死亡事故

交通事故の被害者が亡くなった場合、以下の項目について請求・補償を受けることができます。

葬儀関係費用

葬儀費用、供養に必要な仏壇仏具などの購入費、墓石建立費その後の法要費用などについて

・自賠責保険基準 ― 原則として60万円
社会通念上必要かつ妥当な場合は100万円程度までは認められます。
 
・裁判所基準   ― 150万円を上限として認められることが多い
ただし、亡くなった方の社会的地位により、150万円以上の葬儀関係 費用が認められた判例もあります。
 
死亡慰謝料

死亡慰謝料は被害者本人だけでなく被害者の遺族の方にも慰謝料請求権が発生します。
死亡慰謝料についても後遺症慰謝料と同じく、自賠責保険、任意保険、裁判所と3つの基準 があります。

  自賠責基準 任意保険基準 裁判所基準
被害者が一家の支柱 350万円 1,500〜2,000万円 2,800万円
被害者が母親・配偶者 (その他に含む) 2,400万円
被害者が18歳未満 1,200〜1,500万円 2,000〜2,200万円
被害者が高齢者 1,100〜1,400万円
その他 1,300〜1,600万円
  • 遺族の慰謝料
    慰謝料請求できる遺族の範囲は、死亡した被害者の父母(養父母を含む)、配偶者、子(養子、認知した子、胎児を含む)です。
    ・請求権者が1名の場合 ― 550万円
    ・請求権者が2名の場合 ― 650万円
    ・請求権者が3名以上の場合 ― 750万円
    ・被害者に被扶養者がいる場合は、さらに200万円を加算
消極損害

死亡による逸失利益とは、被害者が死亡したために本来であれば将来にわたって得ることができたであろう利益を失ったことによる損害です。

  • 死亡逸失利益 計算式

修理基礎収入

  • 給与所得者
  • 原則として事故前の収入を基本とします(収入証明書や源泉徴収票で確認)。
    収入を証明する資料がない場合は、賃金センサスに載っている平均給与額から算定します。
  • 将来の昇給については、公務員や大企業の従業員など、昇格基準と規定が確立されている場合は  考慮されます。 中小企業の場合でも、将来昇給することが明らかであれば、認められる場合もあります。
  • 退職金については、退職まで働いていたら得られたであろう退職金額と、死亡時に現実に支給された退職金額の差額が逸失利益となります。
  • 事業所得者
  • 商工業者、農林・水産業者、自営業者などは、事故前の申告所得額を基本とします(前年度の所得税確定申告書や課税証明書で確認)。
  • 確定申告をしていない場合や、確定申告をしていても実際の収入額をきちんと反映していない場合には、帳簿や伝票、取引銀行明細などを参考にして証明します。
  • 家族で事業をしている場合は、その事業全体の所得に対する、本人の寄与分の割合によって計算します。
  • 家事従事者
  • 性別を問わず、家事従事者は現実の収入がなくても逸失利益が認められます。
    算定は、賃金センサスの全年齢平均給与額を基礎に行われます。
  • パート収入があった場合、実際のパート収入額と賃金センサスの全年齢平均給与額のいずれか高い方を採用します。 その場合には、兼業家事従事者であっても家事労働分は加算されないのが基本です。
  • 年少者、学生
  • 賃金センサスの男女別の全年齢平均給与額を基準として算出します。
  • 高齢者
  • 65歳以上であって、死亡時に働いていなかったとしても、就労の可能性が認められれば賃金センサスの全年齢別平均給与額を基準として認められることがあります。
  • 被害者が死亡時に年金の受給していた場合年金についての逸失利益も認められます。
  • 無職者
  • 死亡時に無職で収入がなかった場合でも、労働能力・労働意欲があったと認められれば逸失利益が認められます。その場合、前職の収入もしくは賃金センサスを参考に算出されます。

生活費控除

被害者の死亡によって、逸失利益という損害が発生する一方で、被害者が生きていれば発生したであろう生活費が発生しなくなります。 そのため、死亡による逸失利益の算定においては、収入から被害者が必要としたであろう生活費相当額が控除されます。


区分 控除率
一家の支柱
(生計の中心となる人、男女問わず)
被扶養者1人 ― 40%
被扶養者2人以上 ― 30%
女子(主婦・独身・女児を含む) 30〜40%
男子(独身・男児を含む) 50%

就労可能年数

就労可能年数とは、被害者が交通事故により死亡しなければ働くことができたであろう期間のことをいいます。原則として、67歳までがその期間として設定されています。
ただし、60歳以上の高齢者については、就労可能年数を簡易生命表により求めた平均余命年数の1/2とします。


区分 就労可能年数
18歳以下の学生、幼児 18歳〜67歳までの49年間
大学生 22歳(大学卒業時)〜67歳までの45年間
60歳未満 死亡時〜67歳まで
60歳以上 平均余命年数の1/2 <簡易生命表>
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