私は、まだ大丈夫!
その根拠のない自信は、どこからやって来るのでしょうか?
確かに、クレジットカードを1枚持っただけで、すぐに破産手続きをしなくてはならないような事態に陥る方はいらっしゃいません。
大丈夫、大丈夫…と考えているうちに、いつしか金額が膨れ上がり、気づいたときには、返済地獄で、どうにもならないという方を当事務所では、解決に導くお手伝いをしています。
Yさんは、シングルマザーからのツケを持ちながら、どうにかなると信じて頑張ってきた結果の自己破産でした。
【事例】借金が膨れ上がるまでの経過
今回の相談者は、Yさん(40代・女性)
元夫との間に2人の子供がおり、それから再婚し、現夫との間に1人の子供がいます。
元夫の子供たちは、それぞれ自活しており、現夫と、子供、Yさんの3人暮らしをしています。
どこにでもありそうなシチュエーションですよね。
一体、Yさんにどんなことが起きたのでしょうか?
シングルマザー時代「お金が足りない時の補填」
女手一つで、子供を育てるというのは、とても大変なことです。
誰かの協力もなく、一人で育てながら仕事をするというのは、並大抵のことではありません。
子供が病気になれば、会社を休むことになり、収入は減ってしまうこともあります。
そこで、Yさんは、お金の足りない時にA社からキャッシングに手を出し始めるようになりました。
収入は20万円、支払い返済額は3万円
借入額と返済のバランスは、取れていたため問題なく過ごしていました。
再婚と出産で更なる出費
再婚をすれば、「シングルマザーの苦労は減る」と思われる方もいるでしょうが、そうとは限りません。
すでに先のA社の支払いがある上に、再婚と出産で物入りとなり、Yさんは、B社のショッピングリボ払いにも手を出すようになりました。
夫婦の手取りは合わせて60万円
返済額は合わせて3万円
生活のバランスとしては、十分返済できる見込みがありました。
夫の収入が減少、生活は苦しくなっていく…
そんな生活が続いた数年後、夫の収入が減ってしまい生活が苦しくなってしまいました。
また、新たなC社からキャッシングを利用するということを始めます。
そして、その後、D社・E社・F社…と、
各消費者金融から借入を増やすことになっていきます。
夫婦の手取りは、50万円
返済額は、10万円を超え始める
夫が転職、さらに借金が増えていってしまう…
誰でもいろんな事情があれば、転職を考えることもあります。
ですが、Yさんの夫の場合は、転職に伴い、必要だからと車を買ったり、安定しない収入で、さらに借金が増えていってしまいました。
これらの名義は、Yさんだったのです。
再婚から10年ほどで、
借金の返済額は、25万円へと膨れ上がっていました。
【事例】借金総額800万円、毎月の返済額25万円をどうするか…
相談にいらっしゃった時のYさんは、憔悴しきっており、話しながら泣き出してしまうほどの情緒不安定な状態でした。
この時、Yさんは、心身の不調から仕事を退職しており、個人再生手続きという手段を使うことができませんでした。
よって、この時の選択肢は、任意整理か自己破産となります。
ですが、到底、任意整理では、支払っていけるほどの弁済額ではないため、消去法で、自己破産という提案に至りました。
退職金の問題等もあり、同時廃止事件としては扱われず、少額管財事件となりました。
よって、破産管財人が選出されることになったので、裁判所への予納金と、財産の処分がされることになりました。
- 自己破産手続きにかかった費用
- 当事務所弁護士費用 24万円
裁判所への予納金 215,499円
合計 455,499円
- 残った財産
- 手続開始時期の財産評価額
約135万円
回収額 約36万円(予納金を含む)
残った財産 約99万円
※自由財産として認められるものは、残ることになります。
【まとめ】自己破産手続きは、何もかも無くなってしまうわけではない
自己破産手続きは、借金も財産もゼロにすることです。
ですが、自由財産として認められるものは、あなたの手元に戻ってきます。
そして、気になる費用の話ですが、当事務所の弁護士費用は、分割も可能ですし、実際収入の少ない方などには、法テラスの利用条件に当てはまるようであれば、積極的に申請をするようにしています。
ちょっと、大変なのが、裁判所への予納金を貯めることです。
こういった費用の話は、書かれている金額だけを見ていると不安になると思いますが、相談の際に、きちんと納得いくまで説明しますので、ご安心ください。
借金をゼロにし、家族とともに前向きに再スタートを切られました。
債務整理をしたことで、心に余裕も生まれ、元気になれたともありがたいお言葉を頂きました。