物損事故

交通事故のうち、人的被害がなく、車や積載荷物、建物などの被害だけで済む事故のことをいいます。
物損事故の場合は、自賠責保険は適用されません。よって、加害者もしくは被害者の加入している任意保険会社が賠償を行います。賠償額が任意保険の範囲を超えた場合には、加害者本人が賠償することになります。

修理費

交通事故で破損した自動車が修理可能な場合には、被害者は原則として修理費を請求することができます。ただし、必要以上の修理を行ったりして相当額を超える修理費が発生した場合、相当額以上の損害は補償の対象にはなりません。
また、修理可能な状態であっても、修理費用>事故直前の自動車の時価 である場合には時価を超えた部分についての修理費は認められません。
つまり、交通事故直前の時価が50万円の自動車に対し、修理費が70万円かかる場合、50万円までの修理費は認められるが、差額の20万円については認められない、ということになります。

買換費

以下の場合には、交通事故直前の自動車の時価(+買換諸経費)から事故車両の買取価格(スクラップ代)を差し引いた金額が損害額として認められます。

・自動車が修理不可能な場合(全損)
・修理は可能だが、修理した場合の費用が交通事故直前の自動車の時価を超える場合

◆ 自動車の時価(評価額)算定方法
交通事故直前の自動車の時価がどの程度であったのか、その算出には通常「オートガイド自動車価格 月報(通称 レッドブック)」に記載されている価格を参考にして主に判断します。 その他、中古車情報誌やインターネットにおける中古車価格情報のサイトを参考にする場合は、複数の情報を収集してその平均値を採ります。

評価損

交通事故に遭った自動車の修理が完了しても、その評価額は事故前と比べると下がってしまいます。
その価格の減少分を「評価損(格落ち損)」といいます。
この評価損について、損害保険会社が交渉の段階で認めることはほとんどないため、トラブルになることがよくあります。


訴訟で争う場合には、

・事故減価額証明書(財団法人日本自動車査定協会 発行)
・修理費用の明細書
・事故車両と同程度の評価損を認めた判例

などをもとに、請求し争っていく必要があります。

代車使用料

交通事故に遭った自動車を修理に出した場合の修理期間中、及び買い換えをした場合の納車までの期間は自動車を使用することができません。
その間に代車を使用した場合、その必要性と費用の相当性が認められれば代車使用料を認めてもらうことができます。

注意 ・修理の場合は、自動車の修理が終わり引き渡しまでの期間の代車使用料が対象ですが不当な要求などにより修理に出すまでに時間を要した場合などは、事故日〜修理に出した日までの代車使用料は認められません。
・代車を選ぶ際には、交通事故に遭った車両と同レベルまでの車両にすること。
事故に遭った車両が外車などの高級車の場合は、国産高級車レベル程度までであれば認められる傾向にあります。

休車補償

交通事故で破損した自動車がバスやトラック、タクシーなどの営業用車両であった場合、修理期間中や買い 換え時における納車までの間は、その車両を使っての営業ができなくなります。それによって減少した営業利益(純益)については、損害賠償を請求することができます。

注意 以下のような場合には、休業補償を受けることはできません
・代車を使用し、その代車使用料が認められる場合
・代車を使用すれば営業活動が可能であったにも関わらず使用しなかった場合
・(個人タクシーの場合)人身事故で休業損害が認められた場合

慰謝料

交通事故による自動車や積載物の破損について、原則として慰謝料は認められません。

車両購入諸費用・雑費

自動車の買い換えが必要となった場合、税金や諸費用・手数料がかかります。それらについても本来、事故 が起きなければ負担する必要がなかったものですので、損害として認められます。

<請求可能>
【車両購入にかかる諸費用】
・自動車の時価にかかる消費税
・自動車取得税(時価が50万円以上の自動車が対象、50万円以下は免税)
・自動車重量税
・法定自動車検登録費用
・法定車庫証明費用
・登録手続代行費用、車庫証明手続代行費用、納車費用
・代行費用にかかる消費税
・廃車・解体費用
【その他雑費】
・自動車の引き上げ、運搬、保管費用
・レッカー代
・自動車の本体価格に含まれない装飾品・付属品の修理費または時価額
・損害保険料の割引がなくなった場合は、その割引相当額
・交通事故証明書交付手数料
<請求不可>
・自動車税 ― 抹消登録により還付請求できるため
・自賠責保険料 ― 抹消登録により還付請求できるため
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