借金問題に困った時、どうにかする手段の1つに「債務整理」があります。
しかし、この「債務整理」は、悪い噂ばかりが一人歩きしてしまっています。
つまり、デメリットばかりが目立ってしまっていたり、借金問題を抱える人を卑下する言葉も社会では飛び交うので、本当に今困っている人が相談に行きにくい社会が広がっています。
そのデメリットが何なのかをわかっていない人が口にしている話を信じても全くの無意味です。
実際、債務整理を行っている人で、大きなデメリットを背負って選択しているケースは少ないです。
債務整理を行うことで起きるデメリットは、
- 一定期間、ローンが組めなくなること
- 一定期間、クレジットカードが持てなくなること
- 一定期間、保証人になれないこと
- 所有権留保のある商品は返還が必要になるケースがあること
- 1つ20万円以上の価値のある財産が処分対象になることがあること
- 連帯保証人がいる場合は、迷惑を掛けることがあること
簡潔に述べると上記の6つのことが、債務整理のデメリットとして挙げられます。
しかし、これは、債務整理のメリットをしっかりと理解していれば、恐れることのないデメリットにもなります。
この記事では、債務整理の種類を問わず、全体に起こりうるデメリットを解説します。
債務整理とは何のことか?
債務整理とは、任意整理・個人再生・自己破産手続きの総称です。
<任意整理とは>
任意整理は、あなたの負担になっている借金だけを選び、将来利息を最大ゼロにすることができる手続きです。
実は、毎月支払っているクレジットカードやキャッシングの支払いの中には、利息がたくさん含まれています。
この利息を軽減させることで、毎月の支出を変えることが可能です。
<個人再生とは>
個人再生は、全部の借金を大幅に減額させることができる手続きです。
住宅ローンを抱えていても、住宅ローンを維持したまま手続きをできる可能性があります。
つまり、住宅ローン以外の借金の重圧を大きく下げることが可能な手続きです。
<自己破産とは>
自己破産は、全部の借金を帳消しにする手続きです。
何もかも失う手続きだと誤解されますが、総額99万円までの財産は守ることができます。
自己破産の手続きで財産というカウントがされるものは、1つ20万円以上の価値のあるものだけです。
債務整理の全体的に起きるデメリットを理解しよう!
債務整理のデメリットは、大きく以下の6つです。
- 一定期間、ローンが組めなくなること
- 一定期間、クレジットカードが持てなくなること
- 一定期間、保証人になれないこと
- 所有権留保のある商品は返還が必要になるケースがあること
- 1つ20万円以上の価値のある財産が処分対象になることがあること
- 連帯保証人がいる場合は、迷惑を掛けることがあること
①一定期間、ローンが組めなくなること
一定期間という表現は、債務整理をすることで、信用情報機関に事故情報として登録されている期間を指します。
この期間は、手続きにより異なります。
任意整理
JICC、CIC、KSCいずれも登録機関は、完済から5年
個人再生
JICC、CICは、完済から5年
KSCは、開始決定日より10年
自己破産
JICC、CICは、免責許可決定より5年
KSCは、破産手続きの開始決定より10年
この期間に該当する間は、ローン契約が組めなくなります。
このローン契約には、スマホの割賦契約も含まれます。
お金を貯める必要はありますが、androidなどの安い携帯を購入することなど工夫すれば、一定期間を乗り切ることが可能です。
②一定期間、クレジットカードが持てなくなること
クレジットカードもローン契約と同様で、信用情報機関に事故情報として登録されている期間に契約をすることができません。
クレジットカードが持てないと思うと、生活が途端に困ると思う人がいます。
しかし、よく考えてみてください。
クレジットカードが便利だと思うのは、その場で現金が不要で買い物ができるということではないでしょうか?
そして、その支払いは、翌月に全額ではなく、一部を返せばいいということです。
この考え方が頭から切り替えられないと、借金問題から生活再建していくことが難しくなります。
クレジットカードの代替品は、電子マネーにチャージをしたり、デビットカードを利用することで同じサービスを活用することは可能です。
③一定期間、保証人になれないこと
①②と同じく、信用情報機関に事故情報として登録されている期間に保証人になることはできません。
よくある質問は、子供の奨学金などの保証人になれないのか?ということです。
この答えは、機関保証が用意されているので、そちらを利用すれば、親が保証人になる必要はありません。
その他、最近の契約ごとは、保証人を用意せず、機関保証を利用できるケースが増えてきています。
賃貸契約においても、保証会社を立てることで解決できます。
④所有権留保のある商品は返還が必要になるケースがあること
債務整理を行う借金の契約によっては、所有権留保のかかっている商品を保有している場合があります。
よって、所有権を持っているローン会社が返還を求めた場合は、その商品を返還する必要があります。
⑤1つ20万円以上の価値のある財産が処分対象になることがあること
これは、自己破産手続きを選択する場合のみ関係のある内容です。
自己破産手続きは、借金を帳消しにする手続きです。
借金を帳消しにするためには、プラスの財産を売却処分して、債権者に分配する必要があります。
しかし、これは、何もかもの財産や所有しているものを売却処分するという意味ではありません。
自己破産手続きでは、自由財産に該当するものは処分することができないとされています。
自由財産に該当するものは、生活に必要な家具家電、衣類、日用品などがあります。
実際に処分の対象となるのは、1つ20万円以上の価値のあるものです。
例えば、住宅、車、保険、株などが挙げられます。
しかし、自由財産の拡張が認められれば、総額99万円までの財産を処分する必要はなくなります。
⑥連帯保証人がいる場合は、迷惑を掛けることがあること
住宅ローン、車のローンなどの高額なものを購入する際には、連帯保証人が設定しなくてはいけないことがあります。
この時、主債務者が債務整理を行う場合は、連帯保証人にその請求が行くことになります。
よくあるケースでは、奨学金の保証人が親御さんになっているので、債務整理を躊躇するケースがあります。
この場合には、親御さんともしっかりと相談する必要があります。
また、住宅ローンの場合は、夫婦でローンを組んでいる場合もあるので、その契約の仕方によって手続きの仕方が異なってきますので、弁護士としっかり相談する必要があります。
多くの場合は、個人再生手続きを選択することで、住宅を処分することなく、その他の借金だけを圧縮することが可能です。
また、夫婦両方が債務整理をすることで問題が解決できることもあります。
連帯保証人がいる借金の場合でも、解決方法を一緒に考えるのが弁護士の仕事です。
債務整理に〝メリット〟はあるのか?
債務整理のメリットは、
あなたの生活再建ができるということです。
支払いの負担割合が変わるだけで、生活状況は変わります。
その負担割合をどのように軽減させるかが、債務整理の選択の肝になります。
債務整理を選択される方にとって、最良の手段であることが大前提です。
あってはならないことですが、中にはご相談者様の後先を考えずに任意整理や自己破産を提案する弁護士がいるので、本当にあなたにとって最良の方法なのかを今一度この記事を通して考えてみてください。
- 収入状況
- 生活状況
この2つを軸に置いて考えていく必要があります。
個人再生や自己破産は、裁判所を介す手続きになり、弁護士費用も高額になりやすいので、躊躇される方がいます。
よって、無理な任意整理を選択して、再度生活困窮に陥るケースが後を絶ちません。
この見極めができるのは、債務整理の経験豊富な弁護士の手にかかっています。
債務整理を失敗しないためにも、その任意整理をして〝本当にあなたの生活状況が改善できるのか?〟という問いかけをしてください。
<どんな弁護士に相談するといいのか?>
相談料は無料で行っている法律事務所が多く、土日夜間にも対応している弁護士は多数います。
名古屋近郊の方は、当アーク法律事務所へご連絡ください。
債務整理の「メリット」を活かすとは…
どんなことにも、メリットとデメリットというものがありますね。
債務整理全体に対するデメリットをお伝えしてきました。
債務整理のメリットを今一度考えてみましょう。
■支払いに怯える生活からの脱却
■給料が支払いで全部消えない
■子どもにねだられた時に買ってあげられる
■自分の欲しかったものが買える
■心にゆとりが生まれる
借金でお金がないという生活は、こういったことが生活から奪われていたはずです。
手元のお金が無くなってくれば、だんだん心のゆとりは失われ、大切な人にもキツく当たりがちです。
本当は仲の良い夫婦だったはずなのに夫婦喧嘩ばかりになってしまったり…
大切な我が子にまで当たってしまったり…
いろんな自己嫌悪にも陥ったことだと思います。
債務整理には、確かにデメリットは存在します。
それは、あなたの望まないことかもしれません。
でも、そのデメリットと引き換えに手に入るものの方が大きいのではないでしょうか?
各お手続きのデメリットとメリットはこちら
この記事では、債務整理全体に対するデメリットをお伝えしてきました。
当ホームページ内には、各お手続きに関するデメリットとメリットについても記事がございます。
合わせてお読みください。
■任意整理のメリット・デメリット|クレジットカードはどうなる?
■個人再生のメリット・デメリットとは?向いている人と残せる財産
■自己破産のメリットとデメリットは何?やる前に知っておきたいこと
<成功事例>
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<債務整理をお考えの方へ>
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