したからとクレジットカードやキャッシングのように運用することはできません。
どうしてもお金が必要な場合は、また新たに契約をする以外、借入をすることができません。
あなたの状況によっては、追加の審査が通らず、借入ができなくなる可能性があることを覚えておきましょう。
■返済期間を長く設定すると総支払額が高額になる
おまとめローンの場合、最長○年までと、支払回数を多くすることも商品や状況によっては可能です。
しかし、金利が下がったとしても、支払回数が多いのであれば、その分の金利が加算されるため、総支払額が逆に高額になることも十分考えられます。
例えば、
A社から50万円、18.0%で24回払い
毎月24,962円
総額599,079円
利息99,079円
B社から100万円、15.0%で60回払い
毎月23,789円
総額1,427,378円
利息427,378円
C社から80万円、18.0%で36回払い
毎月28,921円
総額1,041,176円
利息241,176円
A・B・C社の支払いをそのまま継続すると
毎月の支払額合計77,672円
利息合計額は767,633円
A・B・C社をおまとめローンで1本化
230万円、13.5%、120回払い
毎月35,023円
総額4,202,760円
利息額1,902,760円
230万円、13.5%、60回払い
毎月54,204円
総額3,143,832円
利息額843,832円
毎月の支出を減らすことは可能だが、総支払額は5年で返済したとしても、利息額が843,832円となり、そのまま支払った時と比較すると、76,199円多く支払うことになります。
10年で返済した場合の利息の差額は、1,135,127円です。
これは、利息が元本に応じてかかっていることによります。
よって、毎月の支出を抑えることにおいては、借金の1本化は優秀と言えますが、総支払額を考えると、上記のように利息をかなり多く支払うことになることを覚悟しなくてはなりません。
■1回の返済額が大きく感じる
次にリボ払いの例を使って考えていきましょう。
A社から50万円、18.0%
毎月10,000円
完済まで92回
総額916,431円
利息額416,431円
B社から100万円、15%
毎月18,000円
完済まで95回
総額1,696,458円
利息額696,458円
C社から80万円、18.0%
毎月15,000円
完済まで106回
総額1,589,111円
利息額789,111
A・B・C社の支払いをそのまま継続すると
毎月の支払額合計43,000円
利息合計額は1,902,000円
A・B・C社をおまとめローンで1本化
230万円、13.5%、120回払い
毎月35,023円
総額4,202,760円
利息額1,902,760円
230万円、13.5%、60回払い
毎月54,204円
総額3,143,832円
利息額843,832円
毎月の返済額は、10年の120回払いが認められれば、毎月35,023円に減らすことができそうですが、利息額は約190万円と差がないことになります。
しかし、5年の60回で支払うことができえれば、毎月の返済額は11,000円ほど高くなりそうですが、利息を110万円ほど減らすことができそうです。
■借金をさらに増やす可能性がある
1番の懸念点があります。
それは、おまとめローンにした時に、
きちんと清算ができるかです。
クレジットカードやキャッシングをもうしないために1本化するのであれば、利用できないようにしてしまうのが1番賢い方法です。
つまり、解約をするということです。
しかし、おまとめローンにして、清算したとしても、クレジットカードやキャッシングの契約を残したままにしている場合、何かの弾みで、利用してしまうことがあります。
もし、クレジットカードやキャッシングを利用してしまえば、その分の支払いが加算されることになり、状況によっては、一気に返済不能状態にまで陥ってしまいます。
これが、最大の大きな落とし穴だと考えます。
おまとめローンで失敗してしまった場合の対処法
おまとめローンは、賢く使えば、債務整理をせずとも家計の状態を上手に変えられる可能性があるものだと思います。
しかし、何らかの理由で、返済が難しいとなった場合には、別のところでお金を借りれば、返済額が増えることになり、それを継続的に支払っていけるかが怪しくなります。
おまとめローンを選択しておくメリットとしては、以下のものがあります。
- 信用情報機関に事故情報として載らない
- クレジットカードやキャッシングの利用ができる
- 新たなローン契約ができる
- 保証人になることができる
- 信用情報に不安を持たなくて済む
しかし、支払いに困ってしまったら、メリットは全部消えてしまうことになります。
実際、債務整理はしたくないと嫌厭されますが、債務整理にはメリットがあります。
まず、債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生の3つ種類があります。
■任意整理
おまとめローンをしても高額になった利息を最大でゼロにカットすることができる手続きです。
利息をカットした状態から最大5年で計算し直すため、今よりも返済額は安くなる可能性があります。
債権者は、自分で選ぶことができるため、所有権留保で引き揚げられてしまう車などの借金は債務整理しないという選択ができます。
ただし、債権者や取引状況によっては、和解に応じてもらえなかったり、和解条件に頭金・利息・期間の短縮を求められることもあるため、債務整理に注力した弁護士に相談することをおすすめします。
アーク法律事務所であれば、
1社18,000円(税込・実費込)でお手続きが可能です。
高額な利息と差引してお考えください。
■自己破産
どうやっても支払いが難しいという場合には、自己破産をすることも1つの解決する方法です。
自己破産は、裁判所に免責許可を得られれば、借金をゼロにすることが可能です。
ただし、税金・保険料・養育費・損害賠償金などのお金は免責の対象外です。
また、財産を何もかも失うことはなく、最大で99万円までの財産を残すこともできるため、詳しくは弁護士にご相談ください。
アーク法律事務所であれば、
24万円(税込・実費込)でお手続きが可能です。
ただし、管財事件の場合は、別途裁判所に20~40万円の予納金がかかります。
心情的に自己破産は嫌だし、任意整理だけでは生活再建が難しい場合には、個人再生手続きがおすすめです。
■個人再生
裁判所に申立てが必要ですが、税金・保険料・養育費・損害賠償金以外の借金全部を大幅に減額することができる手続きです。
さらに、住宅ローンがある場合、要件を満たしていれば、住宅ローンを維持したまま、住宅ローン以外の借金を最大で1/5~1/10に圧縮できます。
自己破産との大きな違いは、実際に財産の処分をしないということです。(※財産が多い場合には、減額率に影響します)
安定した収入がある方なら、誰でも制限なく手続きすることが可能です。
例えば、450万円の借金を最大で100万円にすることができます。
アーク法律事務所であれば、手続きに必要な積立金(弁済相当額)をそのまま弁護士費用に充当できるので、弁護士費用の捻出を考える必要はございません。
手続き期間×積立金=弁護士費用にできます。
目安:8ヶ月×4万円=32万円
※積立金の額は、借金総額により変動します。
※積立金は、裁判所に毎月滞りなく支払っていけることを証明する仮の弁済費用のことです。
個人事業主の場合は、再生員が選任され、別途15~20万円の予納金がかかります。
マイナスに捉えられがちな債務整理ですが、弊所、アーク法律事務所からすれば、上記のような特徴をもって、ご相談者様に適した生活再建を可能に変えることができる素晴らしい手続きです。
債務整理に抵抗がある方もたくさんいらっしゃると思います。
まずは、ご相談だけ、話だけ聞いてみませんか?
債務整理のご相談は、面談相談のみの取り扱いとなります。
これは、日弁連で決められています。
アーク法律事務所の場所は、
名古屋市中区丸の内3丁目17番地13号 いちご丸の内ビル6階にあります。
地下鉄「久屋大通駅」1番出口より北へ徒歩1分です。
面談時間は、平日10時より行っています。
平日夜間・土日にも対応しています。
ご相談料は不要です。
何度ご相談いただいても、セカンドオピニオンのご相談も無料です。
お金のことは気にしなくても大丈夫ですので、まずは、あなたには、どんな方法が適しているのか、どんな方法を選択すれば、今の状況を好転させられるのかを一緒に考えましょう。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。