【よくある債務整理の質問】転職や退職しても問題ないか?

債務整理を行うこと自体がご依頼者様にとって、人生の大きな転機ともなり、その機会に転職や退職へと足を歩めたくなることもあると思います。

ご依頼中のお客様からの質問としても多い「転職や退職」に関する質問について可能な限りお答えしていきたいと思います。

 

弁護士 鬼頭
先に結論を申し上げると、置かれてる状況によって回答が異なります。ネット上で無責任なことは言えませんので、実際のところは、担当する弁護士に質問するようにしてください。
しかし、以下の点に注意が必要です。

 

  • 弁済がある場合、その支払いを払い続けることが可能か
  • 給与者等個人再生の場合、手続きの継続に問題が起きることがある
  • 自己破産手続きであれば、資格制限に反しないか

 

この3つの点に注意しなければ、債務整理があなたにとって、マイナスの手続きに変わってしまうことにもなりかねませんので、自己判断での転職や退職はご注意ください。

 

弁済がある場合、その支払いを払い続けることが可能か

 

転職や退職をしてはいけないという法律はありませんが、自己破産以外の債務整理を行う場合、手続き後も債権者への弁済は残ります。

 

任意整理、個人再生では、利息をカットしたり、借金総額を減額したりした残りの借金を支払っていかなくてはなりません。

その支払いに支障が起きれば、債務整理をした意味がなくなってしまいます。

 

転職を考える際には、決められた弁済額を滞りなく支払えるような経済力を維持できなければなりません。

 

転職をするということは、多くの場合で、収入が得られない月が出てきます。

その状況を乗り切れるかどうかがカギを握りることになると思います。

 

弁護士 鬼頭
これは、手続き中だけの問題ではなく、手続き後の弁済中にも忘れないで欲しいことです。無収入になる月を乗り切れる経済力があるか、支払いに困らないかを考えた上で、転職や退職を検討してください。

 

給与者等個人再生の場合、手続きの継続に問題が起きることがある

 

債務整理の中でも、個人再生には、「小規模個人再生」と「給与者等個人再生」の2つの種類があります。

このうち、給与者等個人再生を選択している場合には、転職することによって、手続きが進行できなくなる可能性があります。

 

弁護士 鬼頭
なぜなら、定期的な収入が得られることと、その変動の幅が少ないことが、給与者等個人再生を上手に進めるコツになるからです。よって、裁判所が認可を決定するためにも、手続き中の転職は最低でも避ける方が良い場合もあります。

 

自己破産手続きであれば、資格制限に反しないかを考える

 

債務整理の中でも、自己破産手続きだけ、資格制限という条件が付きます。

これは、保険の外交員や警備、士業などの資格を有する方が該当する問題です。

 

よって、転職先がこのような職種でなければ、問題ないことがほとんどでしょう。

 

また、逆に資格制限のため、転職をせざるを得ない場合もあることを覚えておいてください。

 

収入を増やすための転職はどうか?

 

収入を増やして、二度と失敗しないような経済力にしよう!と、前向きに考えることもあると思います。

この場合も、上記に書いた3つの注意点を参考に転職をお考え下さい。

繰り返しますが、転職をすることによって、収入を得られない月が発生する可能性が高く、その期間に経済的に困窮しないか、シミュレーションを十分に行ってください。

 

弁護士 鬼頭
万が一、生活費が足りないなどの事態が起きた場合、債務整理をしたことで、信用情報機関にも事故情報として登録されてしまうので、どこかでお金を借りて補填するということができなくなります。どうぞ、お忘れなく、慎重にお考えください。

 

まとめ|債務整理中の転職や退職について

 

債務整理を行っても、法的制限を受けるわけではないので、転職や退職は個人の自由です。

大事なことなので、何度も書きます。

 

  • 弁済に影響を及ぼさず転職ができそうか
  • どこからも借入ができないことを理解できているか
  • 担当弁護士にも相談したか

 

弁護士 鬼頭
冒頭で書いた結論通り、あなたの状況によって、転職や退職の有無については答えが変わります。安全に手続きを進めるためにも、担当する弁護士に一言ご相談ください。また、あなたの未来が好転することを祈っております。

 

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