法人破産をご検討の場合は、
早めの〝決断〟が必要です。
法人破産とは、支払不能、債務超過となった会社が裁判所に申立てをして、財産を処分し、債権者に分配する手続きです。
法人破産をする場合には、お金が掛かります。
弁護士費用と裁判所に支払う予納金が高額になる可能性が高いです。
よって、会社のお金が底をついてからの破産のご検討は非常に危険です。
また、会社にまつわる連帯保証人になっている人は、共に破産をするケースも多いです。
法人破産と個人破産の両方をしなければならない場合、100万円以上かかるケースもあります。
あなたの会社の状況に応じて、弁護士費用や裁判所に支払う予納金の額も異なってきますので、売掛金があるから大丈夫と思わずに、早めの決断と弁護士による面談相談をお考え下さい。
これまで頑張ってきたプライドもあると思います。
もう経営がこれ以上無理だと感じたら…大切な従業員の生活、あなたのかけがえのない生活を守るためにも、破産の決断は大切です。
今回は、法人破産に伴うメリット・デメリットをお伝えします。
法人破産の4つのメリット
法人破産を決断した時のメリットを見ていきましょう。
メリットを見れば、あなたの心も少しは休まるかもしれません。
1.資金繰りからの解放
破産と考えると、心はネガティブになりがちですが、これまで毎日資金繰りに頭を悩ませてきたことと思います。
毎日、次の買掛金の支払い期日、銀行から受けた融資の返済、従業員の給料など、あらゆる資金を集めることで頭が一杯だったことでしょう。
そんな日々から解放されるのが、法人破産の何よりのメリットであると言えます。
2.取り立てからの解放と債務の消滅
法人破産をすることで、法人や会社は消滅します。
法人や会社が消滅してしまうので、負債自体も消滅することになります。
よって、これまで受けていた取り立て、追加請求、差押えの日々からは解放されます。
たくさん追い詰められてきた支払い、取り立ての日々から解放されると、精神的にも穏やかになり、再出発についても考えるゆとりが生まれると思います。
3.滞納した税金、社会保険料の消滅
破産をすることで、法人格を失った会社が消滅してしまうことは前述しました。
法人格を失うということは、債務者がいなくなるということです。
よって、債務者がいない債権は存在することができないないので、滞納した税金や社会保険料の支払いをする必要がなくなります。
ただし、納税保証書、第二次納税義務を負う場合には、免除の対象にはならないことがありますので、ご注意ください。
4.従業員に対する未払賃金立替制度がある
独立行政法人 労働者健康安全機構(JOHAS)が使用者に変わって、労働者に対して賃金の一部を支払う制度があります。
未払賃金の立替払制度は、労働者とその家族の生活の安定を図る国のセーフティーネットとして、企業倒産に伴い賃金が支払われないまま退職した労働者に対し、「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づいて、その未払賃金の一部を政府が事業主に代わって立替払する制度です。
法人破産の3つのデメリット
一方の法人破産に伴うデメリットをご紹介します。
1.会社が消滅するので事業の継続が不可
法人破産をすることで、会社自体も消滅してしまいます。
よって、事業の継続は不可能です。
もしも、事業の継続を望むのならば、新しく事業を起こす必要があります。
2.代表者自身の信用情報の問題
法人破産をする場合、代表者が連帯保証人になっているケースが多く、代表者は、同時に個人でも自己破産をする必要が出てきます。
すると、5~10年信用情報機関(ブラックリスト)に登録されることになるので、この期間には、新たな借入や契約が難しくなります。
よって、銀行からの融資(10年)も受けられなくなるため、会社を再度立ち上げることは個人では難しくなります。
ただし、他のご家族などの方が代表者となられる場合には、信用情報機関に登録されていない方でしたら可能です。
3.弁護士費用と裁判所にかかる費用が高額になりやすい
弁護士費用と裁判所にかかる費用が、法人破産の場合は高額になりがちです。
また、あなたの状況がわからない状態で、弁護士費用をここでお伝えすることも難しくなります。
おおよそ、100~200万円はかかるというイメージをお持ちいただけますと幸いです。
法人破産をしても再チャレンジは可能です!
法人破産をすることで、何もかも終わりになってしまうと考えがちですが、日本政策金融公庫では、再チャレンジを応援する制度もあります。
1.廃業歴等を有する個人または廃業歴等を有する経営者が営む法人であること
2.廃業時の負債が新たな事業に影響を与えない程度に整理される見込み等であること
3.廃業の理由・事情がやむを得ないもの等であること
このように何もかも破産をしたら、終わりにはなりませんので、未来への希望も捨てないでください。
まずは、今の状況を改善させるためのご相談をお近くの法律事務所にしてください。