自己破産を検討しているけれど、「車を手放すことになるのは困る」という方が少なくありません。
特に、日常生活や仕事、家族の送り迎えなど、車が欠かせない生活を送っている人にとっては、車を失うことが大きな障害に感じられます。この記事では、「自己破産をしても車を手放さずに済む方法はあるのか?」という疑問に答え、生活への影響を最小限に抑えながら債務整理を進めるためのポイントをご紹介します。
自己破産をすると
✖車に乗れない
✖車が持てない
△車を処分しなくてはいけない
※自己破産をすることで、車に乗れない、持てなくなるということはありません。
また、ローンがなくても資産価値のある車は売却対象になります。
逆に、ローンがなく、資産価値のない車は残すことが可能です。
車が無くなるのは困りますよね!
ネット上には、噂話も間違った情報もたくさん出回っています。
正確には、破産手続きのために一時的に車を処分しなくてはならないケースがあるということです。
また、ここに該当する方が多いことが挙げられます。
自己破産で車を残すためには…
①財産価値がないこと
②車を残すための正当な理由があること
この2つの条件のどちらかを満たしている必要があります。
では、詳しく解説します。
本日のお話は「自己破産と車」です。
自己破産で車は必ず処分されるのか?
自己破産とは、借金を免除してもらう代わりに、保有している財産を売却して返済に充てる制度です。そのため、原則として車のような価値のある資産は処分の対象になります。しかし、全てのケースで車を失うわけではありません。
まず、自動車ローンが残っている場合、通常、車はローン会社に引き取られます。ローンが完済されている場合でも、車の市場価値が20万円以上であれば財産として処分される可能性があります。しかし、20万円未満の価値しかない場合や、生活に不可欠であることが認められれば、例外的に手元に残せる場合もあります。
<自己破産の定義>
車は、財産です。
あなたは、以下のどこに該当しますか?
- ローンがある車は、残念ながら没収されてしまいます。
- ローンのない車は、車の査定によります。
自動車ローンを組んでいる方の多くは、残価設定型クレジットやディーラーローンなどを組んでいる方が多いと思います。
ローンがある場合は、ローンの返済ができなくなると「所有権留保」という約束で、ローン会社が車を引きあげてしまうことになります。
→これは、万が一、借金が返済できなくなった場合は、車を引きあげて売却しますよという約束です。
ローンのない車は…
- 査定額が20万円以上
- 査定額が20万円以下
この判断基準が第一段階です。
査定額が20万円以上の車の場合は、裁判所によって、処分されることになります。
初年度登録も関係します
- 車は初年度登録から7年
- バイクは初年度登録から2年
つまり、初年度登録から7年が経っている
又は
査定額が20万円以下の車であれば、
自由財産として認められ、持っていても問題はない。
ということになります。
※場合によって、査定額が20万円以上だったとしても、自由財産の許容範囲内であれば、処分対象にならないこともあります。
これらの条件に該当すれば、自己破産をしても車を手放さずに済む可能性があります。
マイカーローンを組んでいる場合
マイカーローンの場合は、所有権留保がありません。
銀行などからお金を借りて、一括で購入し、その相当金額をローンにするものです。
よって、自己破産をするにあたって、マイカーローンを組んでいる方の車の行方は…
マイカーローンは、債権者一覧表に上げることになります。
車の所有の有無については、
- 査定額が20万円以下
- 初年度登録から7年以上
この条件が満たせるかどうかになります。
つまり、査定額が20万円以上、初年度登録から7年未満である場合は、車を売却するしかありません。
でも、ローンがあっても、車を残したいと思うあなたのために他に手立てがないかを考えてみたいと思います。
破産手続きで、車の没収を避け、残すためにやりがちなこと
では、ローンのある車は、絶対に残すことができないのでしょうか?
提案できることを考えてみましょう。
無理やり車のローンを支払ってはいけない!
自分で支払う行為は、偏頗弁済(へんぱべんさい)といって、法律で禁止されています。
もし、偏頗弁済が認められた場合は、免責(借金の帳消し)が受けられなくなるという問題になることがあるので注意してください。
全債権者が平等に配当されるようにしなければいけません。
そうではなくて、第三者の人に支払ってもらうことをしましょう!
そして、ここで言う第三者の人とは、同居の家族ではない人を指します。
親、きょうだい、子供など、同居ではない人であれば、一括返済してもらうことも可能です。
ですが、返済に問題が起きなかったとしても、その車の査定額次第では、問題となるため要注意です。
ローンの残債を払うだけで自分のものになるとは決まっていません。
車の価値が20万円以上ある場合には、処分が必要となります。処分を回避するためには、時価相当額を財団に支払う必要があります。
つまり、ローン残債+時価相当額の両方を第三者の方に支払ってもらえるのなら、車を残すことは可能です。
名義変更という手段は、安易にしないこと!
ローンの問題をクリアしたとしても、名義人があなたである以上、車を資産価値として問われるのは、あなたにあります。
特にマイカーローンを組んでいる方は、注意してください。
じゃあ、自分の名義ではなかったら大丈夫なんじゃ?
と、安易に名義変更を考えるのは、ちょっと問題があります。
破産手続きの直前や最中に名義変更をする行為は、
裁判所に「財産を隠そうとしている」と見られることになります。
何より、債権者からも
「あなた、不誠実な人ですね!」
と、反感を買うことにもなります。
何らかの事情で、名義変更を考えたいのであれば、弁護士に相談してください。
くれぐれも、あなたの独断で、勝手に名義変更をしないでくださいね。
自己判断で車を下取りに出さない方がいい!
支払いが厳しい時に真っ先に考えるのは、自己破産をするために動くよりも、借金を可能な限りどうにかしてしまおうとすることです。
もしも、現時点で残価設定されている車を売って、ローンをゼロにしてしまおうと考えているのであれば、1つ覚えておいていただきたいことがあります。
自己破産を検討中ならば、下取りに出す前に弁護士に相談してください。
車には大きな2つの問題があります。
①返済の問題
②査定額の問題
①返済の問題
特定の債権者にだけ支払いをすることは認められていません。
②査定額の問題
売却した時の金額は、妥当な金額だったかが問われます。
平均相場より安く売却した場合は問題になりますし、売却したお金の行方も問題になります。
連帯保証人がいる場合に秘密にしておいてはいけない
「自己破産します」
と、素直に誰かに言える人は少ないでしょう。
ですが、その相手が、保証人ともなれば…もっと言えない気持ちになるかもしれませんが、それは、絶対にやめましょう!!
あなたが支払えなくなれば、
あなたの代わりに支払うように求められるのは保証人です。
どんなに責められたとしても、保証人の人には、一括で返済を求められる可能性も十分にあるので、隠そうとすることは、誠意のない行動です。
相手に説明する義務があなたにはあることを忘れないでください。
配偶者がローンの契約をすることは破産手続きで問題になるか?
破産者は、破産申立により、車は換価処分することになります。
車がなくなるとわかっているので、配偶者が新たにローン契約を結ぶことは、破産手続きにおいて問題になるのでしょうか?
もちろん、生活に見合わない車を購入したりすることは家計として好ましくありません。
ですが、家計の中で十分支払っていけることも、裁判所に証明できるのであれば何も問題ありません。
破産者は、当面クレジット契約ができなくなりますが、配偶者が制限を受けることはありませんので問題にはなりません。
また、配偶者やその他の家族名義の車や財産を没収されることもありません。
原則、破産者本人の名義に関わるものが対象となります。
もし車を手放すことになっても生活を再建できる
万が一、自己破産によって車を手放すことになったとしても、生活を再建するための方法はいくつかあります。公共交通機関の利用や、カーシェアリング、レンタカーを活用するなど、代替手段を検討してみましょう。
また、自己破産によって経済的な負担が軽くなれば、将来的には再び車を購入する余裕が生まれる可能性もあります。
【代替手段の提案】
■公共交通機関:都市部であれば、バスや電車を利用することで生活に大きな支障を来さないかもしれません。
■カーシェアリングやレンタカー:必要なときだけ車を利用することで、経済的な負担を軽減しつつ車を使用できます。
■将来的な再購入:自己破産によって借金が免除されることで、貯金をして再び車を購入できる可能性が高まります。
心配を乗り越えて自己破産を選択すべき理由
車を失うことに対する不安は大きいものの、自己破産のメリットはそれを上回ります。まず、借金を大幅に免除してもらうことで、生活におけるストレスや負担が一気に軽くなります。
長期的な視点で考えれば、借金を抱え続けるよりも、自己破産を通じて経済的な再スタートを切る方が、車の問題も含めた全体的な生活再建に有利です。
【自己破産のメリット】
- 借金の免除による精神的・経済的負担の軽減
- 将来的な財産再建のチャンス
- 再び車を持てる可能性が高まる
【まとめ】どうしても車が必要な場合には、正当な理由が必要です!
自己破産をするかどうか、車を手放すかどうかは非常に大きな決断です。個々の状況に応じて最適な方法を選ぶためには、専門家のアドバイスが欠かせません。弁護士に相談することで、車を守りつつ債務整理を進めるための具体的なプランを見つけることができるかもしれません。
また、裁判所が認めてくれるケースが存在しないわけではありません。
例えば、親の介護を継続するために車が必要だと判断される場合には、必ずしも処分対象になるとは限りません。
だからこそ、あなたの状況や想いをしっかりと弁護士に相談してみる勇気が何より必要です。
もしかしたら、
「あなたのその状況ならば大丈夫ですよ!」
と、言えることもあるかもしれません。
希望を捨てずに一緒に向き合っていきましょう!
自分で勝手に判断して行動を起こさず、弁護士に相談してください。
自己破産で車を残すためには…
①財産価値がない(ローンがなく、査定額は20万円以下又は初年度登録から7年)
②車を残すための正当な理由があること
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