時折、見かけるのが…
「借金は踏み倒せばいい」と促すような記述があります。
借金の踏み倒しなんて、簡単にできるのでしょうか?
ネット社会になって、どんな情報でも簡単に手に入る世の中です。
困ったことを調べていても、そこに目を引く言葉があると気になって読むこともありますよね。
よって、意図しない方向から、いろんな情報が入ります。
しかも、それが正確なものなのか、あなたは判断できますか?
債務整理を専門に手掛ける名古屋のアーク法律事務所がお答えします。
借金の時効の条件や定義とは…
借金を踏み倒すとなったら、時効の条件をクリアしなくてはなりません。
借金にも時効があります。
ですが、債権者(銀行、消費者金融、税金など)も馬鹿ではありませんから、あなたから支払ってもらえるように試行錯誤しています。
それでも、成立するのであれば
「時効を援用します」
と、意思表示を債権者に示せば、借金は消滅します。
その条件は…
- 最後の返済日から5~10年が経過
- 時効の更新(中断)がない
- 消滅時効の援用をしている
この3つをクリアしなければ、借金は時効とはなりません。
最後の返済日から5~10年経過していないのに、時効を援用することはでないですし、時効の更新(中断)が起きているのに時効を援用することはできません。
時効の更新(中断)とは、
訴訟を起こされたり、差し押さえされたり、借金の存在の有無、返済の意思を債権者に伝えるといったこと。
※時効の中断は、「時効の更新」という言葉に令和2年4月1日より改正されました。
時効の更新が起きると、これまで積み上げてきた時効までのカウントがリセットされてしまいます。
まず、誰かに貸したお金を放置するなんてことは、通常ありえませんよね。
また、最初から返済する気もなく、時効を狙う行為は、詐欺罪になりますのでご注意ください。
次に、意図的に時効を計画することについてお話します。
意図的に借金の時効を計画することは得策ではない
冒頭の話を少し振り返りましょう。
ネット社会ですから、いろんな情報が飛び交っています。
すると、借金を踏み倒すことを誘導するような記述もあります。
ですが、よく考えてみましょう。
借金を踏み倒すということは、例えば、今日から5年後まで、
債権者から時効の更新(中断)がされないことに賭けるということです。
ギャンブルと同じ賭け事のようなものです。
失敗したら、また、そこから5年、10年という月日が無ければ、時効にはなりません。
しかも、途中で、強制執行されて、給料の差し押さえにあうかもしれません。
そのリスクを背負ってまで、時効を狙うことに意味はあるのでしょうか?
もっと、楽な方法を選択した方が、心身的にも良い気がしませんか?
ずっと、時効を狙うということは、心身にも負荷をかけることになります。
時効を狙うくらいならば、債務整理をした方が圧倒的に解決は早い
時効を狙う行為は、ずっと、債権者から逃げ続けること
とも言い換えられます。
借金の踏み倒しを考えた時は、独身でも、3年後には、結婚する相手が見つかっているかもしれません。
車やマイホームの購入を考えても、事故情報として登録されていれば、自分でローンを組むことはできませんから、相手に怪しまれることになります。
しかも、訴訟を起こされるかもしれないので、消滅時効を迎えることが無事にできるかもわかりません。
では、債務整理を検討した場合どうなるでしょう?
踏み倒しと自己破産を比較してみる
自己破産は、借金を帳消しにする手続きです。
時効を狙う行為との差は、弁護士費用や裁判所への予納金がかかるという点です。
時効と同様な条件は、ブラックリストに登録されることです。
ですが、自己破産の場合は、5~10年です。
時効と期間も大差はありませんが、援用できなければ、時効を狙う場合は、ずっとブラックリストに登録されたままです。
あなたのリセットが約束されている自己破産
と、
あなたのリセットが約束されない時効を狙う行為
比較したら、どちらが得なのでしょうか?
自己破産の手続きが終われば、元通りの生活です。
身を隠す必要もありませんし、信用情報が回復するまでローンが組めないなどの制限はありますが、抱えていた借金の負荷が正当に無くなります。
先に書いた結婚したい相手ができた場合も、「時効待ちしているんだ」と言うよりも、「過去に失敗して、自己破産しているんだ」と伝える方が誠意も伝わると思います。
自ら自分の株を下げる行為は、婚約破断の原因にもなりかねません。
また、自己破産の手続きを弁護士に依頼すれば、
すぐに借金の支払い・取り立てがストップします。
逃げる行為と比較すると、自己破産を選択した方がメリットだらけです。
【まとめ】借金の時効待ちするくらいならば債務整理でスッキリしよう!
いかがでしたか?
すでに借金の消滅時効を迎えている件に関しては、ご相談頂ければ、時効の援用をする手続きを行います。
ですが、時効を敢えて狙う行為は、現実的に難しいことです。
ネットの情報で、なるほどと思っても、落とし穴がたくさんあって、時効を成立させるとは困難です。
それよりも、もっと、正当に楽になれる債務整理を選択してみてはいかがでしょうか?
あなたの踏み倒しをしたい理由をどうぞお聞かせください。
あなたの気持ちに沿った提案を弁護士としてさせてください。
払えない理由があるから、踏み倒したいはずです。
その気持ちを僕は否定しません。
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